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短編 山にまつわる怖い話

アイヌの伝承 その弐

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ユペッに住んでいるパレアシクルと言う者です。

不思議な体験をしたんだ。

俺は大抵、狩に行く時は若いのを一人連れていくんだけど、そいつは若いのになかなかしっかりしていて気立てもよい、村でも評判なやつで、いつでも一緒に出かけてた。

仮にそいつをA君としとこう。

いつも二人で狩に行っては、ユペッの川とイシカリの川の堺の峰に立って、イシカリの方を見下ろしては「一度行ってみようや」と話してた。

ある日Aを誘ってイシカリの方に下ってみると、予想どおり獲物の足跡がゴチャゴチャある!

とりあえず狩小屋を建てて、飯もくったし、明日の狩の準備は万端。

寝るまでに時間があるので、俺はいつもの様に矢を削っていた。

削った矢はAに分けてやってるんで、Aはその分色々と雑用などすすんでやってくれる。

いつしか焚火の向かいに座ってるAがコックリ、コックリとやってるんで、「山越えてきたし、だいぶ疲れてるんだな」と思って見てると横に揺れたり前のめりになったり、揺れが大きくなってる。

「おいおい、頭燃えるぞ。(笑)」と思ってると、ついに横にバタッと倒れてそのまま寝ちまった。

可笑しくて爆笑しそうになったけど、起こしたら可愛そうだからこらえた。

Aはしばらくのあいだ眠り、目をこすりながら起きると辺りを見まわし「あれ?」って感じで

「さっき寝てるあいだ誰か来て、ウウェペケレ(昔話)かユーカラ(英雄叙事詩)やってませんでした?」

とか聞いて来たんで、

「ハァ?こんな山奥の狩小屋に人なんか来るか。第一俺はずーっとほら、矢を削ってたが」

と答えるとAはゆっくりと語りはじめた。

「いつの間にか眠ってたみたいで、夢の中で僕たちがいるこの狩小屋に、見るからに神と言うような方が来られ、横座に座り、パレアシクルさんになんか言ってるんです。たしか、『パレアシクルよ、あなたは何故このイシカリの地に来たのです?いまこのイシカリでは大変なことが起こりそうなのです。ここは余りにも獲物が豊富な為、天の国のチチケゥと言う凶悪な魔物に目を付けられ、イシカリに居る人間を皆殺しにし、この地を独占せんと考えている。しかしこの地を守る神々ではチチケゥにかなわない。』『かく言う私はこの広場を守るよう使わされたヤオシケプカムイ(蜘蛛の神)です。無事生きて帰れたら、イナウでも酒でも贈ってください。』と、言ってたように思います」

とAは長い夢の話しを一気に聞かせてくれたのだ。

それを聞いてビビった。

普段ユカラとか伝承を語った事がないAの口から、こういう話しを聞かされたのでなおさら震え上がった。

それは明日、イシカリの人間を皆殺しにチチケゥが来るらしい。

しかしこの地の神々では太刀打ち出来ないので、かの有名な英雄神「ポンヤウンペ」に退治を依頼した。

ここで狩をするのは危険だ、命はない物と思え。

明日はどうなるかわからないので、夜明けと共にこの地を離れなさい。

とヤオシケプカムイが忠告に来てくださった。と言う内容だった!

俺は矢削りを即効やめ、「私共をお守りください」と何度もカムイに礼拝をすると、すぐに寝た。

次の朝、夜が明けきらない内に起き、急いで飯食って、ユペッとイシカリの川の堺の峰までめざした。

カムイがそこで見ていろと仰ってたので、昼頃に到着しイシカリの方を眺めると、海の方からなにやら発光体が飛んできた。

それはよく見ると鳥のようにも見えた。

それがいつの間にか消えてしまい、その後、上空から金色に光る乗り物のような物が降りてきたのだ。

よく見ると、男らしき者と女らしき者が乗ってるのが見える。

異様な化け物だ、きっとこいつらがチチケゥだろう。

すると、再び発光体が現れ、うっすらと光りを発しながらチチケゥの乗り物と同化したように見えた。

するとチチケゥの女の方が苦しみだし、少し上へ上昇したと思うと、白骨化して崩れ落ちたのだった。

男の方も同様に白骨化して地面に落ちると、発光体は海の方へ戻っていった。

あの発光体がポンヤウンペだったのだろう。

それを見届けると俺達は逃げるように真っ直ぐ村に帰った。

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後日談

家に帰るとその夜、あのヤオシケプカムイが夢に現れ、

お前が私の言った通りにしたので無事で良かった。

お前達の村だけでなくユペッの民全ての危険でも有った。

それを救ってくれたポンヤウンペ神に感謝を込めて皆で祭をしなさい。

と仰ったので、川の上流、下流の村に使いをだし、皆で酒を醸しイナウを削り蜘蛛の神とポンヤウンペ神の為、酒とイナウを贈りました。

解説させて頂きますと

イナウってのは木の棒をナイフで削って、たくさんの削りかけ(クルクルッとなった細い帯状)が付いたフサフサした物とイメージして頂ければ良いかと。

アイヌでは神々に対して供える物(酒、イナウ)は神が受け取ると、神々の国に持ち帰り、他の神々達におすそ分けしたりして、宴会をしたりするそうです。

その時他の神様から「おー、やるじゃん、あんた良い事したねえ」とか言われて、株は上がるし、イナウをもらった神はパワーアップし、より一層人々を守ってくれると考えられていました。

アイヌは自然と密着して生活していたので、こういう話しはどうも山の怪って言うのとは違うような気もしないでもない。

あとなんか書こうと思ってたんですが忘れちゃった。

あっそうだ、何ヵ月かまえに、アイヌ伝承の『淫乱の群れ』の話し見たと思うんだけど見た方居ますか?

書いたの僕では無いんですが、くねくねだったかな。

323 :あなたのうしろに名無しさんが……:04/02/28 23:59
>>296
淫乱=パウチカムイのことか?
裸で踊って人間を誘って取り殺すって聞いたことあるな。

パウチカムイに襲われたアイヌが、たまたま近くにあった村の事を話した。

パウチの興味はそっちに向かったのでそのアイヌは助かったけど、その村では大量の犠牲者がでた。

怒ったその村の人達が先のアイヌの村に攻めてきたので、先のアイヌの村はたまたま隠れていた子供を残して全滅してしまったって話、岩波の文庫(えぞお化け列伝だったかな?)にあったな。

364 :ヤイサマネ@283:2004/02/29 21:43
>>323
僕が知ってるのと同じ話の様ですね。

平取のアイヌの方が語った伝説によれば、ニカプ(新冠)のコタンの人が、父親にアプシに居る許嫁に会いに行ってこいと言われ、(アイヌでは親同士で許嫁を決めることは良くあったらしい)

ニオイ(荷負)を通ってアプシのコタンの許嫁の家に着くと、家の人達が、死装束を来て暗い面持ちでいるので、驚いて家の主人に訳を聞くと、一年前、夜中トイレに起きると、アプシの山だけが明るい。

よくみると、パウチカラペサイェ(淫乱の群れ)が全裸で踊っていた。

彼は、ここに来るより、東に大きなコタン(十勝と書いてありますが)があるからそこに行けば、多くの仲間が増えるだろう。

血糊の酒を飲めるだろう。だから早くそこへ行け。

と思わず言ってしまうと、聞こえてしまったらしく、淫乱の群れは十勝方面に行ってしまった。

その後、噂で十勝のアイヌの大半が淫乱の群れに加わって、狂って死んだ。と。

しばらくして、十勝のシャーマンの老人が、パウチが十勝に来てしまった原因を見破り、雄弁な使いを出し、「復讐に来るから待ってろ」と言ってきた。

命乞いをしても聞き入れてくれない。あとは、殺されるのを待つばかりなのだと言う。

せめてあなたとの許嫁である、うちの娘と一緒に逃げてください、と懇願される。

それで、許嫁の娘を連れてニカプに帰り、その後アプシの者は、ニカプへ嫁に行った娘以外全滅。

もっと細かい描写が語られてるけど大体はこんな感じですね。

で、パウチ=くねくね?説ってのは多分、パウチってのは全裸で踊りまくったり走り回ったり、もう狂ったように淫交を繰り返す。と言う集団らしい。

パウチに見入られると、そいつもパウチの様になって、狂う。

くねくねも踊ってるように見えるらしいし、見ると狂っちゃう。

それもただ見ただけでは狂わない、ってとこも似てるんじゃないかな。

「 わ か ら な い ほ う が い い 」

そんな書き込みがあったと思いました。あれDAT落ちしてるかも。

(了)

 

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