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短編 心霊

リアル恐怖新聞【ゆっくり朗読】2300

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これは私が体験した心霊体験です。

839 :本当にあった怖い名無し:2005/08/26(金) 09:48:21 ID:o/5UZ+Z/0

私は四十六歳の男性です。菓子工場で副工場長をしております。

仕事柄、なぜか朝の五時には出社するので朝四時には起きます。

起きてまず、すぐにタバコを吸うんですが家の中では禁煙なので庭に出て吸います。

吸っていると、よくうちに新聞を配りに来る新聞配達の男性に会います。

よくよく見ると若いので「中学生……か?」と尋ねると、「いいえ、高校生です。おハよーごザいマす!!!」と朝っぱらからすがすがしい挨拶をします!

実は私も高校生時分新聞配達をしていたんです。

ですから、彼にはすごく好感が持てたんです。

仕事の関係上、あまったお菓子を黙って持って帰る癖があるので、それを少しだけその高校生に与えてあげてました。

その都度オウム返しのように「アリガトーゴザイマス!!!」といなせな返事をしていました。

ところが、クリスマスの日の事です。

いつものように外でタバコを吸ってると新聞配達の高校生がやって来ました。

しかしいつもと様子が違います。

ブスーッとした顔で挨拶もせず、乱暴に私の前に新聞を差し出すと、私が取るか取らないかという間に行ってしまいました。

私も初めは「なんだ、あの態度は。いつもお菓子あげてるのに」とムカつきましたがそのうち「ああ、クリスマスだというのに彼女にでも振られたから機嫌が悪いのかな」と勝手に納得してしまったんです。

それで家に入って新聞を読むと一面見出しにでかでかと「高校生惨殺」と言う言葉が載ってます。

「ふ~ん」と飛ばして、いつも見ているテレビ欄、スポーツ欄、おくやみ欄を見て仕事に行く準備を始めました。

そして時間になり出かけようとゲートをくぐると変なデブ親父が「おはようございます」と新聞を差し出してきました。

「なんだ、あんた?うちは○○新聞しか取ってないんだぞ」と言うと

「あ、はい、○○新聞ですが……」と言うんです。

「いや、もう配ってもらったけど」

「え?きょう担当の子、休んでいて、そんなはずはないんですが……」

「???」

しょうがないから、その親父が差し出す新聞受け取りました。

確かに○○新聞でした。

新聞折ってあるんですが一面見出しは見ることが出来ます。政治のことでした。

さっきのと違う……

考えてみれば、見出しに「高校生惨殺」なんて、まず載るはずがありません。

不安になり、さっきキッチンのテーブルに置いていた新聞を見に戻ったんですがありません。

すでに起きていた妻に聞くと「そんなのなかった」と言います。

「あれ?」とか思いながらも、遅刻しそうになったので大慌てで出かけました。

そして仕事に夢中になるうちに朝の出来事なんか忘れてしまいました。

そして次の日です。

外でタバコ吸ってると高校生が来ました。

そして、また挨拶なしのブスっとした顔で乱暴に私に新聞を差し出してきました。

「ぁんだ~ こら~ その態度は~ もうお菓子やらんぞ~」

と脅しをかけたんですが高校生は行ってしまいました。

チッ!とか思って新聞を見ると、また「高校生惨殺」の見出しが……!?

なんで……!!?

昨日は飛ばして読んだんですが、今日は見ることにしました。

 

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こんな事が書いてありました。

新聞配達途中の高校生が遺体で発見

死後約一週間経過 全身に十六ケ所の刺し傷
右手小指左手中指を損傷 いずれも生活反応あり
表皮剥脱 皮下出血多数 生活反応あり
直接の死因は数回に渡る頭部への打撲 脳髄は三分の二を損失
顔は原形をとどめず 歯形より本人と確認
遺体は☓☓県○○町の林道脇で発見

!?○○町っていえば、うちの近所じゃないか。

しかもすぐ近くには林道があるし、そういえば普段はうちに入れると角曲がっていくのに、昨日今日はまっすぐ行ったぞ!

その先には林道が!もしや……

時間になったので出かけようとすると、昨日のデブ親父がうちの家のポストに新聞を入れようとしています。

「今日も休みなの?」

「ええ……」

そしてぼやくように

「無断欠勤、家にも帰ってないそうですよ」

さっきの新聞のこともあるし冗談めいて「どっか死んでんじゃないの?」って言うと「ハハッ」と愛想笑いして行ってしまいました。

そして次の日、また来ました。挨拶なしのブスっとした態度で。

私は言いました。

「きみは死んでるんじゃないのか?」

しかし、私のそんな言葉を無視してまっすぐ林道へ行く道に行ってしまいました。

見出しもまた「高校生惨殺」です。記事も昨日と一緒。

もしかして本当に死んでいて私に発見されたいのかな?と思い、その日はズル休みして林道に行く事にしました。年末で忙しいっていうのに。

工場に電話して、もう一回寝て、昼ごろ林道に行きました。

脇の茂みの中をくまなく探したんですが、結局見つかりませんでした。

そして次の日、寝坊してしまい着替えると顔も洗わずに出社しようとするとデブ親父がいます。

「死んでましたよ。自宅の裏のドラム缶の中で。凍死だそうです。検視の結果、イブの日だそうです。しかしなぜ死んでるってわかったんですか?ご主人、もしかして預言者かなんか……?」

しかし、私はその日は寝坊してしまい、そんな話聞く暇なかったんで無視して行きました。

これが私が体験した心霊体験です。

なぜこのような事が起こるんでしょうか?

ひと、そしてカネがはびこる世の中では当たり前のことなんでしょうか?

後日談

高校生の家がうちの近所だという事がわかったんで、勝手な事ではありますが、私が持って帰ってきたお菓子と、その高校生は狐みたいな、つり目をしていたので油揚げを買って高校生の家の裏に投げ入れました。

もちろん、嫌がらせではなく供養のためにです……

(了)

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