『エクソシスト』の原点、ルーダンの悪魔祓い~『肉体の悪魔』『尼僧ヨアンナ』
肉体の悪魔
『肉体の悪魔』の原作はオルダス・ハクスレーの『ルーダンの悪魔』という歴史研究書。
『ルーダンの悪魔』はルイ14世時代のフランスの修道院で実際に起きた悪魔憑き事件を、20世紀の視点で冷静に分析した本。
田舎町ルーダンにやって来た妖艶な司祭(オリバー・リード)は町中の女たちを熱狂させた。
その熱狂は男子禁制の修道院内にも感染し、なかでも修道院長(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)は一度も会ったことのない司祭に恋焦がれ、彼に犯される淫夢を見るほどだった。
ところが司祭は極秘にある女性と結婚してしまった。司祭のファンたちは嫉妬に狂い、精神の均衡を失う。
中央政府は、それが女性たちの性的欲求不満による集団ヒステリーだと知っていたが、権力を持ちすぎた司祭を葬るために政治的に利用する。
司祭が悪魔に魂を売って、修道女たちに悪魔を取り付かせたのだと。
そして、政治ショーとしての悪魔祓いと魔女狩り裁判が始まる。
ヴァネッサ・レッドグレーヴの淫夢シーン
尼僧ヨアンナ
舞台は17世紀中ごろのポーランド。辺境の寒村では、尼僧院のうわさでもちきりだ。
美しい尼僧院長のヨアンナが悪魔にとりつかれ、修道尼たちも悪魔のダンスを踊るうようになったという。
ヨアンナに悪魔を乗り移らせたと噂される前任のガルニエツ神父は砂丘で火炙りの刑に処された。
ヨアンナの悪魔祓いに遣わされたスリン神父は、祈りを捧げた後、尼僧院へと乗り込んだ……