短編 後味の悪い話

復讐の炎はいつまでも消えず【ゆっくり朗読】5946-0104

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友人と『1日だけ過去に戻れるとしたらいつに戻りたいか』という話をしていたら……

2015/07/18(土) 00:42:36.74 ID:4LT2bBiI0.net

友人のひろゆきが「中学2年の初めの頃かな…」と言った。

ひろゆきは『大学1・2年の頃に戻りてぇー…』というのが口癖だったので、「大学時代じゃなくて良いの?」と訊いたら、

「1日だけでしょ?ならしたいことがある」と。

「何したいの?」

「復讐」

ひろゆきは中1の時いじめに遭っていて、学年中から無視されているような状況だったらしい。

中2に進級する時にいじめの首謀者とクラスが別れ、しばらくしてから、担任教師から個室に呼び出しがかかった。

個室に居たのはいじめの首謀者。

「ほら、言いたいことあるんだろ?」と首謀者を促す教師。

すると首謀者、突然「ごめんなさいぃぃ~」と号泣。

教師、「首謀者、小学校の頃いじめに遭ってたんだと。こんだけ反省してるし、許してやってくれねぇか」とひろゆきに耳打ちする。

ひろゆきは突然のことにすっかり混乱し、「泣かないで、もう済んだことだし気にしてないから…」と言ってしまった。

以降、首謀者とは没交渉。

「その時は訳分かんなくてそんなこと言っちゃったんだけどさ、小学校の時いじめに遭ってたって言ったら、私も小学校6年間いじめられっぱなしだった訳よ。でも、私は誰かをいじめたりはしなかった。なのに、同じ理由で他人の1年分の人生台無しにしておいて、ちょっと泣いて見せたらそれだけで許されるっておかしいでしょ?だから1日だけ過去に戻れるなら、あの日に帰って嘘泣きしてるアイツに言ってやるんだ。
『本当に反省しているっていうなら、これから1年間、学校で誰とも喋っちゃ駄目だよ。だって私は貴方にそうさせられたんだから。他人にさせたことだもん、勿論自分でも出来るよね?』って。まあ、途中で教師が止めに入るだろうし、実行はさせられないだろうけどねー」

ひろゆきは真顔で言った。

いじめ首謀者は勿論あり得ないし、教師の対処の仕方もあり得ないし、周りの生徒の態度もあり得ないけど、ひろゆきの語り口がとても10年以上前のことを話しているとは思えないほど生々しくて、ああ、ひろゆきは今でもその記憶に囚われてるんだなーと思うと鬱になった。

本当にイジメ、ダメ、ゼッタイ。

(了)

[出典:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1433256994/]

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