短編 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間 ほんとにあった怖い話

恐怖の訪問販売員【ゆっくり朗読】7000

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俺が一人暮らしを始めた頃、新聞の勧誘だの、怪しいセールスだのが来まくってた。

めちゃめちゃウザかったので、事前連絡のない訪問者には、一切応対しないことに決めてた。

それからもチャイムやノックが鳴ると、たまに覗き穴から確認するだけで絶対に出なかった。

ある日学校で友人から「昨日お前んとこにみんなで遊びに行ったのに、出てこないからさー」と言われ、のけ者にされたみたいで、ちょっと悔しい思いをしました。

それから、チャイムが鳴るととりあえず覗き穴から確認するようになった。

ある日チャイムがなって、その後すぐに「コンッココン、コンコン」とリズミカルにノックをしてくるので、あ、これは友人だな、と思って確認せずにドアを開けてしまった。

そしたら布団のクリーニングの勧誘とかで、延々と話をされた。

断っても断っても帰ろうとせず、おまけにドアを閉めれないように敷居をまたぐ感じで立たれました。

そのうち、影からもう一人男が出てきて「布団の無料診断させてもらえます?」と来た。

もうマジウザかったんで、必要ないから帰ってくれ!とそのセールスマンを軽く押してドアを思いっきり閉めました。

その後、すぐに覗き穴から確認したら、それまで笑顔だったセールスマンがものすごい形相でドアを睨み付けていて、もしかしたら怖い関係の人なのかな、と不安になりました。

それからすぐ、ベランダで「ドカン!!」とすごい音がしたのでビックリして見てみると、漬物石くらいの大きさの石が、ベランダに投げ込まれていました。

うちのアパートは一階で、駐車場に面してベランダがあります。

でも、ベランダから顔を出して確認する勇気はありませんでした。

それからも、週に一、二度は勧誘と思われるチャイムやノックがあるんですが、先日、あの布団屋の時のように、リズミカルにノックをする音が聞こえました。

仕返しに来たと思い、怖くて絶対に出ませんでしたが、ノックの音は全然鳴り止みませんでした。

そのうち、ちょっと気になりだしたので静かにドアに近づいて覗き穴を見たところ、ドアにベッタリ張り付いて、覗き穴からこちらを見ようとしている、あのセールスマンがいました。

これには本当にビックリして、思わず声を上げてしまいました。

そうしたら「いるんだろ?ドアの向こうにいるんだろ?」と言われ、もう怖くて怖くて部屋に逃げ込みました。

しかし、そこにはあのベランダがあります。

カーテンをしているのですが、開ける勇気がありませんでした。

開けたら、そこにセールスマンが入ってきているような気がしたからです。

それから数日間は、友人宅を泊まり歩いたり、友人数人を部屋に呼んだりして、なんとか持ちこたえていますが、部屋に一人でいるのが怖くなりました。

こういったセールスマンは、生活に困ってやむを得ずこういった押し売りをやっている人が多いそうです。

自分は社会経験がないので、セールスマン=底辺の人間とおもっていたので、社会人になってからこのことを知って本当に後悔し、反省しました。

もし、あなたが生活苦に陥って、こんな押し売りみたいなことをヤルはめになったときのことを想像してみてください。

ドア越しに自分みたいな奴の対応だったら、マジでキレますよね?

彼らが訪ねてきたら乞食のような目で見ないで、人として温かい心で接して欲しいのです。

彼らは、喰って寝て垂れる、生身の人間なのですから。

幽霊より怖いのは生身の人間の恨みです………

(了)

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