これは俺の叔母さんから聞いた話。
341: 本当にあった怖い名無し 2009/09/30(水) 22:51:43 ID:eeFzKvP00
俺のいとこ、つまり叔母さんの息子は警視庁に勤めてんだけど、そこの先輩が実際に体験をした話を先日叔母さんに聞いた。
その先輩を猿渡さんとしよう。
猿渡さんはもともと地方出身者らしく、就職(警視庁)が決まって上京した。
んで、部屋借りなきゃってことで都内のS区で探していた。
そこは田舎者、東京の家賃の高さにあまりの愕然。
少しでも家賃の安い物件をと思い、S区内探し回ったんだそうだ。
すると何と、一か月家賃8,000円の部屋を発見したわけ。
しかもいたって普通のワンルームマンション。
でもまぁ猿渡さんも馬鹿じゃないからね。
この安さの裏には何かある、絶対何か曰く付きの部屋だ、と気づいていたみたい。
しかしそこは警察官の卵。
物怖じしないというか怖いものなしというか、もともとオバケなんか信じないって感じの人だったらしいから即契約。
俺みたいなヘタレなら絶対契約しないね(笑)
さて、いよいよその部屋での生活が始まったわけだ。
同時に「それ」も一日目の夜から始まった。
どこからか、壁を「トントン」って叩く音が聞こえてきた。
最初は猿渡さんも、何だこの程度かってぐらいにしか考えてなかった。
だが毎夜毎夜その音は続き、次第にその音が強くなっていった。
一週間もした頃には「ドンドン」って感じになり、ここにきて初めて猿渡さんは恐怖を覚え初めてきた。
さらにそれから数日後、遂に猿渡さんは見ちまったんだ。
勤務を終えてその部屋に帰り、玄関のドアを開けると見知らぬ女が立っていた。
その女は真っ白なワンピースみたいな服を着ており、ガリガリの手足だった。
髪は胸元まであり、その髪のせいで顔は全く見えない。
猿渡さんは即座にこの世のモノでは無いことを悟り、後輩の家まで走って逃げたそうだ。
その後輩を黒川としよう。
翌日猿渡さんは後輩の黒川と一緒にあるお寺に行った。
そこの住職さんにことのいきさつを説明すると、すぐ部屋を出るように言われた。
その際に、部屋にお札を貼って出るように言われ、十数枚のお札を渡された。
すぐに猿渡さんは引越しの準備やら手続きやらをし、部屋を出ることに決めた。
引っ越し当日、猿渡さんは後輩黒川に手伝ってもらい、無事に積み込みは終わった。
最後に、寺の住職に言われたように部屋のあちこちにお札を貼っていった。
すると黒川が突然「息苦しい」と言い出し呼吸困難に陥ってしまった。
慌てた猿渡さんはすぐに救急車を呼び、黒川と一緒に病院にレントゲンを撮ってみると、黒川の気道に何か詰まっているのがすぐに判明。
早速それを取り出してみると……
それは直径二センチほどの小さいボールのようなものだった。
医者が首を傾げていたが、猿渡さんは恐怖に打ち震えていた。
そのボールのようなものは、先ほど貼ったはずのお札だった。
何枚ものお札を両手でギュッと握りつぶしたように丸められていたのだ。
(バキ外伝で花山がタバコの箱を握ってカッチカチのボールにしたようなヤツ)
幸い黒川は処置が早かったため一命を取り留めた。
後日、猿渡さんはその部屋を紹介した不動産屋に行った。
不動産屋を問い詰めると、新たな事実を聞くことができた。
その部屋は窒息死や呼吸困難で亡くなった人が過去にも何人もいること。
以前お祓いも依頼したが全て断られたこと何でもあまりにも強い怨霊だったんだと原因は現在まで全く不明らしい……
(了)