短編 ほんのり怖い話

コンビニの店員Nさん【ゆっくり朗読】2000

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あるコンビニの話なんだけど、誰か聞いてくれないか。

302 :本当にあった怖い名無し:2013/12/10(火) 00:41:46.73 ID:3NCHifyJ0

いや、今日偶々その被害者(?)と思ってた店員さん見かけたから話したいだけなんだけど。

まあいいや、勝手に話す。

そのコンビニ(ローソン)は今年オープンしたんだよ、確かね。

周囲は少し高級なマンションと、ガチ高級マンション、
近くには日本一だったかな世界的にも有名なタワーマンションがあるだ。

それに大通りの近くにもあるし住宅街からも近く、オープン当初こそ人の賑わいはソコソコだったと思う。

近くに大通りがあると言っても抜け道で一通だし、近くにあるセブンイレブンとかファみリーマートの方に結局人が戻ってった。

確か、今は有名だけどコンビニなのにお弁当を作成して売ってた。
俺もそれ目当てで通ってたタチ。

深夜一時を過ぎると、半額とか50円引きとかで買えるんだよ。
確かに高いとは思うけど、旨かった。

で、被害者だと俺が勝手に思ってた店員(Nさん)が、二か月後ぐらいに深夜アルバイトになったと思う。

Nさんは何ていうか、深夜アルバイトとは思えないほどパワフル(行動)で声デカくて、その癖接客がメチャクチャ丁寧。

陰湿な雰囲気もない。
……は?なんで深夜に居るの?って感じ。

色々な相談にも乗ってくれるし、なんか暖かい存在の店員だった。

俺は恋愛と仕事の相談をポロッとしてしまった。

そしたら試飲のコーヒーを三杯ぐらい俺に渡しながら、「俺の考えは」と口癖を呟いて色々はアドバイスをくれた。

寝ているお客には、どこから持ってきたのかジャンバー掛けて「4時に起こしますからねー」って。

「ちょwそこレジっすよw」と俺が言うと、「いいっスwそこ使ってないのでw」と返したり。

本当に非現実的な行動を起す店員だったわ。

多分、そんな行動をしていたからかな、非現実的な物にも滅法縁が有ったらしい。

俺がそこのコンビニで「出る」って噂を聞いたのは、Nさんが入って二週間ぐらいだったと思う。

噂だと、いつもたむろしていた不良グループ(Nさんが手懐けていて良い人達だったw)が凄い騒いでたらしい。

Nさんの体に黒い煙がまとわりついているとか、店内に女の人が歩いていたとか。

Nさん経緯で、喫煙スペースで喋る程度だけど不良グループと仲良くなっていたから詳しく聞いてみたんだ。

そしたら、7人全員がバッチリ見たらしい。

ちなみにこの時ぐらいから、Nさんの顔色が悪くなっていたのをよく覚えてる。

でもまあ、Nさんは凄いいつも通り元気で、その過程で相談したりなど色々あった。

深夜なのに注文すれば、出来立てのからあげクンでてくるわ、Lチキ出てくるわ。

俺が好きな単行本覚えていて、一冊残して置いてくれたり、近所のヤクザさんに好かれて居たり、
Nさんのアルバイトっぷりも中々恐ろしいものになって来てた。

うん、まじで地域住民に好かれていたと思う。

不良たちが「マスター」って呼んでたけど、俺は「よー、N」って感じ、年齢違いの友人みたいな感じで接してたマジ。

だから、「ぶっちゃけ深夜でオバケって出ないッスカ?」って聞いたのよね。

そしたらいつも通りの明るい笑顔で、「出ますね!」って答えられた。

Nさん2か月目ぐらいからかな、店の売り上げも落ちているとかNさんが言い始めたころ。

怪奇現象の評判が、結構有名になってきていた。

Nさんから聞いた怪奇現象は、
深夜に女の人が店内の中練り歩いていたとか、人を呼ぶ声とか、店員を呼ぶ声とか、物がよく飛ぶらしい。

ちなみにその光景を、俺も他のお客も何度か目撃してる。

Nさん曰く「日頃から害がない幽霊も居るんですが、どうも最近は悪い奴多すぎる」って笑ってたw
俺は笑いごとじゃねーよwwって思った。
つうか、日頃からいるんかい。

ちなみに俺が経験した中で一番怖かったのは、
誰も居ないのにバックルームと言う倉庫室のドアが「バンッ!」って開いた事。

本当にそのバックルームから人が出て来ている様に見えて(黒いモヤ)、
NさんはT箒もって構えて凄い恐い目で何かを睨んでた。

不良グループは、店内に居たらBGMが砂嵐になって照明が点滅したのが一番怖かったらしい。

その時、Nさんは何処からか持ってきたお守りを一番怯えていた不良君に手渡し、
「大丈夫ですから(ニコッ!」としたそうな。

うんで「仕事中なんですがぁー…・」って言ったら、電気も店内BGMも戻ったとか。

マジNさん何者。
俺は密かに寺生まれのTさん想像してた。

ちなみにNさんはソッチ系の相談も受けてた。
と言っても、俺が見たのは一回だけ。

友人は数度、てか一度ボロアパートでの怪奇現象の相談したらしい。

仕事の時間を超えてまで、対処するとかは「昔の職場で色々あった」らしく二度としないけど、
ドコドコのお寺はとか、どこそこの神主さんは、アソコのお坊さんは、とオススメの除霊・魔除けトークをさく裂させてた。

ただ、2ヶ月目になるとNさん凄い痩せてて、目の下にクマも出来てた。

理由は仕事も関係してそう。

新しい新入りのアルバイトを教えても基本一日、酷い時には一時間で辞めてたらしい。

そのコンビニのオーナーが仕事配分がおかしいらしく、過酷環境だったそうだ。

労働基準局も何度か視察に来ているらしい。
Nさんは「敵だ!」って言ったw

三ヶ月目。

詳しくは当事者の間で秘密と言う事にされてたけど、ガチでヤバイなんか凄い怪奇現象がコンビニを襲ったらしい。

うんでローソングループ本社から「変な噂を流すな」と怒られたらしく、
Nさんは怪奇現象絡みを話す事とか、何かあってもお客に見せない姿勢になってた。

それでもパワフルと元気ハツラツな勤務態度は継続させてた。
尊敬できる。

ただ、本当に具合悪そうになってきた。
しかも、噂で「Nさんが女性にとり憑かれてる」とか聞いた。

怪奇現象も日頃からラップ音とか、ポテチが散乱してたり、結構ヤバくなってきたと思う。

何度かNさんが無人のコンビニでセールストークしているのを聞いたのもその頃らへん。

「あれ?女性の人、どこ行ったんですかね?」とか、俺に聞かれた時はバクバクした。

「そんな人居なかったですよw」って言うと、「すみませんでした」と泣きそうな声で謝られた。

相当絞られたんだとは、直に察した。

でも、Nさんとは仲良かったし、愚痴を日頃のお礼として聞いた事がある。

「最近、怪奇現象がやばい。女の人が入口に立って自動ドアバンバンしてる」

「ポテチ並び直した直後に全部飛び上がる」

「会計してるのに人が居ない、物もない」

あとは仕事アルアルの悩み。

「人間関係で悩んでる」「昼組が仕事残して行くし、怪奇現象が酷くなるし」

「売り上げが伸びたのに夜勤の人二人体制にならない、てか人増えない。皆辞めて行く」
聞いたら週7だったらしい。

アルバイトの勤務状況じゃないと俺は伝えられるだけだった。

深夜の常連さんも増えたようで、生き生きとしているNさんの姿を見ると少しホッとできた。

ただそこからの二か月は、悪いけど俺は怪奇現象を楽しみに通っていたと思う。

実際、Nさんの奇想天外な行動(外国人さんと一緒にラップしてたりとか)、時々起る怪奇現象。

両方とも見ていて俺飽きなかった。

ただお客の多くの人が

「Nサンダイジョウブ?」

「Nさん具合悪そうよ」

「ちょwNさん休みなって!w」

と言ってたぐらい、Nさんの体調が明らかに悪そうになってた。

運命の日に遭遇したと俺は思った。

その日のNさんは、来店時から新年めでたい一発目の大声!って感じの声ではなく、
死んだような声で「いらっしゃいませー!」って無理してる声だった。

もう焦点はあって無い。
呂律もおかしい。

一人ぶつぶつ言いながら厨房の方へ歩いて行く姿は、きみが悪かった。

しかも突然、笑ったり泣いてる声が聞える訳よ。
まじこーえコエー。

ただ、馬鹿なんだよなー俺は。

「今日は何か起こるぞ!」って思って、その日はコンビニで立ち読みする事を決意した。
一時間後ぐらいして、Nさんが新聞縛ってた時だったと思う。
ドアが開いたんだよね。

Nさん挨拶一言も発してないの、気が付いていないだけかもしれないけど。

明らかに異常なほど大きな腕が一本と、赤ん坊を抱えた女、紫だか赤色だかに変色した男が入ってきた。

ちなみにこれは、あのコンビニで二番目に怖い経験だった。

何でかって言うと、一番怖かった奴はNさんは隠してたけど、明らかに標的は俺だと分かった。

それに見えないけど、俺に迫って来てたのも感じてたんだよね。

だから、標的が俺でもなく、寧ろ「キター!」って思ってた俺は恐怖心は少なかった。

金縛り状態になって、ページもめくれなくなってたけど。

Nさんの頭をまず大きな腕が握りつぶす様にギュッとしたの。

そこで腕が霧散した。
本当に、ぶわーって感じ。

僅かだけど、Nさんが天を仰ぐように手を振ってたのも憶えてる。
拍子抜けだった。

次に赤ん坊が「う、ウギャ」って潰れた泣き声を漏らしたの。

Nさんが「チッ、うっせーな」って、焦点はあって無いんだけど顔が赤ん坊と女の人の方に向いてた。

幽霊がスッと後退したと思う。
たぶん引いてた。

最後に男。

こいつは何もしないって言うか、俺の方に来てた。
で、顔じろじろ見てた。

「ウカカカ」って只管笑ってた。

うんで、拍子抜けで申し訳ないんだけど、気が付いたら外が明るくなってた。

横にNさんが立ってて、ニコッと俺の方見て「お客様、まだ居るんですか?」って言ってきた。

あー、安心した。
記憶が抜けてるけど、Nさん無事だったか―って思った。

Nさん厨房の方にも居るんだよな。
てか、そっちが本物っぽい。

だから、俺は直に厨房のNさんの方行ったんだけど、
「終わらない、終わらない」って呟きながら仕事してて、俺の姿見えてないように仕事してた。

俺が立ち読みしてた所には、
さっきのウカカカ男の手を引きながら「お気を付けてー、またどうぞお越しくださいませー!」と見送りするNさん。

Nさんが話しかけてたのは、おそらく俺についていたウカカ男だと思う。

うんで、俺はマジで「Nさんが狂わせてしまった!」って思って後悔してた。

なんでか、Nさんが帰るまで見届けなくちゃいけないと思って店内に残った。

ちなみに土木とか、朝帰りの不良たちとか、朝食買に来るマンションの人とかメッチャ来てたんだけど、
「いらっしゃいませー!」が、「うらっめっしゃー!」「ウビョバッシャショー!」って、
もはや日本語しゃべってないし、焦点もあってないの。

そのほとんどが気味が悪がってたのも俺は直に分かった。

何人かの客がNさんに「自分の顔みなさいよ!」とか、心配かける声をかけまくってるんだけど、
「? どうかしましたか?」とか「大丈夫ですよー」しか言わなかった。

不良の方は例のグループの一人で、「過剰勤務と怪奇で狂ったか……」って初めは言ってたけど、
あったこと話したら、「マスターに何かあったんなら、お前ただじゃすまさねーぞ」って脅された。

結局、俺の車の中で不良の二人、Nさんを見守る事になった。

ちなみに店内から出た理由の一つ。

気が付くとNさんが俺の横に立ってる事が多々あったんだよね。
何も言わずにポツーンって。

不良もタバコ吸ってたら、店内からジーって見られてた。

本当に気味悪かったから、申し訳ないけど俺たちは逃げたんだな。

6時頃、店長さんがバイクでやって来て、顔色が一気に変わって直にNさんを事務所の方に呼び入れてた。

それから7時頃に親御さんかな?Nさんを連れて、「病院に行くぞ!」とか言いながらコンビニから出てきた。

それ以来、俺らはNさんの姿を俺は見ていなかった。

ここから今日まで凄い罪悪感やばかった。

店員に聞いても「誰も事情教えられてないのよねー」とか、「クレームが入って辞めたとかー」とか、
店長さんは「個人情報の保護に関わりますので」とか、本当に顔色悪そうにして濁らせてた。

ただ、今日Nさん駅で見かけたw
眠そうに歩いてて俺にぶつかってきたけど、「ふぁ、すみません;」って。

もう、絶対今年のこの出来事引き摺ると思ったけど、なんていうか、あれは間違いなくNさんだった。

顔色も、体格も、良くなってた。
元気そうで本当に良かった。

ちなみに俺は、情報が得られると思って10月の暮れまでコンビニに通ってたけど、
人の出入りも、Nさん消えて来なくなった客も確実に居ると思うけど、激減してたと思う。

怪奇現象に関して言えば、ラップ音とか、人の声は聞こえてた。

Nさんの時ほど酷くは無いけど、頻度は増えてる。

友人にオカルトマニアが居るんだけど、ソイツを店に連れていったんだよね。

そしたら、
「明らかに、川の方から何かが流れ込んでる」、「凄い溜まってる」、「ちゃんと除霊とかお祈りしたのか?」
って言ってた。

「ハイヒールを履いた女が厨房の方を覗き込んでる」とか、凄い言ってて怖くなった。

ハイヒールに関しては「赤でしょ?」って言うと、「見えるの?」って言われた。

相当ヤバイ奴だぞって言われた。

……Nさんが一番嫌い言っていた幽霊が、そのハイヒールだ。

ただハイヒールが直接の原因ではなく、周りに悪影響を出すタイプらしい。
誰か一人に憑くモノではないそうだ。

じゃあ、Nさんはなにがあったのか。

友人の推測は「色々背負ってもってったんだと思う」だった。

ぼんやりとその形跡が残ってるらしい。

期待させるような事言って置いて悪いけど、俺にはどういう物か分からない。

「なんかたまり場何だよね。ただ、むしりとられたように、ちぎり持ってったようにぽっかり空いてるスーペースあるんだよ」

つまり、Nさんは色々背負い込んで持って行ったと言う事らしい。

だから体調も悪くなるし、仕事も上手く行かなくなるさ、と友人は笑ってた。

確かにNさんは引き寄せる魅力があった。

最初は絡みづらいだが、一定距離や密着しても、絡んで行ける。
そんな人だった。

それはオーラ的分類の話になるけど、どうやら誰かのオーラを引っ張り込む人らしい。

うんで一つ思い出した。

Nさん、確か「幽霊に憑りつくタイプ」って笑いながら言っていたと思う。

昔なんかそれであったとは聞いていたから、詳細は分からないけど。

俺も何を話せばいいか分からないけど、今年最大の後悔が晴れたので、色々思いついて喋っちゃってる状態なんだ。

こんな遅くまで付き合ってくれた奴が居るんだとしたら感謝する。

てか、読み返すと本当に長いな;

あ、書くの忘れたけど、俺が運命の日だと思ったのは何でも無かったらしい。

最初の腕は、おそらく鬼とかの良くない化身じゃないかって言ってた。

それを粉砕したか、撥ね退けたからブワーとはなったけど、何かしら異常事態が起こってるんじゃないかと。

赤ん坊と女に関しては、たまり場に流れ着いた幽霊で、ウカカ男も、そうらしい。

もう一人のNさんは、守護霊かNさんから分離した「怪奇から守るNさん自身」じゃないかと言うそうだ。

ただ送り出すという事は、少なからずNさんはそのコンビニで『除霊師』の役割していたんじゃないかと。

後付解決余談すまなかった。

不良(車の中に一緒に乗ってた)と連絡取って、今日と同じ時間にNさん探す事になった。

もしも何か進展あったら書き込みしに来る。

夜も遅いし寝る、長々とどうもでした。

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