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短編 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間

気狂いファン【ゆっくり朗読】7123

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霊的な話じゃないですが、三年前、一人暮らしをしていたときの話。

2009/05/29(金) 06:14:06 ID:t4aiec1gO

夜九時くらいに帰宅すると、すぐインターホンがなったので玄関を開けると、四十代くらいと思われる女性が立っていた。

宗教の勧誘だったら面倒だな、と思いつつ「はい?」と言うと、女性は部屋を覗こうとしながら

「ここってス〇ップの木村た〇やさんのお宅ですか?」

確かに俺は木村という苗字で表札も出していたが、木村た〇やの訳がなく、驚きながら

「いや、違いますけど……」

と言いドアを閉めようとした。

すると女は閉まりかけのドアを押さえ目を見開き

「本当に?隠してませんか?本当はた〇やいるんでしょ!?」

と叫びながら部屋の中に入り込んで来ようとしてきた。

あわてて

「いやいや、違うから!」

と言いつつ女を外に押し出そうとすると女は

「触らないで!た〇やー!いるんでしょ?た〇やー!」

と暴れだした。

俺はもう何がなんだかわからなくなり

「ヤメロ、警察呼ぶぞ!?」

と怒鳴ると、女はおとなしくなり逃げるように帰って行った。

都会は変な人が多いな、なんて考えながらもその日は戸締りをし、寝た。

翌日、帰宅するとアパートの入り口に、昨日の女とその娘と思われる中学生くらいの女の子が通りから死角になる場所に立っていた。

俺は驚きつつもダッシュで自分の部屋の前へ行くと、娘が

「た〇やに会わせて!」

と叫んでいて、女は包丁(果物ナイフかも)を持っていて

「た〇やを出せ!!出さないと殺すっ!!」

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もう目が尋常じゃないくらい血走っていた。

急いで鍵を開けで部屋に飛び込むとすぐに施錠し五分ほどボー然としていた。

警察に電話しようと思いつつ部屋の電気を付けカーテンを閉めようとすると、窓に女と娘が張り付いて中を見回していた。

俺は「うわあぁぁ!」と叫びながらすぐに警察に電話。

パニックになりながらも事情を説明すると警察は

「すぐに警官を向かわせるので鍵を閉めて待っていて下さい!」

女と娘はその間窓を叩きながら

「た〇やに会わせろ!た〇やを出せ!!」

と絶叫している。

俺はトイレの中で掃除用のブラシ(武器代わり)を握り締め震えていた。

五分くらいすると

「コラー!何してるー!」

と警察官と思われる声が聞こえ騒がしくなった。

インターホンが聞こえ

「木村さん?警察です。もう大丈夫ですよ」

と聞こえ、俺は安堵感で崩れ落ちた。

その後、警察へ行き事情を説明し、女は逮捕(別の木村さん宅にも同じことをし被害届けが出ていた)、娘は親戚に引き取られたらしい。

さすがに引越ししました。

(了)

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