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怪奇住宅【ゆっくり朗読】4392-0107

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23区内私鉄沿線住宅地での話

788:本当にあった怖い名無し:2011/09/18(日) 05:20:19.03 ID:3U0T7/6kP

十年ぐらい前に爺さん地主が死んで、五十代の息子夫婦が越してきた。

越してきて一年ぐらい経ってから、奥さんの姿が見えなくなり、一人残された旦那の奇行が始まった。

  • 一日中、隣近所に聞こえるような大音量でクラシック音楽(主にベートーベン)を鳴らし続ける。
  • 庭に裸のマネキン人形を運んできて並べる。そして、金色に塗りたくってライトアップ。
  • 昼間は冬でも海パン一丁でベランダに出て、不思議な体操を何時間も踊り続ける。
  • 隣近所に対して罵声を浴びせまくり、洗濯物にホースで放水。

うちの家からこの地主の家は良く見える位置にあったんだが、しょっちゅう隣近所からの通報でパトカーが来ていたなあ……

そんな日々が三、四年続いて、ある日、迷惑行為がプツリと止んで、息子の姿が見えなくなった。

クラシック音楽だけは同じ曲(アルバム)がエンドレスで鳴り続けていたが、三日めに警官が乗り込んだところ……

部屋の中で死んでた息子を発見、パトカーが三台ぐらい来て捜査。

うちにも警官が事情聴取しに来た。

その後、餓死なので事件性なしとされたと、町内会長から聞いた。

事件後三ヶ月ほどしてから、深夜に便利屋が家の中のものを何回かにわけて運び出す。

リフォーム屋が来て、外装を一新。直後に五十代夫婦が引っ越してくる。

この夫婦は地主一族とは全く無関係で、不動産屋から紹介されてきただけ(町内会長談)

とても穏やかなご夫婦で、近所にもきちんと挨拶をする常識的な人たちだったのだが……

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引っ越しから半年後、また元地主の家からクラシック音楽が聞えてくるようになる。

この頃には夫婦の表情がおかしくなっていた。

奥さんはボサボサの髪の毛でブツブツ言いながら歩き、旦那さんは会社を辞め、庭を上半身裸でウロウロ歩き回り続ける。

引っ越してきてから一年ぐらいで息子夫婦がやってきて、夫婦を無理矢理連れ出す。

その後、空き家に。

近所で「あの家は呪われてる」決定

ずっと空き家になったまま放置され続ける。

空き家なのに、クラシック音楽が家から聞える怪異が何度かあったとか(お隣さん談)

一昨昨年、この空き家と近所一角をまとめて不動産会社が買い上げ、高級低層マンション建設計画が持ち上がる。

夏頃に一角は更地になったが、その後、リーマンショック。

建設計画白紙へ……

一年ほど塩漬けにされてたが、不動産会社が代わり、建て売り住宅として工事再開。

問題の跡地工事中に相次いで事故発生。大工さん二人が重傷……工事一時中断……

中断中、マイクロバスに乗った十五人ほどの謎の集団が訪れる。

巨大な護摩壇のようなものを設置し、数時間祈祷。(なぜか、町内会長も出席させられる)

その後、工事再開。事故もなく無事に建て売り住宅完成、売り出し後は即完売。

以下、町内会長によるお話。

地主一族は御稲荷様を信仰していたのだが、爺さんが死んでから、きちんと継承していなかった、と。

その後、何も事件は起きていません。

ちなみに、町内会長とは、同じ町内に住むうちの爺さんです。

(了)

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