4半世紀以上前にNHKでやっていたドラマ「あの角の向こう」。
98 :怖いお話ネット:2024/06/16(日) 14:30 ID:9845uG6z
主演は西村晃で気の小さいサラリーマン役。その親友役にハナ肇。
主人公はこつこつ貯めた金でささやかなマイホームを夢見ており、ある日、やっと自分の家を手に入れる夢が叶う。
しかし、その話をもってきたのは悪徳不動産業者で、主人公はなけなしの資金と引き換えに、なにもない空き地を買わされてしまう。
だが彼は、夢が叶ったと喜んでいる家族にどうしても本当のことを言えない。
そうこうするうちに話はどんどん進んでいき、実際には引っ越しできないのに、周りから新築祝いとか、荷物を運ぶ段取りがセッティングされてしまい、主人公はますます本当のことが言えなくなってしまう。
そのたびごとに親友は何かと相談に乗ってやり、「本当のことを言うんだぞ」と言いつつ、半分あきれつつ一時しのぎのための方便を世話してやる。
大きな荷物だけは前もって送ったのだが、もちろん家はないので、野っ原にタンスなどが置き去りになっている。
ついに最終的な転居の日が来た。今の家からも立ち退かなくてはならない。
夜になって主人公と家族は小さなリヤカーに残りの荷物を載せ、『転居先』へととぼとぼ歩いていく。
その途中、主人公は親友の家に立ち寄り、「何とかならないか?明日こそホントのことを言うから」と頼み込むが、さすがに堪忍袋の緒も切れた親友は、冷淡に「勝手にしろ」と言い放つ。
頼みの友人からも見放された主人公は、家族とともに夜の闇の中『転居先』に向かう。
「ねえ、もうちょっとで新しいおうちに着くんだよねえ」と我が子に聞かれ、主人公は、
「そうだよ、そこの角を曲がったところだ」
「いや間違ったかな。そうだ、もう一つ向こうの角、あの角の向こう…」
と言うところでエンドロール。
大昔のドラマ(消防の時見た)なので、細かいところは漏れの頭の中のイメージです。
ただ、大筋としてはこんなとこかな。
ラストシーンは小学生の僕にとってかなりインパクトのあるシーンで、
「あの後、この一家はどうなるんだろう」と、あとで夢に見るくらいでした。
確かに人間としてはDQNだけど、周囲からの期待から真綿で首を絞められるように自滅への道を歩いていく、優柔不断でお人好しの主人公(西村晃が熱演!)に、小学生ながら共感したことを覚えてます。
あの角の向こうに何があるのか、ずっと疑問だったが、最近になってネットで調べてみたら、面白い噂を見つけた。
どうやら、そのドラマの撮影場所は実在の心霊スポットだったらしい。
地元の人々は、その場所を避けて通ることが多かったそうだ。
実際、撮影中にも不可解な出来事が多発し、スタッフが次々と体調不良を訴えたとか。
更に驚いたのは、ドラマの最終回が放送された翌日、その場所で一家心中が発見されたという新聞記事があったことだ。
その一家は、ドラマと同じように、新しい家を手に入れる夢が叶わず、絶望の末にこの世を去ったとされる。
この記事を見たとき、背筋が凍る思いがした。
現実とフィクションの境界が曖昧になる瞬間というのは、本当に恐ろしいものだ。
もしかすると、ドラマのストーリー自体が、何かもっと深い真実を反映していたのかもしれない。
「あの角の向こう」には、本当に何かが存在しているのかもしれない…