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短編 土着信仰

山姥信仰

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僕の故郷の村はブナの森が茂る山の上にある。

101 :本当にあった怖い名無し :2007/08/28(火) 18:51:32 ID:anYZeVrr0

山のふもとにはある程度大きい町があったんだけど、そこに行くにも県道が1本通ってるだけで、全然交流はなかった。

村は無医村で、なにかあったら麓の町へ行かなければならなかった。

そんな環境だけれどもやはりあの病気はどこからか入ってきた。

スペイン風邪は着実に村の住民を死に追いやって行った。

僕の、周りでも大婆さんと伯父さん、そして弟が死んだ。

連日葬式、葬式で大変だった。

ちなみにうちの村は中心となる神社が一つあるだけで他にはない。

そして葬式のときは近所準備などすべてを手伝うことになていたため、村人の疲労も限界だった。

僕の故郷でもかの有名なスペイン風邪は流行った。

そして次の月の村民会議で厄除けをやろうと話になった。

うちの村ではめずらしく主神のほかに山姥を信仰していた。

伝承によると、昔昔、平安よりもさらに遡り、この地に人が住みだす前から、この山には山姥さんが住んでいた。

しかしそこに人が住みだしたために起こった山姥さんは、天狗を引き連れ村人を襲ったりしました。

そこで村の長は山姥に「もうやめてくださいまし」といい、一族に伝わる鏡をわたし、

「この鏡は私の一族に伝わっております鏡で、その鏡に向かって呪文を唱えれば何もかも見ることができるというものです」といい、

さらに村のてっぺんに山姥さんを祭る社をたてることにし、この村は山姥さんが治めることになった。

そしてそれからは山姥さんはその鏡を通して村人の様子をうかがい、村人を統治していきました。

なので何か悪いことをしたりすれば「山姥さんが来るよ」と脅したり、します。

また平安の世にいちど大和の衆が攻めてきたときも村人が虐殺されているところに山姥さんは助けに来てくださり、村人は救われたという。

それからはより一層山姥さんに対する信仰が残っている。

_という伝承がある。

そしてその名残として今も毎年、陰暦で年が明けてちょうどひと月たつと村人は社に集まり、その様子を神楽として伝えその年の厄除けをするのだった。

しかし、その年は、戦争の影響もあり神楽を演じられるものも少なく、やむを得なく中止にした。

しかしスペイン風邪は、村人を襲った。

そこで立ち上がった。

急きょほかの土地にいった親類も集め神楽を演じることとなった。

そして当日……

社には大分減ったが村人全員がいた。

社には篝火が焚かれ、物々しい雰囲気だった。

しかし、村人はだれもが希望を抱いていた。

「これでもしかすると、助かるかもしれない」

そして始まった。

笛や太鼓などお囃子がが鳴り幕は開いた。

そして神がかったような山姥は、天狗を引き連れ神楽を演じ続けた。

そのころまだ小さかった僕は釘づけになった。

そしてなぜだか涙が出てきた。

そして無事に神楽はおわった。

そして無事、魔は払われた。

それからはスペイン風邪をひくものはなかった。

しかし神楽で山姥を演じた神官はそれから一週間もたたずして死んだ。

以上

[じいちゃんの日記より]

(了)

 

封印された日本の村

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