昔、テレビで見た話。
87 ：怖いお話ネット：2024/06/16(日) 14:32 ID:7DF93K2x
舞台は海外。『神様から予言を受ける少女がいる』という情報を聞きつけた番組スタッフは、少女の家を訪れ取材を始めた。彼女は、「ある日、夢の中で神様が現れてからこの能力が付いた」と語っていた。スタッフはその日常を追いかけることにした。
ある晩、家族みんなで夕食を取っているとき、少女が突然苦しみ始めた。見ると、彼女の背中に記号のような模様が浮かび上がっていたのだ。驚いた母親は、その記号をメモに取った。この模様が予言であり、『神様は少女の体、特に背中を使って未来の出来事を知らせている』と少女は話した。
そこでスタッフは、彼女を日本の医者に診せることにした。どうやら少女の背中に浮かぶ模様の謎を解き明かそうと考えたのだ。
診察の結果、衝撃の事実が判明した。少女の背中に現れる模様は、実は単なる蚯蚓腫れであり、その原因は金属アレルギーだったのだ。この診断結果を聞いた少女はショックを受け、「私は本当に特別なのよ…」と泣き出してしまった。そして、番組はその涙で幕を閉じた。
あの時の印象は二つ。一つは、あまりにも簡単に原因がわかってしまったことへの拍子抜け。もう一つは、泣き崩れる少女の姿に対する哀れみだった。それにしても、あの親はどうして一度も医者に診せなかったのだろうか？その国の医療が未発達だったのか、それともキリスト教徒ゆえに神様の仕業と信じて疑わなかったのか。
ただ、その後も少女がどうなったのかは誰も知らない。神様の予言を信じたままなのか、それとも現実を受け入れたのか。今となっては知る由もないが、あの特集は未だに心に残っている。
その真実を知った時、信じたくない現実に直面した少女の涙。信仰と科学の狭間で揺れ動く人間の姿を映し出した、忘れられないエピソードだった。
