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短編 洒落にならない怖い話

七人坊主【ゆっくり朗読】3071

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ある島で働いてた角造さん。

その日仕事が遅くなり、海沿いの道で車を走らせていた。

外は小雨がパラパラと降り、海は黒くうねっていた。

しばらく走っていると、目の前に光が。

どうやら工事をしているらしい。

「まいったな。家に帰るにはこの道が一番近いのに……」

と思って、工事をしている作業員に、あとどれぐらいかかるか聞いてみた。

すると、後少しで終わるとの事。

どうやら、この小雨で作業が長引いたらしい。

「なら待っているか」と思い、車の中で待っていた。

しかし段々と暇になってきて、小雨もやんだようなので、風にでも当たるかと車から出た。

しばらくしてタバコを吸い始めると、近くで休んでいた作業員が話をしているのが耳に入ってきた。

「なぁ、知ってるか。この道路のすぐ上にある岬、いわくつきらしいぜ」

「どんな?」

「なんでも七人岬(七人ミサキ)っていって、昔この島に流れ着いた七人の坊主がいて、村に食べ物が欲しいと、物乞いにいったんだって。けど昔のこの村はよそ者に厳しくて、さらにその年はまれに見る凶作で、どこにいっても断られたらしい。で、飢え死にしそうな坊主達はこの村を恨みながら、ここの岬で死んでいったらしい」

「へー」

「それだけじゃないんだ。その後村では謎の奇病が流行って、かなりの人が死んだらしい。で、供養塔を建ててからは、ぱったりとなくなったんだってよ。で、それからは、七人の坊主の悪口をいうと、良くない事が起きるらしい」

「んな馬鹿な」

「ホントだって。昔その話を聞いたお侍さんが、ためしに岬にいって、悪口を言ってみたんだって。そしたらその帰りに、乗っていた馬が急に暴れ出して、落馬して死んだらしい。他にも車に轢かれたとか、自殺したとか、いろいろあったんだってよ」

「本当かよ?」

「迷信だよ。迷信。なんなら試してみようぜ」

「やめとけって!」

「大丈夫だって。よーしいくぞ。七人坊主のバーカ!」

「よし、俺も。七人坊主のあほー!ハゲー!あはは」

「もっと言ってやれ。バーカ!」

…………

「ほらな。何も起こらない」

「ホントだ。俺も言ってみようかな。七人坊主のくそったれ!」

「あはははは!」

「そろそろ作業に戻るか」

そういって、彼らは持ち場に戻っていった。

「今の話本当かな」と、心の中で角造さんは思っていた。

数分後、作業はほぼ終わりかけていた。

そろそろかなと思い、車に戻りドアを閉めた次の瞬間、ドドドォーという音と共に、右側の崖が崩れてきた。

あっという間に土砂は工事現場のほとんどを埋め、車の屋根に石がコツコツと当たる音と、作業員達の叫び声が聞こえてきた。

ギリギリの所で、角造さんの乗っていた車は助かった。

しばらく呆然としていた角造さんだが、すぐに携帯電話を取り出すと、救急車と警察を呼んだ。

数時間後、角造さんは警察で事情聴取を受けていた。警察の車に乗せてもらって、ここまできたのだ。

「ご協力ありがとうございました」

「はぁ……」

何故だかはわからないが、角造さんは警官に聞いてみた。

「どのくらいの方が被害に遭われたんですか?」

すると警官はこう言った。

「死者が7人」

(了)

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