短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

幻視【ゆっくり朗読】2700

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お伊勢参りで内宮に向かう途中、式年遷宮用にすでに砂利をひいてある、ひらけた場所の前を通ったとき、幻が見えた。

3 :名無しさん :2014/03/23(日)06:00:23 ID:icuQcrB1A

もう二十年以上前のことだ。

天まで届くかという太くて大きな柱が3本、∴の形にそそり立っていて(手前二本、奥一本、手前二本は参道に平行に近いが、時計回りに一〇度ほどずれていたような)木の船がゆっくりと、右から、一番右の柱の天辺に触れそうになったところで幻は消えた。

今さらだが、何の意味がある幻だったのか知りたい。柱が三本というのもよくわからないし、昔の神様が見えた時代のことなのか、それとも式年遷宮で移られる神様の船だったのか。

キリスト教やらエホバさんやら、連れられるままにいろいろ巡った自分だが、よく考えると日本の神様に縁がある気がしてきた。

次も幻の話。

これも二十年近く前のこと、当時好きだった大きな神社さんのそばを夜八、九時頃に車で通りかかったときのこと。

参道から続く民家の、一軒の玄関の暖かい灯りに魅入った瞬間にまたぶわっと幻が見えた。

一人の時代劇農民風の男が、人を殺したか何か、ひどく罪のあることをして刑場へ連れていかれるところで母親が泣いている。

場面が変わって、その男が子供の頃、友達と遊ぶシーンや、母親の視点から子供(その男)をあやすシーンなど男の一生と、母親の寂しい気持ちを、時間を移動させながら一瞬で見た。

数秒のことだったが、映画を一本見たくらいの長さで、神様か何かの記憶と感情だろうか?「見つめ続けているだけで、救えず、つらい」というとても切ない気持ちが同時に伝わって来て、一緒に泣いた。

詳しくないのでよくわからないが、山里の守り神様みたいなのは、人の生活にあまり手出しをしてはいけないのだろうか。

「長く長く見つめているだけなのは、なんという切ないことか」と。

自分の好きな、愛知の大縣神社さん付近でのこと。

(了)

 

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