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短編 山にまつわる怖い話

Googleマップの登山道【ゆっくり朗読】3549

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わたしは幼馴染と、普段から適当に電車に乗って、何もない田舎の駅で降りて、山に入って散策したり、地図に載っていない神社を探してお参りするのが好きです。

131 :本当にあった怖い名無し:2019/10/11(金) 13:52:12.25 ID:x+8sWZXB0.net

何度か怖い経験もしたし、迷った挙句一日で25キロ以上彷徨い歩くなんてこともザラにありますが、それがまた結構楽しくてやめられません。

その時は、奈良県で日本の里山百選にも選ばれている、山の上のすごく景観がきれいな村に遊びに行こうって話になりました。

その時は探検というより、ちゃんとGoogleマップ見て村を目指して登山道をまっすぐ進んでました。

そしたら途中、いくつかのため池を越えたあたりで、道が二手に分かれました。

山のふもとで出会った人には、その村に行くには一本道をひたすら進めばいいだけだよって言われてたのに、おかしいな~とか言いながら、Googleマップを開きました。

そしたら、Googleマップも確かに二本道に分かれてて、500mほど先で、また合流してたので、まぁどっちに行っても行けるのか~ってことで、距離が短そうな左の道を選んだのです。

左の道は、次第にシダ系の植物が見渡す限り地面いっぱいに生えてる道になって、背の高い木々の間から木漏れ日もさして、とてもきれいな道でした。

なんか、おとぎの世界みたい~とかって二人してテンション上がって、となりのトトロのさんぽを熱唱しながら歩いていました。

地面いっぱいシダが生えてる中で、人が通ったような一本の道がずっと続いてたので、特に迷うこともなく、Googleマップを確認することもなく、進めたんです。

すると、ちょっとシダ以外の植物が増えてきて、木も高いものではなく、高さは身長くらいで、幹も枝も細く、ぐにぐに曲がりながら生えてるものが増えてきました。

それでも、一本道はずっと続いていたので、木をくぐったり草をよけながら前に進みました。

そしたら、さらに道が険しくなって、かなり道をかき分けないと進めなくなってきて、そしてついに、崖みたいになってる斜面を登らなくてはいけなくなりました。

ここ辺りでちょっとヤバくない?と言って立ち止まり、いままで来た道を振り返りました。

そしたら、ずっと一本道だと思ってた道がなくなっていて、これまで歩いてきた軌跡がわからなくなっていました。

でも二人してなんか冷静で、これは全然オカルト的なものじゃなくて、一本道に見えてたのって、多分脳が勝手に歩きやすい場所を道として錯覚して見せてたんだろうな~、遭難する人って多分みんなこんな感じなんだろうな~とかって分析してました。

でもちょっとヤバイね、って話をしたものの、なんだか戻りたくないって気持ちが強かったんです。

まぁ、少し険しくなった辺りから、前に進むのがキツイなぁと思ってた道だったから、あの道をまた戻るのかぁ・・・とかっていう嫌な気持ちからのもので、これも感情操作されてるとかそんな非科学的な感情じゃなかったと思います。

で、楽観的な二人は、このまま進もう!となりました。

アホか。なんでやねん。戻れや。と今になって思います。

それで、斜面を登り始めたのですが、これが想像以上にキツくて、ほぼ木にぶら下がりながら這い上がってる感じです。

で、途中でやっぱやめとく?と言おうとしたところで、斜面の上に白いガードレールが見えました。

それでなんとか気持ちを奮い立たせて、斜面の上まで上がりました。

そしたら、下から見たらガードレールに見えたものが、ありませんでした。

これと見間違えたのか~!みたいなものも何もなく、なぜわたしはガードレールが見えたんだ・・・と不思議な気持ちでした。

まぁ、多分これも霊的ななにかとかでなく、先に進むと元の道に戻れるっていう期待が見せた幻覚だと思います。

それで、もう戻る?という話になったが、険しい斜面を登った直後で、またあの道を戻る気になれず・・・(完全に遭難する人の思考みたい)、しかも斜面の上にはまた道(っぽく見えるもの)があったので、進み続けました。

その間、何度か行く先にガードレールが見えて、着いたら無くて・・・みたいな経験を繰り返しました。

そのうち、初めての幻覚ではない人工物が見えてきました。

この時点で、すでに人が入り込めるような場所じゃなかったのに。

それは、よく畑のそばに建ってる、用具入れの様な小さな小さな小屋でした。

ただ、小屋というより、壁も剥がれて天井もなく、小屋を木が貫いてるところもあるし、ぎりぎり床が残ってる程度のものでした。

ただ、そのわずかに残った床に、ブラウン管のテレビのような人工物も置かれていて、人がかつていたんだろうな、という雰囲気が残っていました。

もしかしたら今いる道はかつて、村へ続く旧道として使われていて、小屋は休憩所のようなものだったのかもしれません。

まぁ、あんな崖を登ってたと考えるのはちょっと難しいですが・・・土砂崩れとかで地形が変わったのかもですしね。

とりあえず、その小屋を見た瞬間、わたしと友人二人とも同時に、山に入ってから今まで感じていなかった恐怖や絶望感とかが一気に湧き上がってきました。

まずここまでその恐怖とか感じてなかったのがおかしな話ですが(わたしたち二人は底抜けに楽観的です)、この小屋を見た瞬間に感じた絶望や恐怖は、ほんと今までの人生の中でも一番だと言い切れます。

なにがそんなに怖かったのか説明ができないのですが、とにかく怖くて、多分もう自分たち助からないんじゃないかとかネガティブな感情が次々と湧き上がってきて、その場で動けなくなりました。

でも、しばらくして友人が、行こう!と言って小屋とは反対方向に進み始めたので、それに必死についていきました。

その間も、どうしても小屋の方を振り向けなくて、恐怖や絶望がずっとついてきていました。

そしたら、それまで一本道に見えていた道がなくなって、かき分けても通れない道ばかりになってました。

まぁ多分、脳から希望的観測が消えたから、一本道の幻覚も見えなくなったのでしょう。
そして気づけば前にも進めない、両側も崖になっていて、あの小屋に続く道しかない、電波も通じなくて、ほんとにヤバいってなったところで、友人が「崖を降りよう」と言ったのです。

言ってすぐ、迷わず友人は木に捕まってぶら下がりながら、崖をゆっくり降り始めました。

それで結局わたしもそれに従って崖を降りたところ、真下にコンクリートで舗装された通常の道に出ることが出来て、いつの間にか電波も戻っていて、無事目的の村に着くことが出来ました。

この時はこれで何事もなく、多分オカルトなことも一切なく、20代後半にして全身泥まみれになって家に帰って両親に叱られて終わりました。

それから半年ほど経ったいま、またあの山に行きたくて仕方がないのです。

友人にこの話をすると、同じように感じていました。

行くとヤバイってのもひしひしとわかってるのですが、どうしても行きたいのです。

というより、感情だけで言うと、「怖いから行きたくない」の気持ちが強いのですが、なぜか行かなきゃいけないって気持ちが抑えられないのです。

二人とも、行きたくない気持ちの方が強いはずなのに、着々と行く予定が整ってきています。

今月中にでも、わたしはまたあの山に登るでしょう。

まぁこれは、多分非日常のスリルを心の無意識下のどこかで望んでいて、その気持ちが「怖い」より強くなってるんだと思います。

オカルトなことでもなんでもないかと。

ただ、ひとつだけ、どうしても気になることがあるんです。

あのプチ遭難から半年ほどたって、突然あることに気づいたんです。

その当時は全くその違和感に気付かなかったのですが。

電気もない深い山の真ん中にあった小屋に、置かれていたテレビ。

あの時わたし達が見たテレビには、ずっと砂嵐が映っていました。

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