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短編

山奥の集落

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徳島の田舎。当時10歳の私と祖母は、山菜取りに山の中に行った。

よく晴れた気持ちのいい日だった。

小休憩の間に林の中をうろうろしていると、 少し開けた草むらに、私は2、3軒からなるバラックの集落を見付けた。

妙な気配に振り向くと、男が三人、近くの茂みの暗がりからじっとこちらを見つめている。

身長はでこぼこだが、三人とも小太りで目が大きく丸刈りと、驚くほど似ていた。

そして男たちは、頬を風船のようにふくらませ、顔を真っ赤にしながら、こちらに向かって必死に息を吹きかけ始めた。

私は恐ろしくなり、大声で泣いた。

大声で泣き続ける私。

男たちは、『ふぅー!ふぅー!』と息を吹き付けながらも、今や茂みを出てじりじりとこちらに寄る。

その時、私は背後から何かに顔を掴まれた。

祖母であった。

「息、止めれ!」と私に言う。

止めようにも、祖母に右手で口、左手で鼻をつままれた私は窒息寸前。

ヘッドロックの様な体勢のまま、祖母は私を引きずりながら駆け出した。

山道に出て、祖母は私のホールドを解くと、ぺたんと座り込み泣きだす。

「あの人たちはなァ、可哀相なんだぁ……」と言いながら。

家に戻って私が祖父にその話をすると、祖父は祖母を力一杯殴りつけた。

あなたのうしろに名無しさんが:03/05/01 16:26
なんかすごい怖いっていうか……隔離政策取られてる人なのかな?
そのおばあちゃんに理由とかきかなかったの?

あなたのうしろに名無しさんが:03/05/01 16:34
ばあちゃんがまた泣いたら可哀相なので。
じいちゃんに聞くと、突然「阿呆!」と叫んで立ち上がり、夕食の支度で台所にいたばあちゃんの首筋を、後から思い切り殴りました。
結果的にばあちゃんを更に泣かせることになり、そんなこんなで詳細は聞けずじまい。

(了)

 

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