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背乗り同級生 r+6530

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大学で知り合った佐竹から聞いた話だ。

今から一年ほど前、佐竹から不気味な相談を受けた。佐竹自身が困惑し、恐怖を感じたというその話は、以下のようなものだった。

ある日、佐竹の携帯に突然電話がかかってきた。

「おー、佐竹くん!俺だよ、国井!小学生の時の同級生!」

聞き覚えのない声だった。佐竹の通っていた小学校は生徒数が多く、正直なところ、国井という名前にピンとこなかった。だが、電話口の男が次々と昔のエピソードを話し始めるうちに、ようやく顔が浮かんだ。

「おお、久しぶりだな!今、何してるんだ?」

懐かしさと共に話し始めたものの、胸の奥にわずかな違和感があった。国井とはそこまで親しい関係ではなかったはずだ。それなのに、なぜ今さら電話を?

案の定、男はこう切り出した。

「今度会えないかな?」

佐竹の警戒心が膨らんだ。宗教勧誘か、悪徳商法だろうと直感した。しかし、断りづらい性格と暇を持て余していたことが相まって、会う約束をしてしまった。

電話を切った後、念のため小学校の卒業アルバムを引っ張り出して、国井の顔を確認した。間違いない。電話で話した相手の名前と一致している。だが、同時に疑問も浮かんだ。

「なぜ俺の電話番号を知っていたんだ?」

この違和感を消化しきれないまま、当日、指定された店へ向かった。

店内は閑散としていた。奥の席に一人の男が座っている。見た瞬間にわかった。そいつは国井ではない。

目が合うと、男が手を振った。

「おー、佐竹くん!久しぶり!」

佐竹の知っている国井は小柄で真面目そうな顔つきだった。しかし、この男は大柄で小太り、刺青まで入っている。笑顔の下に潜む異様な圧力に、背筋が凍った。

目の前の男が、電話で話した相手と同一人物だという確信が、恐怖を倍増させた。

「どうして俺の電話番号を知っている?なぜ昔の話を知っている?本物の国井はどうした?」

頭の中が混乱する中、無理に笑顔を作り、席についた。

コーヒーを注文しながら、必死に冷静を装った。男は昔話を続けるが、その内容はどこか表面的で、薄っぺらい。

突然、男が声を張り上げた。

「それじゃ、これからイベントに行こう!」

恐怖が頂点に達した佐竹は、とっさに嘘をついた。

「いや、親に頼まれた用事があるから今日は無理だ。」

しかし、男の表情が一変した。

「行こうよ。さっき行くって言ったじゃん。」

低く落とされた声に、明らかな威圧感が漂う。佐竹はなんとかその場を切り抜け、逃げるように店を後にした。

佐竹が「これなんだと思う?」と聞いてきたとき、正直なところ、自分にもわからなかった。ただ一つ言えるのは、危険な何かが絡んでいるということだ。

「怖いから、警察に行った方がいいよ。」

その後、佐竹は家族や警察に相談したようだ。しかし、それから数日後、彼は姿を消した。

佐竹が行方不明になって一年が経つ。その間、警察からの情報で本物の国井も既に失踪していることが判明した。そして昨日、俺の携帯に電話がかかってきた。

「おー、久しぶり!俺だよ、佐竹!」

声は佐竹のものだった。しかし、話し方も、トーンも、どこか違う。そして決定的だったのは、彼が俺のことを「くん付け」で呼んだことだ。佐竹がそんな呼び方をしたことは一度もない。

「今度会えないか?」

俺は返事をせず、電話を切った。恐怖に震える手で警察に連絡することを決めた。

本当にこんなことがあるのだろうか。だが、これが現実なのだ。佐竹に何が起きたのか、その答えは未だわからない。ただ一つ確かなのは、決して関わってはいけない何かがそこにあるということだ。

(了)

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