短編 怪談

集中砲火#1091

更新日:

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書き込んでもいいですか?

548 3-1 sage 2011/05/22(日) 04:58:03.42 ID:8lzVPdU70
いいですよ。

それじゃあ書きますね。

数年前にサバゲ仲間五人と樹海の奥のほうまで探索に行ってきた。

不思議なもので、電動ガンを持っていると

怖いものが薄れるような兵士になったような気分で

どんどん奥に進んでった。

(※一応電ガンはバックパックの中に締まっていました)

樹海の中はかなり穴ぼこだらけで、数mの起伏が意外と多く

思いのほか歩きにくかった。

夕方になり、結構進んだところでテントを張ることにした。

そこまでで数箇所遺品ぽいのを発見していたので、

若干ビビっておりみんなクタクタで、

夜の七時頃にようやく夕飯の支度を始めた時のこと。

五人でコンロを囲みながら湯が沸くのを待ってると、

仲間の一人(Aとします)が、五十mくらい離れた場所にある

少し盛り上がった場所から

チラチラと人の頭のようなものが見える、と言い出した。

Aの本気っぽさに俺を含め四人は切れ気味に

「てめーふざけんなよ、ここだと洒落になんねーぞ」

とか言ってましたが、実際、暗くて見えにくかったんですが、

何か動いてるような気がした。

一応念のため全員バックパックから電動ガンを取り出し

弾込めをし、なぜか分からないがヒソヒソ声で、

気づいて無いフリをしつつ震えながら

フォーメーションの相談をしてた。

なにかが風で揺れて木の陰から

チラついてるだけかもしれないけど、

にしても夜中気にしながら寝れるわけが無いので、

全員で電ガンもって見に行くことにした。

何かが見えている場所まで行こうと、ヘッドライトを頼りに

十mくらい歩いたときさっきの盛り上がった場所から

パキパキと木の枝が折れる音がしました。

みんなビビりまくり、

「うぉぉっぉぉぉーーー!!」

「撃てぇぇぇ!!」

とか叫びながらその方向へ向かってBB弾を乱射しました。

もう、その時は全弾撃ちつくしても構わんと思って

フルオートで撃ちまくった。

何秒か後に、乱射してる方向で「ててっ」って声と、

走って枝をパキパキ折る音がしたので、俺が

「ちょっと待って!ストップ」

って乱射をやめた。

撃つのやめてもまだ、奥のほうでパキパキと

枝の折れる音が続いている。

この時点で俺らは気がついて、

「おい、あれ生きてる人だろ!」

「助けよう!」

という話になり、すぐに

パキパキの音の方に向かって走り始めた。

「まってくださーい」とか「すみませーん!」とか言いながら音の後を追っていると

少しして音がしなくなった。

そのあとも少し探して

「暗いしテントに帰れなくなるかもしれない」

という話になり、ちょっと話し合いをして、

一応その人が餓死では死なないように

懐中電灯と食料を分かりやすいところに置く

ということにした。

既に暗闇に近い森の中に向かって、

「懐中電灯と食料をおいておきまーす!」

と叫んで、LEDライトを点けっぱなしにして置いてきた。

一応ライトはタコ糸で結んでおいて

テントまで引っ張っていきながら

テントを貼った場所まで戻った。

夜は既に怖さより、その人が生きて欲しい

という事ばっかり考えていたし

出来れば、夜のうちに死なないで欲しくて、

三十分から一時間置きにさっきの場所に向かって叫んだ。

「俺達がいますよー!」とか。

起きてる間中ずっとみんなで

森の中にいるはずの人の話をしてた。

その夜は交代で寝た。

といっても全然寝れなかった。

翌朝、周辺をよく調べた。

結局ライトも食料もそのままで、俺らはそれを回収した後

数時間歩いて樹海を出た。

その人が死んでたらすごく後味が悪いし、申し訳ない。

今でも時々その人のことを考えて寝れないときがある。

特にオチらしい落ちも無いので

洒落にならんほど怖いことは無いけど、

オカ板の皆さんに伝えられることがある。

樹海に入る人も、死ぬ前は生きている。

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