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中編 r+ 家系にまつわる怖い話

運命の借金:因縁に囚われた男の選択 r+4521

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自分の家系には、父方も母方も、どうやら根深い因縁や怨念が絡みついているらしい。

寺の住職から聞いた話を振り返るたび、その重さに息苦しさを覚える。

まず母方の家系だ。住職は、お稲荷様に関する古い信仰が関わっていると言った。ただし、これは悪い狐が憑いたという類の話ではない。「神は万能でも無限の力を持つわけではない」と住職は語った。

神は祈りや願いを叶えるために力を貸してくれるが、その力を返さない参拝者もいる。忘恩や無礼を咎めるわけではないが、貸し出した力が戻らず、神自身の力が尽きてしまうことがあるのだ。

母方の先祖の商人は、この「借金の取り立て」の犠牲者となり、身代を潰したという。そして、その悔しさや苦しみが今も家系に影響を与えている。

次に父方の家系だが、こちらはさらに厄介だ。戦国時代、先祖が討ち取った武将の一族が全滅し、その恨みが代々続いていると言う。だが、それだけではない。

先祖自身も地位を得たことで心労に苦しみ、最終的に家を潰してしまった。その後の先祖は、理想を掲げて奮闘したものの、実力が伴わず挫折し、失望の末に自ら命を絶った。そして彼は子孫を巻き込もうと呪っているというのだ。

母の話では、他にも殺された赤子や恨みを持った女性など、数えきれない怨念がゴロゴロしているとのことだ。理不尽な逆恨みの数々に憤りを感じるが、住職は「怨念や因縁に理屈はない」と答えた。それは暗い感情の塊で、一方的なものだと。

さらに厄介なのは、家族構成の偏りだ。親戚を見回しても、自分と同世代の男性は自分一人。母の話では、この因縁は最終的に自分に集中する可能性が高いという。そして、迷信として笑い飛ばせないのが、実際に家族や家系に起きた悲劇の数々だ。

父方の家は特に問題が多い。

祖母はある日突然「明日から狂います」と宣言し、その後完全に壊れてしまった。祖父はアルコール依存症で脳が壊死し、最期は植物状態で亡くなった。

父は「親のような人間にはなりたくない」と口癖のように言っていたが、最終的にはその言葉通りになった。酒に溺れ、嘘や失敗を重ね、母はとうとう離婚に踏み切った。

自分自身もまた、父のようにはなりたくないと思っている。だが、若い頃の父が今の自分と同じように「なりたくない」と思っていたことを知り、目の前が暗くなった。果たして自分も、いつか父のような人間になってしまうのではないかという恐怖が押し寄せる。

今、傾いた家で一人暮らしている。父方の家系と母方の家系が背負った因縁や怨念を前に、自分がどう生きるべきかを模索している。

[出典:604 :2008/12/15(月) 15:20:12 ID:b2vYchxo0]

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