俺は今年で大学二年生、北の大地のFラン大学生なんだ。
名も無き被検体774号+:2013/05/08(水) 22:19:51.41 ID:fYMmtsqi0
二年生になっても俺はあまり友達もいなかったが、何とか楽しい学生生活を送っていた。
その大学は生物を主に取り扱うから、自然と動物や環境に興味が湧くんだよね。
俺はせっかく北の大地に住んでるんだから、大自然の中で一日過ごしたい、あわよくば動物を観察したいと思い始めた。
この時期はまだところどころ山に残雪があるけど、山菜採りで賑わうので、俺はある日、山で一泊する計画を立てた。
どんどん書いてくよ。
決行日、リュックには以下の物を入れたんだよ。
・水
・食糧
・筆記用具
・鉈?みたいなもの
・カメラ
・携帯のポータブル充電器
・ラジオ
・タオル
・父親から借りた折り畳み式のテント
こんな感じ
目的地の山は人里から近いし、山菜採りの人もいるしで親はあまり心配しなかったのを覚えている。
みんなありがとう。
ぶっちゃけトンデモ話だからほんと話半分で聞いてね。
準備万端となった俺はぐっすりと寝れた。
次の日リュックを背負い、バスを乗り継ぎ歩いて20分くらいの山へ来た。
まだ木々の葉は緑色ではなく、ところどころ残雪があったけど、俺は非常にわくわくしていた。
何故ならこんなイベントは久しぶりで、すぐにでも山の中に突撃したかった。
けどここで本当に突撃しては命を落とすかもしれない、この山では度々ヒグマが出るので、クマ除け行為が必須だった。
しかし多少の知識はあった俺、ラジオの音量を上げて山に入っていった。
野球中継を聞きながら草木をかき分けると、本当に心が洗われていくようだった。
少し歩くと小さな川があった。
辺りは何かが草を押し倒したような風景で、これも自然の醍醐味だと、俺は野帳にその時の状況を書いた。
俺はこの野帳にもある「押し倒された道」を進み続けたわけよ。
正直今となっては本当に山舐めていた。
俺は空手習っているんだけど、一応黒帯だし、鉈持ってるしで敵無しと思っていた。
ほんとバカだよね。
この後俺はシカとも会った。
今エゾシカが増えすぎて大変と授業で習ったので、ここでも野帳を書いた。
エゾシカに会ってご機嫌な俺は、お菓子を食いながらさらに山の奥へと進んでいった。
道なき道を進むと不思議と勇気がわくんだな、俺はずんずん進んだ。
進み続けて五分したかな、道に迷った。
けれど俺はあまり焦らなかったんだ。
どうせそこまで広い森でもないし、元来た方角に戻れば帰れる、そう言い聞かせて俺は歩いた。
みんなわかってると思うけど、山の中で元来た方角なんて、絶対にわかりっこない。
しかも風景なんて押し倒された道以外似たようなもんばっかりだから、それこそ鳥でなければ帰れない。
でも俺は進んだんだよね、なんでだろ。
段々と日も暮れてきたころ、追い続けていた「押し倒された道」もいつの間にか消えていた。
そのため俺は元入ってきた地点を目指して歩き始めた。
たしかこんときは特に生物もいないし草もありきたりなものばかりでつまらなかったのを覚えている。
しばらく歩くと困った事に、道が分からなくなっていた。
勿論携帯は圏外、ラジオもとぎれとぎれで雑音が入る。
さすがのバカな俺でも、ようやく事態は急速に悪化していることに気が付いた。
「野帳を書いている暇はない、急いで帰らなくちゃ」
これしか頭に無かった。
駆け足で山を進むと、さっき辿っていた「押し倒された道」を見つけた。
安堵した俺はその道をたどり始めた、なぜならこれを辿れば入山地点まで戻れると信じていたからだ。
でも俺は最悪のケースを考えてはいなかった。
それはこの道は「さっきの道」ではない道かもしれないということだった。
小走りからダッシュに変わったのはいいが、どうもさっきと様子がおかしい。
20分くらい走ってるのに、一向に入山地点に着かない。
ふっと前を見ると、なんか開けてるんだよね、そこの場所。
すごく静かだった。
「あぁ、やっちゃった」って呟いたのははっきり覚えてるわ。
大きな木、その根元に不自然に開いた穴。
明らかにヒグマの巣だった。
映画とかでさ、敵とかにばったり会ったら無音になる演出あるじゃん?あれのまんま
全く音無いの。
たった何秒だと思うけど、ほんとに音無いんだ
その無音が終わると今度はやけに自分の呼吸が聞こえるのよ。
もともと寒かったからかもしれんが、手はすごく冷たかったのが印象的だった。
あたりは夕暮れだけど、幸いヒグマは巣穴にはいなかった。
俺は何故かゆっくりと巣穴から立ち去った。
途中枝につまずいたけど、何とかそこから脱出した。
なんとか巣穴から逃げれた俺は、すでに体中がへとへとに疲れていて、精神的にも辛かった。
そこで、比較的開けた場所を見つけたので俺はそこで野営をすることにした。
何で野営なんかするんだ、早く帰れよと言われるだろうが、身体がいう事を聞かないんだよ。
無理だよあれは。
幸運な事にそこはラジオの電波もよかったので、ラジオの音量を最大にして夜を越す事にした。
辺りはもうほとんど辺りが見えなくなっていた、時間の流れが速かったんだと思う。
持ってきたおにぎりをほおばると、何だか母親を思い出して少し泣いた。
「うっうっ」と嗚咽が漏れていたけど、なんとか泣き止んでお茶を飲んでいた。
腹ごしらえも済んだし、やる事も無いので横になって携帯でゲームをしていた時の事だった。
風が吹いてサワサワと凪ぐ草の音に聞き入っていると、まあ、定番だけど、パキ、パキって音が遠くで鳴っていた。
飛び起きた俺は、咄嗟にポケットに手を突っ込んだ。
デジカメが無かった。
俺はどうしてかラジオの電源を落とし、その足音の出所、発信者を探った。
音の大きさはシカやタヌキのそれではないと確信した、何となくというか、重量感?が違った。
ラジオとかの音かけてたら近寄ってこない。
常識が壊された瞬間だった。
ヒグマはデジカメについた匂いをたよりに、俺に興味を持ってやってきたのだ。
俺の呼吸音は犬みたいに早くなり、ただ声を出さずじっと下だけ見ていた。
途中で寝た振りもしたと思う。
だけど俺の努力もむなしくヒグマはすぐそこまでやってきていた。
ゴフッゴフッと鼻息を荒くするヒグマは、テントの中にデジカメと同じ匂いがする物があると気づいたんだろな。
テントまで一直線のヒグマに、俺はずっと一点を見つめていた。
不思議と心地が良かった。
もう死ぬかもしれないのに、なぜか俺は満たされた様な心地だった。
俺は近づいてくるヒグマに対して、なんか謝ってた。
「ごめんなさい、ほんとごめんなさい」って
なんというか、太刀打ち出来ない存在には謝ってしまうよな。
でもヒグマはくるんだよ、当たり前だけど
果たしてヒグマはテントの隣まで来ちゃってた。
口がすごく渇いて、胸はものすごい勢いで鼓動してるし、もう死ぬと思った。
お経が頭の中で流れはじめたとき、あることに気が付いた。
テントの入り口とは逆のほうからヒグマが来てるんだよ。
これは逃げれるかもしれないと考えた俺は、ゆっくりリュックの中の鉈を取り出して、よろっと立ち上がったわけだ。
この時まだヒグマはテントの匂い嗅いでだと思う。
立ち上がったはいいけど、テントの入り口はジッパーみたいので閉めてあるので、その音でヒグマが気が付いたらやばい。
だから力を込めて静かに静かにジッパーみたいなのを、ゆっくり下していった。
が、スマホのマナーモードのツマミが何かひっかかったのか、勝手に「ブーン」て鳴った。
と同時にヒグマの鼻が横向いたり斜め下向いてたのが、こっち向いた。
もうね、この時ばかりはスマホ叩き割りたくなった。
焦った俺はふうふう言いながらマナーモード解除したりまた入れたりしてた。
おかしくなってたと思う。
ヒグマはとっくにこっちに気付いてるから俺はジッパーを一気に下げて外に転げ出た。
外はすごく寒くて、暗くて、ちょっと雨が降ってたから地面がぬかるんでた。
確かヒグマは背中を見せたら駄目なんだよな
咄嗟に俺はこれだけ思い出して、ヒグマの方を見た。
正真正銘のヒグマでした。
動物園でしか見たことないし、ましてや野生だから、どこか神々しささえ覚えた。
ヒグマもいきなり俺が出てきたから面食らったのか、ずっとこっち見てる。
この時、俺とヒグマはテントを挟んで2メートルくらい。
不思議と震えたりはしなかったな、ただ思考がぐちゃぐちゃだったわ
家族の事、友達の事、彼女の事、なぜかバス停の時刻表とか思い出した。
刃牙でピクルが初めて研究員と対峙した時のシーンを思い出してほしい。
研究員は真顔で「デカイッッ」とか「銃きくの???」とか考えてたじゃん。
まんまあれと一緒。
俺は「大きい」とか「急所は鼻だっけ」とか「三毛別の事件もこんな感じか」なんて考えてた。
でもほんの三秒程度だったと思う。
まあヒグマもずっと待ってるわけじゃないよね、とうとう威嚇音出してきた。
「ガフッ」だか「ブフッ」っていう音?だった。
ヒグマの威嚇の音って怖いよな、けっこう長く空手やってたけど、本当の「殺気」って何かが肌を撫でる感じだった。
あんまり怖いんで頭がおかしくなったのか、俺はゆっくりとバンザイをするように鉈を構えた。
ちなみにバンザイなど体を大きく見せる事により、クマが逃げたという話は後から聞いたが、もう本能でやった感じだったわ。
するとなんてことだろう、ヒグマはパッと俺の上を見ると「ヴォアァアァ」と吠えて踵を返して小走り?で逃げて行った。
やった!
正直吠えられたときに少し漏らしたが、俺はヒグマと睨み合って勝ったんだ!って思った。
すると同時にひざの力が抜けたように尻もちをついた。
暗闇の中を大きな体を揺らして去っていくヒグマを見ると、いいようもない高揚感に包まれた。
パキパキというヒグマの足音が遠ざかっていくのを、きちんと確認した俺は多少心に余裕が出来た。
スマホに入ってるLEDを点けるアプリを使って、辺りを照らしてみた。
夜の山は非常に神秘的で、空気が張りつめているというか、寒いんだけど、なにか別の要因で「冷えてる」って感じ。
ふと前をを照らすと、ヒグマがやって来た痕跡があった。
不思議だった。
ヒグマの足跡は分かる。
地面は雨のせいでぬかるんでる。
しかし、その道は「押し倒された道」とは違っていた。
奇妙な道だったよ、なんか丸太でも引きずった感じでさ
明らかにヒグマが歩いた後とは違っていた。
けれどその道は比較的新しく出来たみたいで、まだ草が中途半端に?戻ろうとしていた。
とにかくその道はどこか別のところに繋がっていたけど、俺は学習したのでテントから動かない様にした。
テントの中に入ろうとした時だった。
声が聞こえてきた。
それは何かと会話しているようだった。
生まれてこの方俺は心霊現象にあった事が無かったが、ここは誰もいない山なので、それが霊だとすぐに察した。
またしても辺りの音が一瞬にして消えて、耳鳴りがなるような感じを味わった。
え、まじ?まじ?って心で呟いてると、その声は止んだ。
でも少ししたらまた始まったんだよ。
なんて言ってるのか聞き取れないから、耳をすました。
おぼろげながら「……ィエ………ノ…ワエ……ノ……ワ」って何かを繰り返してた。
その声はなんか疑問形なんだよ。「~ワエ?」みたいな
しかもめちゃくちゃ優しい感じの声、女性ね。
でもすごく怖かったし、俺はなにも答えられず、その言葉?の意味もわからずただ立ち止まるしかなかった。
ピンと頭の中で閃いたんだ。
「これ霊じゃないな」って
第六感とかあまり信じたくないけど、この時はその存在を認めざるを得なかったわ。
少なくとも声の主は「生きている」ものだと確信した。
でも茂みの奥から声はしてるので、さすがに茂みへ近づくのは止めた。
すごく空気が冷たかった事は覚えてる。
じっと茂みの方を見てると、ズッとなにか引きずる音が聞こえた。
こっち来てんじゃん。
まさか来るとは思わなかったし、なんにせよ心の準備が出来てなかった。
(準備もくそもないが)
さっき出番の無かった鉈をまた構え、いつでも飛びかかれるようにしていると、その声はどんどん近づいてくる。
さっきまで聞き取りにくい声も段々はっきりと「エ…ノゥワ…エ?」と聞こえる。
イントネーションは訛った感じ?で聞いたこと無い言葉だった。
思いつめた俺は、コミュニケーションを取ろうとしたんだ。
「だはぁ……だれですか!?」
ちょっと裏返ってしまったが、何とかその声の主に伝わったと思う。
しかし依然「ィエノ……ワエ?」って聞いてくる。
その後何回か「誰ですか」と聞いたけど、ずっと「~ワエ?」って聞いてくる。
茂みの奥から俺をバカにしてるのかと思って、俺はとうとう「だれだ!しつけえよボケ!!」と怒鳴った。
その瞬間空気がまたピンと張りつめた感じがした。
あっちは何も返してこないし、どうやら移動も止まったみたいだったので、調子に乗ってしまったんだろうな。
「でてこいやボケ!!」って怒鳴った。
言い終わった瞬間、すっごく後悔した後、やっちまった感が全身を包んだ気がした。
「ウェンペ?」
すごくはっきり聞こえた。
優しい口調じゃなくなった。
よく「先生怒らないから正直に言いなさい」ってセリフあるじゃん。
あんな感じなんだよね、絶対怒ってるっていうのかさ。
俺もう言葉分からないのに「ごめんなさい」って連発した。
一応「アイムソーリー」とか英語使ったけど、通じてないのかまだ「ウェンペ?」とだけ。
一生分謝ったと思う。
土下座もした。
全身に泥がつくぐらい土下座した。
人間って心底驚いたら真顔になるもんだな。
茂みから少しだけ目が飛び出てるのよ。
じっとこちらを見てるんだよ、しかもその目は人間そっくり?で眼球から身体と思われるほうに、触覚みたいのが伸びてた。
ひたすらじーっとこっちを見てた。
でもその目は一切まばたきはしないし、動きもしないし、ただひたすらこっち見てるんだよね。
俺もその目を食い入るように見つめていた。
なぜかはわからん。
でも目を逸らしたら駄目だと、どうしてか思い続けていたのは覚えている。
俺はその時腰を抜かしていたが、手に持った鉈を思い出したんだ。
それを強くと強くぎゅっと握ると、よろよろと立ちあがった。
変わらず目はこちらを見ていた。
俺は「ヒグマより弱そう」って考えてたんだ。
ほんとバカだよな。
でも見た目は眼球だけのただの怖いやつだし、なんかしゃべってくるしで、ちょっと心に余裕が出来たんだ。
俺は般若心経をでたらめに唱えながら茂みに近寄って行ったんだ。
眼球は依然こちらを見てたけど、視線が俺の持ってた鉈に変わった感じだった。
言葉も「トイエ?トゥイエ?」に変わっていた。
俺は「あああああああ!」って叫びながら眼球めがけて思いきり鉈を振り下ろした。
眼球の触角?は、くの字に曲がってものすごい声で「オォォオオォオォォィヤァアァ!!」って叫んだ。
この時違和感を感じたのが声だった。
何故なら女性の声だけではなく、なんかおっさんの声を低くしたような声も混じって聞こえていたからだ。
俺は鉈を茂みに投げ捨てて、ものすごい勢いで走り出した。
すると離れているはずなのに、あの混じった声で
「ウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエ」
って念仏みたいなのが聞こえた。
もうおしっこ全部漏らしてたけど、一生懸命走った。
でも耳元での念仏は聞こえてくる。
しかもその念仏には明らかにヒグマと同じ「殺意」があった。
てか走ってる最中に後ろ見ちゃったんだけど、なんか黒っぽくて、ながかった、芋虫?
え、そんなのいないよね?
現地の爺さんと話す機会あったんだが、「それは『イッポカシ』かもしれん」とよ。
アイヌ語辞典で似たような言葉で「イポカシ」ってあるじゃん。
みにくい人ってなんだよおおおおおおおお
ふざけんな
俺悪くないぞ、あっちが喧嘩うってきたんだから
ちなみに逃げ続けた結果、足どっかに滑らせて滑落した。
そしたらたくさん農家みたいなのあってホッとしたのは覚えてる。
ちなみに爺さんの話すると。
どこか農家に入れてほしくて夜中なのに「だれかいませんか!」て叫びながら走ってたら、ぼろい家から爺さんと婆さんが出てきた。
池沼の人を見るみたいに「なんだお前」って言ってきたけど、「助けて」と連呼しながら家に入れてもらった。
落ち着けた俺はゆっくりと訳を話してくと、「なにやったんだべやおめえ!!!」と爺さんに怒鳴られた。
てかこわい。
すこし落ち着いた。
山でキャンプをしたことから、化け物を鉈で殴ったことまで全部話したら、爺さんは怒るとも泣くともしない表情で「なしてそんなこと……」って言ってた。
なんかそのイッポカシとかいうやつはもともと人間の味方で、色々良いことしてくれる神だか妖怪だからしい。
なぜ味方かというと、イッポカシは元はある村(アイヌとか樺太とか言ってた)の奇形の人間らしくて、すごく優しいのに村の人に忌み嫌われたらしい。
結局その人は領土争いで攻めてきた、別の村の人間に切り殺されたらしい。
しかしどこまでもお人よしのイッポカシは、そのまま魔物?になって村の守り神となり、別の村の人間を食い殺したらしい。
それに感謝した村の人はイッポカシの為に、祠のようなものを建て、祀った…という話らしい。
簡単に書いていく。
その後その爺さんにこっぴどく叱られた後、二度とこの土地に立ち入るなと約束させられた。
何でも俺がいるだけでイッポカシが怒るらしい。まあ当たり前だと思う。
「ヒグマから助けた人間に裏切られた」からだという。
そして持ってきたバッグとか鉈は全部置いていけって言われたから、全部置いてきた。
お焚きあげみたいなのをするらしい。
ちなみに大した内容は無いが、野帳だけはこっそり持ってきた。
ちなみに山の出来事から何も起きてないから大丈夫だと思う。
このスレに書き込めない間、「シシノケ」とかアイヌ語の意味とか色々調べていくうちに、やっぱり俺はやっちゃいけない事やったと思う。
シシノケの人だってもう亡くなったんだろ? 俺ももうじきかもしれん。
せめてこのスレに「こんな釣り野郎がいたな」くらいの存在でいいので、生きた証を残しておく。
ここに俺が最後に見た化け物の姿のスケッチを残しておく。
月明かりにぼんやり映った程度だが、シシノケと似ていると思う。
どうかこの事はたまに思い出して、「バカな奴がいたよな」って思い出してくれたら嬉しい。
山に入る時は、クマよけの鈴とかもってけよ、皆。
(了)