短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

オンドウ様【ゆっくり朗読】1000

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小さい頃、ひいばあちゃんの住んでる家に連れていってもらった

771 :1/5:2013/10/06(日) 12:51:43.69 ID:ybnRlM5q0

大人たちは色々話があるようで、部屋から追い出された私は家を探検してたんだ。
その家はなにしろ広かったし古くて壺とかもあったから、探検ごっこだけで充分楽しめる。

そんな訳で、家の中を走り回っていたら、ある部屋でひいばあちゃんと鉢合わせた。
そしたら、優しい感じだったひいばあちゃんが、強い調子で「こっちへ来なさい」って言うんだ。

ドタバタしてたから怒られるんだ!と思って、その場でうじうじする私に、ひいばあちゃんはしびれを切らしたのかこちらまで来て、手を引いて歩き出した。

ここからが少し変で、子供の私の体感でもすごく長い時間、襖を開けて次の部屋へ、というのを繰り返して進む。
今考えると、広いっていってもそこまではないだろ、ってくらい何個も部屋を通り抜けた。
もうやだな、と思い始めたくらいで、部屋は行き止まりになった。

日が差し込んで明るかった記憶があるから、その部屋は多分周りが障子だったのだと思う。
茶室みたいな感じの小さな部屋で、掛け軸があって、茶室でいうと生花が置かれているはずの所には、紫色の着物か布かが置いてあった。

ひいばあちゃんが「ここに座っときなさい」と言うから、私は大人しく部屋の隅に座った。
ひいばあちゃんはだんまりで私を見てて怖かったんだけど、その部屋は小さいからか知らないけど凄く安心感があった。

で、だんだん眠たくなってきて、うつらうつらしてしまったんだ。

ハッと目を覚ますと、ひいばあちゃんが置いてあった布を持ってごそごそしてる。

「何してるの」と聞くと、ひいばあちゃんは「私に着せる着物が……なんたらかんたら」と答えて私を見た。(方言きつくて何言ってるかわからなかった)

そして、「オンドウさま?がいらっしゃるから、ここにいるだろう?」と、ここに居続けるのがのが当然みたいな口調で聞かれた。
勘が働いたのかもしれない。何でかわからないけど、私は「オハギ食べる約束したから戻る」と答えた。
答えたっていうより、咄嗟に口から出た感じ。

実は、おはぎは前日にひいばあちゃんと作って食べてしまってるから全くの嘘なんだけど、嘘をつこうとして言ったわけじゃなかったんだ。

ひいばあちゃんは「なら、仕方ない」みたいなことを言って、私の手を引いて襖を開けてその部屋の外へ出た。

そしたら、全然知らないところにいる。
後ろを振り向いてもそもそも襖とかないし、何より手を引いていたはずのひいばあちゃんがいない。

結果的に、そこはひいばあちゃん宅の裏山に面したお寺の中だったんだけど、怖くてぎゃんぎゃん泣いてたら、お坊さんが気づいてくれた。

田舎だから、名前言ったらすぐに「ああ、あそこの家に遊びに来てる子ね」という感じで私のことがわかったみたいで、家に連絡がいって事なきを得た。

私は一人で外に出た(しかも裸足で)ってことで両親にすごく怒られたけど、私からしてみれば?という感じ。

事情を説明しても言い訳乙な感じだったし、「ひいばあちゃんが」って言っても、ひいばあちゃんはずっと私達といたから、と祖母に笑われる始末。

私は不満だらけだしわけわからんしでずっと不機嫌だったけど、その後は何事もなく数日を過ごして家に帰った。

大きくなったらひいばあちゃんに真相を尋ねようと思っていたのに、訪ねた後すぐ亡くなってしまって、結局、何が起こったのか……
私の手を引いたひいばあちゃんは本当にひいばあちゃんだったのか……
オンドウ?とは何なのか……
全部わからずじまいだった。

ひいばあちゃん宅を取り壊すことが決まり、親戚が集まった時にこのことが話題に上がったので記念に書き込みました。
ややこしいけどこれで終わりです。

追申

オンドウ様って発音してたかは正直自信がないんだ。
ここに書き込むときも、オンドウ様とオンゴウ様で表記迷ってたくらい。
お寺の人にはこの前聞いてみたら、お不動さん?って言われた。

ただ、ひいばあちゃんは神社にお参りを熱心にする人だったみたいだから、なんでそこでお不動さんかな?という感じはあった。
で、オカ板なら誰か似たような話とか知ってる人いないかなと思って書き込んだ次第。

 

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