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■引きこもりおばあちゃんの絵手紙

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昔テレビで見た話。

78 :怖いお話ネット:2024/06/16(日) 14:32 ID:3hF5D9jK
一人暮らしの引きこもりのおばあさんのことを放送していた。

おばあさんは昔、絵が好きだったこともあって、絵手紙を書くことで友人を作ろうと考えた。
引っ込み思案だったけれど一念発起。
教室に行ったり、絵手紙をいろんな人に送ったりするボランティアにも参加。
だんだん笑顔も増えた。

ある日、小学校からお礼の手紙が来た。
おばあさんはボランティアで地元の小学生に絵手紙を送っていた。その絵手紙のお礼をしたい、という内容。
「いやだわ。学校に来いっていうのよ。いやだわぁ。学校に来いって。嫌よ、ねぇ?こんなおばあちゃんなのに、ねぇ?」
おばあさんははしゃいだようすでカメラに向かって「いやだわ」と笑顔で繰り返す。

そして約束の日、学校に行くおばあさん。
廊下を歩いていて自分の絵手紙を見つける。
『こんな手紙をもらいました、ありがとう』というコーナーが作ってあって、生徒がもらった手紙が貼ってある。
そこでおばあさんはにこにこしながら、
「いやよねぇ、こんなの廊下に貼るなんて。ヘタなのにいやだわ。ほんとにねぇ」
校長室に入って、多分一年生くらいの小さな生徒数人からお礼の言葉を述べられて、おばあさんは、
「もう、いやだわぁ。もう、ほんとにねぇ、あんな手紙くらいで…いやだわぁ」

そして場面は切り替わったのだけど、
笑顔でおばあさんにお礼を言った子供たちから笑顔が消えているのがちらりと映った。(女の子は泣きそうな顔にも見えた)
おばあさんは嬉しくて堪らなくて照れ隠しでついついそんな言葉を繰り返したのだろうけど、
『いやだわぁ』ではなくて『ありがとう』と言えばいいのに、と見ててずっと思った。
相手が大人なら『いやだわ』は謙遜、照れ隠しなんだな、と受け取るだろうけど、
相手が子供なら『いやだわ』は言葉どおり『嫌』としか受け取れないのでは、と思った。
おばあさんの笑顔が無邪気だっただけに、なんだか後味わるい。

学校の廊下を見つめるその少女の目に映っていたのは、本当に無邪気なおばあさんの姿だったのだろうか。
それとも、無邪気さの裏に隠された何か別のものだったのだろうか。
おばあさんの口から出た言葉の意味を、子供たちはどう受け取ったのだろうか。
その真実は、誰にもわからないままだ。

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