サイコの初恋は猛毒ロリータ~『かわいい毒草』Pretty Poison
ストーリー
現代、ニューイングランドの町。
デニス(アンソニー・パーキンス)は最近この町に流れてきた青年で製薬会社に勤めている。
だが彼には家に放火して叔母を焼死させたという前科があり、目下仮釈放中。
決して常人とはいえない。
そして彼は、女子高校生スー・アン(チューズデイ・ウェルド)と親しくなると自分はCIAの重要人物だと、まことしやかに語ったりするのだ。
2人のまわりは、性的にも乱れている人物が多くいたが、スー・アンはピルをのんでデニスと猛烈な恋をすることを覚えた。
そしてある日、仮釈放局の役人が工場を訪ねてきた。
この結果、デニスは、前科がばれて、クビになってしまった。
この件を、恨んでだろうか、デニスは勤めていた製薬工場の破壊を考え、その手始めとして廃液を川に流すシュートのボルトをゆるめることにした。
スー・アンと一緒に、ある夜、実行にかかったが夜警にみつかってしまった。
するとスー・アンは、こともなげに夜警の頭を殴り、川べりに引きずっていき顔を水につけて窒息死させた。
翌日、死体が発見されデニスが刑事の訊問を受けた。
すっかり怖じけずいてしまった彼は、外で待っていたスー・アンに弱虫とののしられる始末。
デニスは、この女のために、骨抜きにされ、ついに前科の告白までしてしまった。
結局2人は結婚してメキシコに高飛びすることにした。
そしてスー・アンは旅費を母親の金庫から盗み出そうとしたが見つかってしまい、側にいたデニスに母親を殺すよう命令した。
だがデニスには出来ない。
すると彼女は表情ひとつ変えず母親を射殺してしまった。
そのうえ死体を近くの川に沈めよう、という。
デニスはすっかり怖くなり、そのまま逃げ出して、ひとり自主をした。
警察で調べを受けるデニスの前に現れたスー・アンは全部の罪を彼になすりつけて、新しい男と一緒に、すずしい顔で、立ち去っていった。
男のデニスがひとことも言えないくらい堂々とした毒草ぶりであった。
男と恋と銀行泥棒
『かわいい毒草』のノエル・ブラックが手掛けた珍品ラブコメディー