短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

みてる【ゆっくり朗読】804

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住職シリーズ

信じるか信じないかは別として、知り合いに変わったやつがいる。

977 :本当にあった怖い名無し:2006/08/10(木) 00:24:00 ID:6huZkeDN0

小学校時代からの友人で、現役の住職をやってるやつがいる。
私自身は霊感なんてこれっぽちも持ち合わせていないのだが、
こいつのせいで何回かありえない現象にあっている。

住職も私も少しかかわりのある、とあるマンションの話。

京都市内にある某マンションでの話で、くわしい場所はいえませんが。

私は京都市内で会社員をしており、後輩がまぁできるくらいの年齢です。
2004年の春、私の部署にも数人の新人がはいってきました。
夏ちょっとすぎに、後輩のAくんから相談をひとつうけました。
「……さんちょっと、京都で住みやすいとこってどこかありますか?」
「んーー……?引越しでもするん?」
「ええ。どうもなんか、毎日じゃないんですけど、今のマンションで金縛りにあうんで……
引っ越そうかとおもってるんですよ」
「つかれてるんじゃないの?環境かわって、まだなれてないだけでしょ?」
「いや、そういうのじゃなくて、こわいんですよ。すごくすごくこわいんですよ」
「はははは……まぁネットとかで探してみたら?」
「そうします」

それから秋ぐらいに、友人の住職からひさしぶりに連絡がありました。
『いょう、ひさしぶりーちょっとお前、暇やったらつきあわへん?』
「あー?なにー?酒とかのまへんでー」
『ちょっとさぁ、やっかいごとでさぁ、頼むわ』
「まぁええから、うちこいよ」

住職の話を要約すると、某県のお寺のお嬢さんが京都市内に住んでいて、
連絡が最近無くて心配なので、知り合いである住職の父に様子を見てほしい。
ただ住職の父は忙しいので、暇している住職にちょっと見てこいと、そういう話でした。
「……で、そのお嬢さんとこいくから、一緒に来いってか?」
『せやせや。俺面識なくてさぁ、でこの頭でしょ。あやしまれるから……』
「電話は?わざわざなんでいかないかんの?」
『連絡取れへんからいってこいいわれてんねん。死んでたらかなわんやん?』
「……めんどくせー。なんかおごれよ」

そういうやり取りのあと、そのお嬢さんが住んでいるというマンションに向かいました。
一見ふつーのマンションで、わりと新しいところでした。
私「鍵とかどーすんねん。管理人もいーへんみたいやし、おまけにオートロックやん」
住職「もってへんよ。見て来いいわれただけやし。部屋は505な」
私「どーやって入るん?って、ロックかかってないな」
マンションの入り口のオートロックであった扉の下に、雑誌がはさんであって、閉まらないようになっていました。

なんの問題もなく、エレベーターに乗り5階に向かいました。
この時点で一つ気がついたことがあったのですが、くちに出すほどではないかと思い黙っていたら、
住職がこっちをみて「なぁ……」。
それっきり住職も静かになりました。

問題の505に到着し、何度かインターホンを鳴らしたのですが、なんの反応もなく、
私「どっか出かけてるか、ひっこしたんちゃうん?」
住職「あー……どうしよー……」
そんな会話をしながら、
私はのぞき穴をのぞいたりしましたが、中は見えるはずはなく。
ドアノブをがちゃがちゃやってみましたが、扉は開くはずはなく。

帰ろうかとしたときに、新聞受けを指でちょいと押したら、
隙間からすごい悪臭が、モァと鼻につくように上ってきました。
私「pp@pkkウェくっさ……なんやこの臭い……」
そのとき私と住職の脳裏に横切ったのが、中で死んでるんじゃ?
あわててしゃがみこんで、新聞受けから中をのぞきました。
悪臭と共に目に入ったのが、ゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミ。

警察をすぐ呼びました。

警察がくるまでに少し落ち着こうと思い、たばこを吸いながら、
コの字型になってるマンションの中庭を見てました。
私「なぁ……おい。このマンションさぁ……妙に……」
住職「言うな。なんも言うな……」
私「あぁすまん。親父さんに連絡とかしとけよ……」

しばらくして警察がきて、マンションの管理会社がきて、505の扉を空けました。
中は、ありえないほどのゴミ。
コンビニの袋、カップラーメン、なんかわからない物体、足の踏み場もないほどのゴミの山。
内心、絶対死んでるなぁ……と思いつつも、
「○○さん いますか?」そういいながら、奥に踏みこんで行きました。

薄暗い部屋の中にがりっがりの髪の長い女が、ベッドの上に体育座りでそこにいました。
中にはいった、私、住職、管理会社の人間、警察官は、一瞬時間がとまったように、その女の人に注視しました。

女「……っ。っっ……」
警察官「もしもし?もしもし?」
女「みてるっみてるっみてるミテルっミテルっ見てるっ見てる」
警察官「……号。救急車お願いします。住人発見しました」と無線で連絡。
女「みてぇぇぇるぅっぅぅぅうぅぅ」と立ち上がって、押入れ?に手をむけました。
その瞬間、押入れがバーンッと開きました。
その場にいた全員腰砕けで逃げ出しました。
警察官の人はさすがというか、女の人をつれて部屋から脱出。
部屋の中で、ものすごい轟音というか爆発音というか、めちゃめちゃな音が鳴り響いてました。

問題のお嬢さんは、ノイローゼで2ヶ月近くマンションにひきこもっていて、
食べ残したものや飲み残したものが腐って悪臭を放っていた。
マンション内の8割が空き部屋だった。
後輩Aくんが住んでいたのは、そのマンションだった事があとでわかりました。

ここまでが、私が直接見て聞いた話です。
事後の話は、すこしながくなるのと、本人に了解をとってからまた書きます。

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