どうも、不動産屋の鈴木です。普段は都内で不動産の売買仲介の仕事をしています。
賃貸は専門外なので、僕の話はもっぱら「家を買う・売る」にまつわるものです。今回は、仕事で遭遇したちょっと気味の悪い、というか、得体の知れない話でもいくつかお披露目しようと思います。
物件1:お風呂場で自殺した家と、奇妙なルール
今から10年ほど前、現所有者の叔母さんがお風呂場で自殺されたという物件の売却依頼を受けました。現地調査と物件広告用の写真を撮るため、初めて建物の中へ入ることになります。
築20年と聞いていましたが、意外にも手入れが行き届いており、状態はなかなか良いように見えました。まずは1階で写真を撮り、水回りをチェック。それから2階へと上がりました。
階段を登り切ると、目の前には30帖ほどの大ホール。その一角に仏間スペースがある、という少し変わった間取りです。ありきたりと言われそうですが、その仏間の奥の収納スペースから、妙な「人の気配」を感じました。
一間ほどの幅で観音開きの収納スペース。どう考えてもそんなに大きな空間ではないはずなのに、その扉の先に不思議な「生活感」のようなものを感じたのです。まるで、家族が集まってテレビでも観ているような、そんな雰囲気でした。
広告用には収納スペースもしっかり写真を撮る必要がありますし、雨漏りの確認なども兼ねて、恐る恐る扉をゆっくり開けてみました。
「ぎぃーーーー……がちゃがちゃがちゃ!」
額縁に収まった大量の写真が、雪崩のように飛び出してきました。白黒からカラーまで、10や20では済まないほどの写真の数々。家長らしきお爺さん、ディズニーランドの入り口で撮った家族写真、笑顔のお婆さん、七五三……どれも丁寧に額縁に納められています。
少し気になったので、所有者の方に電話をしてみました。不動産屋は嘘をつくイメージがあるかもしれませんが、正直お客さんもまた嘘をつくのがこの業界です。そして、なんとなく「このお客さん、何か隠してるな」という勘が、その時働きました。
「お世話になっております、蝦夷不動産の鈴木です。以前お話した通り、本日物件の調査をさせていただいております。いくつか確認させていただきたいことがあるのですが、今よろしいでしょうか?」
電話口の所有者の男性は、落ち着いた様子で応じました。
「心理的瑕疵(事故物件の内容、という解釈でほぼ合っています)について伺いたいのですが、20年前に亡くなった方がいらっしゃると。それ以外で何かございませんでしょうか?例えば他にも亡くなっている方だったり、近隣にトラブルメーカーがいらっしゃったり…」
少し間を置いた後、その男性は「その内容については直接会って話がしたい」と言われました。県外にお住まいの方なのに大丈夫かな、電話で済む話じゃないのかな、と思いましたが、その日はそれで話を終え、事務所に戻りました。
後日、物件の現地で所有者と待ち合わせました。敷地内にお互いの車を停め、なぜか敷地の外へ出ることに。敷地のブロック塀に沿って歩いていると、不自然に盛り上がった茂みを見つけました。男性が草をかき分けると、中から氏神様を祀るような小さな石の祠が出てきました。
「実は、みんな死んじゃってるんです。この家で。」
男性は話し始めました。この辺りは昔から飢饉の度に大変な被害が出た地域で、この祠はそうした時に口減らしで殺された子供たちの霊を慰めるためのもの、今で言うところの集合墓地のようなものだと言います。今まで何度かこの敷地で家を建て替えているそうですが、その度に不幸があったとのこと。おそらくこれが原因ではないか、と。
「相続で巡り巡ってうちにこの家が回ってきたんですが、親戚筋もなかなか教えてくれなくて。なので確証はないんですが、多分これのせいだと思います。」
男性は話を続けます。
「それで、別にこんなオカルトっぽい話はあんまり関係ないかなと思って伏せていたんですが、この家には変なルールがあって…」
詳しい内容はかなり長くなるので要約します。そのルールは非常に簡単。毎年一枚、お盆前にその家に住む人の写真を仏間に納めなければならない、というものです。新しく撮った写真を先祖に見せて、この一年無事過ごせましたと報告する意味があるらしいのですが(昔は名前を書いた紙で報告していたが、いつからか写真に替わったらしい)、これを怠ると不幸があるのだとか。しかも、年齢が若い順にその不幸は早くやってくるようで、小さい子供の場合は一年持たないこともあると聞かされました。
「もう見ましたよね?」と、男性は仏間の写真について触れました。
「あの写真に写っている人は、もうみんな死んじゃってるんです。叔母さんが最後の一人だったようで、自殺の原因も、子供が死んでしまったからだと聞きました。」
「うちもそんな気味の悪い所、あんまり触れないようにしていたんですが、ここ最近この地区の自治会長さんから電話をもらいまして。まあ親戚筋からも話があったんですけど…」
その電話の内容も、かなり長くなるので要約します。ここ数年、この地区で変な死に方をする人が増えてきた、と。本当はもっと前からそういったことがあったのかもしれないが、最近は特に酷いらしいのです。この物件の所有者について、不幸があったり独自のルールがあるのは地区全体で暗黙の了解。住む人がいなくなったことで、この家の外にまで犠牲が出ているのではないか、と。だから、早く誰かに住んでほしい。少なくとも、その人たちが亡くなるまでは自分たちは安全だから、と。心理的瑕疵について周辺の聞き込みがあった時には、地区全体で協力して口を噤む、という話だったそうです。
「誰にも言うな」と言われたそうですが、どうにも話さずにはいられなかった、と男性は言いました。
…というわけで、特にこれといったオチがあるわけでもない話なのですが、うちの会社としてはその物件を売りに出すことにしました。10年前の自殺についてはもちろん広告でも明示していますが、それ以外の話は一切伏せています。うちの会社と付き合いのある弁護士によると、その件については説明義務がないと判断されるらしいのです。そもそも、地区全体で口を噤まれてしまったら、発覚しない話でもありますからね。
周辺相場よりもかなり安く、物件の状態も決して悪くないのですが、広告を出してから2年間、一向に売れる気配がありません。もう何度か値下げしたり、ハウスクリーニングを入れたりしているのですが、なぜか売れない。事故物件であっても、買っていく人は普通にいるのですが、この物件だけは不思議なくらい売れないのです。
「月々家賃以下のお支払いで住める豪邸、是非お買い求めください!」…その後のことについては責任取れませんけれども、というお話でした。
ちなみに東日本の物件です。この間の台風で周辺は結構な被害を受けたのですが、その物件だけは奇跡的に何ともなかったそうです。不思議な力で守られている、そんな家。多分その家も、早く誰かに入って欲しいんだろうな、なんて先輩社員と話していました。心理的瑕疵については広告で明示しなくてはいけないので、どうしても周辺相場より安く出さないといけないんですよね。ただ、下げすぎた感はあるので、その通りかもしれません。
余談ですが、転勤族のハウスメーカー営業さんから聞いた話だと、一番やばいのは四国だとか。地名を口に出せない所があるらしいです。重要事項説明でも、そこの地名だけは発音せずに契約が進行していく、のだそうです。なぜ口に出していけないのかは不明とのことでした。
物件2:玄関に「いる」家
「鈴木主任、先々月に引き渡しをした〇〇町の物件覚えてますか?さっきそこの買主さんから電話があったんです。」
まだ入社して数年しか経たない後輩から、そんな電話がかかってきました。先々月?正直、物件名を言われてもすぐにピンときません。
「すごく焦った様子で、今すぐ来て欲しいと。この後伺うんですが、なんかすごく怒っていて…話もよく分からないので、ちょっと一緒に来て欲しいんです。」
引き渡し前ならいざ知らず、引き渡し後のトラブルに同席したところで会社にお金になるわけではありません。面倒なので行きたくなかったのですが、私が事務所に戻る前に既に課長から指名されてしまったようで、仕方なく車を出すことにしました。
後輩に尋ねます。「お客さん、なんて言ってたの?」「『言ってないことがあるでしょ!』って…。」「なにそれ?」「分かりません。」「水道調べた?」「調べました。」「インスペクションは?」「売主さん負担で実施しました。」「境界確定は?」「やってます。現地で売主さんにも確認してもらいました。いつも通りです。」「心理的瑕疵は?」「ありません。売主さんからの告知書もお渡ししてます。」「暴力団とか変な人は?」「近くにはいないです。変な人も。」
…なんだ、ちゃんと仕事してるじゃないか。
なぜ揉めているのかも分からないまま、現地に到着しました。広い土地に建つ、普通の二階建て住宅。外壁塗装が完了していて、かなり新しく見えます。駐車場に黒いワゴン車が停まっていて、その前に買主さんのご夫婦が立っていました。まだ若い、ちょうど後輩と同じくらいの年齢に見えました。
「お世話になっております。遅くなって申し訳ございませんでした。」
後輩が買主さんご夫婦に頭を下げ、そのあと、なぜか玄関の方に向かってもう一度深く一礼しました。私も自己紹介をし、本題を聞きます。
「それで、今回こちらの吉田(後輩)が何か…」
私の言葉が終わる前に、相手の奥さんが語気を荒げました。
「何かも何も、こんな話聞いてませんでした!自分の家に入れないなんておかしいでしょう!」
「入れない」?どういうことだろう…。
「と言いますと…?」
奥さんが少しこちらに近寄り、声を潜めます。「玄関のとこ、いるんですよぉ…。心理的瑕疵はないって契約の時に言ったじゃないですか。いるんですよ…。」
「ほう?なに?あなた方、見える人なんですか?」
「いる、入れない、そう言われましても…」要は、幽霊がいて怖くて家に入れない、というのです。こんな真っ昼間から?聞いたことがありません。
「売主様から告知書は出ていると吉田が申しておりました。今一度、吉田から売主様に確認させますので…」
「そんなに言うなら、試しに入ってみてください!」今度は旦那さんがキレました。
どうも自分たちは外で待っているから、代わりに中に入ってみろとのことでした。いやいや、そんなことしても問題解決にはならないだろうに、と思いましたが、どうにも収まらない様子なので仕方なく鍵を預かって中を確認することにしました。
庭から玄関へ向かう途中、後輩がずっと俯いています。「買主さん達、正しいかもしれないです。売主さんの告知義務違反かもしれないです。」
ん?もしかして、こいつ、見えるのか?「今は見えないんですが、さっき本当に玄関の前に立ってました。お爺さん。人かと思ったんですけど、気づいたらいないし…。」
そんなこと言っても、相手が確認しろと言っているのだから仕方ありません。とりあえず玄関に到着しました。手を入れたのはどうも外壁だけだったようで、玄関は昔ながらの曇りガラスをはめ込んだ引き戸のままです。
(緩い社風のところは知らんけど、「営業は数字が全て!」っていう会社では、こういうこと考える余裕ないんです。みんな仲間だけど、みんな敵。いくら可愛い子でも、そういう対象として見れない…ってのは関係ないか。)
「とりあえず、今ここにはいないんだよね?」
そう聞きながら鍵を回しました。後輩は頷きます。玄関を開けると、しばらく換気されていなかったような、淀んだ空気の臭いがしました。
何にもないじゃん。
入ってみろと言われたことだし、とりあえず玄関で靴を脱いでお邪魔させてもらいました。さて、先輩である私がお邪魔したっていうのに、後輩は上がってくる気配がありません。それどころか、まだ玄関の敷居すら跨いでいない。
「んー、んー…」
俯きながら、拳を握りながら、後輩が唸っています。以前うちの会社で適応障害だかノイローゼだかを発症した子が同じような感じになったのを見たことがあって、「あ、まずいな」と思いました。
「どうした?」
「んー、んーーーー!」
「分かった、分かった、いるんだな?とりあえず買主さんから見えないように一旦こっちに来て。辛いだろうけど。」
そう言って、後輩を玄関の中に引き入れました。
「多分、話せないと思うから聞くだけでいいよ。吉田さんには見えてるんだよね?」
「んー…」
「ただね、確認とってもいないことで『幽霊いました』とか、そういうこと言えないわけ。分かるよね?」
「んー…」
「とりあえずもう帰るから。お客さんには俺から話しておくからさ。吉田さんは余計なこと言わないでね。あとなるべく普通にしてて。今何が見えてるか知らないけど、こんなの一円にもならないから。さっさと切り上げちゃうのが一番だよ。」
その言葉通り、事務所に戻ることにしました。「とりあえず、何も確認出来ませんでした。改めて売主様に確認いたします。後ほど連絡します。」そう言って、さっさと切り上げました。
帰り際、後輩がぎこちない笑顔でいると、奥さんから「やっぱりいたでしょ。髪の長い女の人。」と言われました。
あれ?お爺さんじゃないの?え、なんなの君ら…。
帰りの車の中、後輩はしばらく俯いたままでした。こんな状態で事務所に帰ったらパワハラを疑われるので、コンビニで塩と水とコーヒーを買って、そのまま海に行くことにしました。海岸の駐車場で降りて、後輩に塩をかけて、自分にも塩をかけて、お互いに塩と水を口に含んで吐き出しました。車の中にも気持ち程度に塩を撒いておきました。
事務所には「まだしばらく帰れません、場合によっては直帰します」と連絡を入れると、めちゃくちゃからかわれました。
後輩には「売主さんへ、まずは連絡するように」と言い、電話をさせました。
「売主さんからは『知らない』って言われました。少なくとも、自分達が住んでいる間、そういうことはなかったって…。」
「変だよね。あの人達が嘘ついてたってわけじゃないんでしょ?」「はい。私も確かに見ました。」
「なにが見えたの?あの人達は女の人って言ってたし、吉田さんはお爺さんを見たんだよね?」
「それが、鈴木主任が引き戸を開けた時は確かにお爺さん一人だったんです。両手を広げて通せんぼしてました。すごく怒った顔だったんです。怖かったです。」
で、それを知らずに俺は上がってしまったと…。
「はい。そのあと、家に上がったら、お爺さんが今度は急に笑顔になって…。」
「受け入れてもらえたってこと?」「いえ、なんか奥の方に手招きされてました。そうしたら色んな所から、他に3人くらい出てきて。みんなで手招きしてました。」
うわ、こわっ…。
「それと、多分みんな津波とかで亡くなった人かもしれません。濡れてました…。」
津波?確かに東日本の時は津波が来た地域でしたが、あの物件はそんなに大した被害もなかったはずです。
さて、これも特にオチのない話なのでここらで終わりにします。ただ、後日スナックの子に聞いた話なんですが、海岸沿いで暮らしている人は、お盆だったり3.11の日だったり、そういう節目の時期に「あ、海から帰ってきたんだな」って雰囲気を感じるらしいです。陸に向かって歩いてるんだと。
今回の件は、売主さんにも告知義務違反がなく、尚且つ後輩が見たという幽霊も複数だったので、おそらく陸から上がってきた時に帰る家が見つからず、たまたまいい感じの空き家を見つけて住み着いてしまったんじゃないか、というのが私の勝手な推測です。
買主さんは最初の方こそ「真実を明らかにする!」と息巻いて話を聞かなかったのですが、結局その後何も見つからず、うちの事務所にわざわざ謝りに来ました。ただ、お祓いだけはしたらしいです。その後については知りません。
物件3:元刑場跡地の歌
「買取して欲しい土地があるんですけど…」
事務所にそんな連絡がありました。地価もそれなりに高い所で、おまけに700坪。大規模分譲できるじゃないか!と大喜びし、まずは現地でアポイントを取ることにしました。
2日後にお客さんの自宅で会うため、まずは謄本、公図、測量図を法務局のデータベースで取得します。一筆の土地ではなく、複数の土地が集合しているような感じでした。公図は旧土地台帳付属地図、いわゆる字限図(あざぎりず)というやつで、まあ簡単に言うと、土地の並びや大きさが明治時代の測量を元に作成されたものだから、現況の参考にならない代物でした。未だに多いというか、意外と珍しくないんです、これ。
そんな中、その公図に浮島のような土地があることに目が留まりました。他は全部依頼者が登記名義人になっているのに、そこだけが違う。「所有者:〇〇町第10地区会」。ほえー、なんじゃこりゃ。地目「墓地」。へ?面積「6平米」。ちっちゃ。甲区には受付年月日が昭和半ばになっています。
国土地理院の上空写真データを閲覧しましたが、おおよそ墓地だの記念碑だのの類は見つかりません。その墓地の登記名義人の住所を調べてみると、どうも地区の集会所になっているようでした。こればかりは人に聞かないと分かりません。とりあえず、そこで事務的な調査は終了。
2日後、依頼者に会いに行きました。「どうもー。はじめましてー。蝦夷不動産の鈴木と申します。この度は弊社にお問い合わせくださいまして、ありがとうございました。」現所有者は相続したばかりの60代くらいの女性です。ちょうど売地のすぐ近くに家があって、高齢のお父さんとつい最近まで一緒に住んでいたらしいです。
「あら、鈴木さん、お若いのに主任さんなのね。宅建も持ってらっしゃるようで。」「そんなそんな、若いだなんて…。ちなみに何歳に見えます?」なんて雑談をしばらくしながら、早速本題へ。
「今回売却をご希望されている土地、分かりづらいかもしれませんが、こちらの公図でご確認いただけますでしょうか?」と言いながら、公図と住宅地図を確認してもらいます。「はい、これで間違いないですよ。」「ありがとうございます。それで、少し気になったことがあるので、実際現地に立ち入らせていただくことは可能ですか?」
所有者は快く承諾。それどころか「一緒に見たい」とまで言ってきました。どうも気に入っていただけたようです。現地まではすぐなので、2人で歩くことにしました。
道中、所有者なりのセールストークが始まります。「ここら辺は静かだけど、頭のいい人が集まる学区だから人気はあるのよ。」「元々お城が建っていた高台だったの。」「そういうわけで住んでいる人も、特に昔から住んでいる人は武家特有の気品があるのよ。」うんうん、そうですよねー、と相槌を打っている間に現地到着。
そこだけが全くの手付かずで、一部が砂利、一部が草地と、人気のある住宅地としては珍しい場所でした。700坪のうち100坪が砂利道で、当然その砂利道も今回の依頼人が所有しています。道を進んだ先に、600坪の大きな広場があるといった形になっていました。現地には境界標も杭もありません。
拉致が開かないので早速聞いてみることに。「この広場のどこかに墓地か石碑があったはずなんですが、ご存知ですか?」
所有者曰く、父親から話を聞いたことはあるが、詳しいことは分からないらしいです。自分が生まれた頃には既にそうした物は無かったとのこと。ただし、その土地の自治会長さんが詳しいそうで、後で話をしておいてくれるとのことでした。とりあえず、その日はそれで終了。
後日、自治会長さんのご自宅に伺って話を聞くことになりました。自治会長さんとお会いする予定だったのですが、当日はなぜか付近のお寺の住職さんも同席されていました。簡単に挨拶を済ませて話を聞きます。
「今回は本当にありがとうございます。それで早速なんですが、この墓地の件で詳しくお話を伺いたいと思いまして。」
悲しいことに、こういう調査で協力的な人は珍しいものです。まあ、お金にならないし、不動産屋なんて積極的に会いたい人種じゃないですからね。ただ、今回は自治会長さんも住職さんも快くお話してくださいました。
お二人曰く、こういうことらしいです。
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登記名義人は確かに自治会ということになっているが、実質的な管理はお寺に任せてある。
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自治会から土地の処分や活用に関してはお寺に任せるという覚書もある。
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どうせそんなに大きい土地でもないから、お金については期待していない。
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今回の売買には協力する。
とのことでした。お二人とも人と話すのが好きなようで、その後しばらく雑談が続きました。「結婚してる?」「いえ、まだです」とかそんな話。
仕事柄というか、その土地の曰くなどを聞きたがる性分が出てしまいます。「話が戻ってしまうんですが、このお土地って元々何があったんですか?墓地か記念碑か、ちょっと気になりまして。」
そう聞くと、自治会長さんから驚くべき話が飛び出しました。「あの辺り一帯、実は刑場だったんだよ。明治の始めか江戸の終わりか、その辺りまで斬首刑で使われていた土地だったんだ。小さい土地だろ?供養塔があったらしいけど、今はこっちのお寺さんに管理してもらってるんだわ。」
ほえー、なにそれ。
住職さんが補足してくださいました。「うちでもざっくりとした資料しかないんですが、自治会長さんが言ってた通りで間違いありません。今はこちらの敷地に、供養塔ごとお引越しをしてもらいました。先代の頃にそうした話になったようです。」
その後、司法書士さん、土地家屋調査士さん、そしてうちの悪徳弁護士に相談し、うちで買い取ったあとに建売と土地売りをやることになりました。モデルハウスとしてうちの建売を2棟ほど建てて、他は建築条件付きで売り出すという戦略です。
一年くらい時間はかかりましたが、無事買取は成立。早速建売の建築が始まりました。建売が完成する前に、結構な問い合わせが来るようになります。当たり前です。元々人気のエリアですし、周辺相場よりは多少安く出しましたから。物件はすぐに売れていきました。あっという間に入居者で埋まっていき、そこはすぐに完売。
曰く付きの物件ですが、特段なんのトラブルもなく、私はちょうど引越しの挨拶回りをしていました。入居してからしばらく経って「その後どうですかー?」という感じで声をかけて回っていたのです。どのご家庭も皆さん幸せそうでしたが、共通して「気になることがあるんですけど…」と話し始めました。
曰く、夜になると男の人が大声で歌っている時がある、とのこと。「まあ、中にはそういう人もいるのかなーって思ったんだけど、仕方ないのかなーって。すごく短い歌だし、あんまり気にしないようにしてます。」
不思議なことに、どのご家庭もこれを言うのです。ってことは、この分譲地の一体誰が歌っているのだろう。もしかしてだけど、首を斬られた人の中に、歌が大好きだった人もいた…そういうことなんだろうか。
いつも通りオチはないんだけど、この話はこれでお終いです。
物件4:家族全員、奇妙な「変化」
件の後輩社員が絡んだ話です。ちょっと汚い表現があるので、ご飯を食べている人はご注意ください。
外回りの最中、女性の後輩社員から電話がかかってきました。「鈴木主任、今どこですか?」「今〇〇町だよー、コンビニで一服してるよー。」「これから〇〇町で売却相談があるんですが、ちょっと同席してくれませんか?」「この後フリーだから別にいいよー、でも顧客データの入力あとで手伝ってねー。」
とりあえず事務所に戻って後輩を拾い、現地へ向かいます。ちなみにその子は普段社有車で営業していて通勤は徒歩。私は自家用車持ち込みで営業しています。こういう時は面倒なのでいつも私の車で移動するんです。
車中で話を聞きます。同席ってことは何かトラブルだろうし。今回はなに?「一昨年、土地を買ってくれた方が家を建てて、それを売りたいって言ってます。」「ほう、それで?」「こっちに落ち度はなかったんですけど、『おたくから買ったんだから、おたくが売る義務がある』とかで、なんか大分まくし立てられました。」
そんなもん、適当に預かって売れなきゃごめんなさいすればいいのにー、とか思いつつ現地に到着。現地は閑静な住宅地。古いお家と建売住宅が混在していて、多少道が狭い昔ながらの住宅地って感じです。
お庭に車を停めて、まず目に入ってきたのは真っ赤な鳥居でした。道路を挟んで向かい側に真っ赤な鳥居があって、石の階段がずっと続いています。本殿は見えないくらい長い階段。南向きの物件なのに、神社のある山で影が出来ていて暗い雰囲気です。なんか嫌な所だなー、と思いながら早速呼び鈴を押して中に入れてもらいました。
玄関で応対してくれたのはその家の奥さん。やたらと声が大きい人で、しかも早口。リビングに入って座るまでずっと何かを話しているのですが、不思議と頭に入ってきません。某大手ハウスメーカーで建てた家で、なかなかいい造りでした。ただ気になるのは、やたらと状態がよろしくないこと。壁紙が所々、何か糊付けしたものを剥がした時のような跡があって汚く見えます。リビングも醤油か何かをこぼしたような跡があって、しかもベタついていました。リビングに続く和室は更に酷いもので、畳に大きなシミがある。犬でも飼っているのか、畳がほつれているような部分もありました。ちょうど爪でひっかいたようなそんな感じです。
(家主が隣の家に住んでいるババアみたいだな、と思った。大声でなんか宅配業者とトラブル起こしてたり、おかしいんだよな…。ババアの80代の母親が死んでから、本性というか姿を現すようになったとか…ってこれは別の話か。)
後輩と奥さんがお話。売買した時を振り返っているようでした。「まくし立てられた」とか言ってたのに、全然そんな雰囲気じゃありません。一応2人の話を要約するとこんな感じ。
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希望の学区でようやく土地が見つかった、蝦夷不動産には感謝している。
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しかし、学校に通ううちに小学生の娘さんが酷いいじめに遭っているらしい。
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それで今回この家を売って、別の土地で新生活を送りたい。
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売買した当時は前所有者の家が建っていて、それを解体して建てたものであるとのこと(築年数が大分経過していたが、中古住宅として売りに出ていたものを解体した)。
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今回売りに出そうと思ったが、なかなか予定が出来ず、吉田(後輩社員)に急遽来て欲しいと思って連絡した。
2人が話しているうちに、少しずつ気になったのがまず奥さんがうるさいということ。早口で声も大きいのは先程書いた通りなんですが、変な話し方をするのでそれが余計に耳障りでした。その話し方なのですが、最初の発音がやたらと高い音で、例えるならドップラー効果。パトカーとか救急車がサイレン鳴らすじゃないですか。んで、遠ざかると音が低くなっていく。あれです。「↑そうそうそう!!あの時は本当に寒い時期でね!!↓」みたいな感じ。
で、次に気になったのが獣臭。畳のシミとか傷とかで、なんとなく犬でも飼ってるのかなって思ったけど、そういった様子もありません。ペット用品とかその類も全然見当たりませんでした。なのに、段々とその獣臭が強くなってくるのです。
そして更に気になったのが、後輩のことでした。奥さんの話し方が伝染してきてる。大きな声、早口、最初に高い音で最後に低い音…。モノマネして怒らせようとしてんのか?と思って、多少ヒヤヒヤしました。
そうこうしているうちに、娘さんが学校から帰ってきました。奥さんが「今日はどうだった?」と聞くと、これもまた例の話し方。「↑またね、バカ清助に机蹴られたの!!引っ掻いたら先生に怒られた!!私悪くないのに!!お母さん、今度先生のこと叱って!!↓」とかこんな感じ。
「大変ですね…」と声を掛けると、更にヒートアップ。結局、本題に入るまでに一時間以上も学校の話を聞かされました。こういうのって難しくて、相手がマシンガントークだと、なかなかこっちの話を切り出すタイミングが掴めないんですよね。
ようやくこっちのペースで話ができると思って、売却について話を始めます。今回ほぼフルローンで頭金がほとんど入っておらず、諸費用も含めた借入になっているため、売却しても利益は出ない旨。それどころか、周辺相場から考えて数百万円手元の資金を拠出しないと抵当権を消せない旨(要は売れない)。仲介手数料など、売却時に諸々の費用がかかってくる旨。
依頼人からすると結構ショッキングな内容のはずなのに、本人はどうも上の空みたいな様子。こりゃ困ったなと思いました。おまけに、娘さんは和室でずっと走り回っている。六畳の和室をぐるぐるぐるぐる…。いじめによるストレスなのか、落ち着きがない。
そのうち、奥さんから「ご飯を食べていってください」と提案されます。「え?まだ4時なんですけど?」流石にそういうわけにもいかないし(何より汚いお家でご飯とか食べたくないし)、そろそろ帰らせてもらおうかな、と話を切り上げるのですが、奥さんはそれを無視するようにテーブルにご飯を並べます。びっくりするのが、食卓に並んだものが全部茶色。要は肉料理ばっかりです。角煮。牛の切り落とし肉をただ焼いただけのもの。フライドチキン。そして、皿の端に食べ終わった後の骨が置いてある。これは汚い…。
更に困ったことに、後輩はノリノリでご飯を食べようとしている。「↑うわー、美味しそうですね!!↓」いやいや、営業だとしてもそれはやめて。本当に食べたい?骨がそのままなんだよ?俺は帰りたいの。
奥さんが食事の準備をしていると、今度は娘さんが癇癪を起こし出します。畳の上で地団駄を踏んで「ぎぃーーーー」と叫んでる。で、間もなく娘さん、失禁。スカートから畳に、びちゃびちゃびちゃ…。完全に地獄絵図です。
そこで私は意を決して、「いやあ、長居してしまって申し訳ございません。この後私も吉田もスケジュールがあるので失礼します。後日、査定書を郵送させていただきますのでご確認ください。」と言って、逃げるように退散しました。奥さんはハッと我に返ったのか、それ以上引き留めるようなことはしませんでした。後輩は後輩で「え?食べて行かないんですか?」と…。いや、お前、いい加減にしろよ。
(娘さんは、三年生とか四年生になってたんじゃないかな。言動はアレだったけど、身長はそれなりに高かったと思う。失禁した時はマジでびっくりした。)
事務所に戻る途中、後輩はテンションが高いままでした。「↑最初は怒られたかと思ったんですけど、いい人でしたね!!↓」「↑今回の案件、多分私一人で出来そうです!!迷惑かけてすいません!!↓」「↑ご飯美味しそうでしたね!!↓」
こいつ、こんな性格だったっけ?まあいいや。とりあえず今日中に査定書作って明日郵送しておきなよ、と言ってその日は終了。気にしすぎかもしれないけど、車の中にまであの獣臭が残っていました。
ちなみにその後の後輩社員、仕事とは関係なしに自殺の第一発見者になったりしてて、「歩く事故物件」なんて言われてます。他で言われてるのとはちょっと意味合いが違うけど…。
で、面談した日から数日後、件のお家からまた電話がかかってきたらしいです。今度は旦那さんで、しかもガチギレしていると。男性客がブチ切れている現場には、女性社員一人で行かせないっていう部署での暗黙のルールがあって、やっぱりその日も私が同席することに。
簡潔に内容を聞くと、どうも旦那さんは売りに出すつもりはないらしい。それならそれで構わないんだけど、どうも「謝罪しに来い」とのことでした。後輩社員と現地に向かいます。道中、「こっちは何にも悪いことしてないんだから、変に謝ったりしないように」と釘を刺しておきました。トラブルって一方的に謝ればいいってもんでもなくて、変に「責任を感じてる」とか言っちゃうと、それに付け込まれて「じゃあ責任取れ、誠意を見せろ」って話になりやすいんですよね。
現地に到着。旦那さんが出迎えてくれました。「↑いやあ、忙しい中すいませんね!!こっちもなかなか休みが取れないもんですから!!↓」あれ?怒ってない。いや、それよりやっぱりあの話し方だ…。
前回同様、リビングで話をします。その日は土曜ってことで、奥さん、娘さんもいます。またマシンガントークされてはかなわないので、こちらから切り出しました。「この度、弊社に対してご自宅の売却は考えていないということでお叱りの電話をいただきました。その件に関してですが、こちらの吉田はあくまで不動産の査定書をお送りしただけ。まだ売却活動は行なっておりません。」
旦那さん、自分が怒っていた話なのに上の空です。似た者夫婦か?
「また、こちらのご自宅ですが、所有者は旦那様ということになっております。所有者本人の了解が得られない限り、そもそも不動産売買は行えません。今後ご自宅を勝手に売られてしまったりだとか、そういうことはございませんのでご安心ください。」
上の空の旦那さんを、突然奥さんがぶっ叩きました。野球のピッチャーがボール投げるじゃないですか。あの手の振り方で思いっきり頭をばちーん!びっくりしました。
「↑娘ちゃんが苦しんでて、あんたはそれでいいの!?↓」
「↑そんなこと言ったって、俺はこの家が気に入ってるんだよ!!↓」
夫婦の言い争いが続く中、娘さんは我関せずといった具合で、畳の上をバタバタバタバタ走っています。そのうち落ち着いて、奥さんがまた「ご飯をご馳走しよう」としてきましたが、今回もさっさと切り抜け。とりあえず「また何かあれば連絡下さい」と言ってその場を後にしました。
帰りの車中、後輩のテンションはまた高かったです。「↑やっぱり、依頼人を幸せにしてこそ不動産営業ですよね!!私、あの家絶対売ります!!↓」いや、話し方聞いてた?旦那さんの了解が無かったら売れないんだよ?「↑そんなこと言っても娘ちゃんがいじめられっぱなしじゃ可哀想ですよ!!奥さんの意見が正しいです!!↓」正しいとか正しくないとかじゃなくて、売れないものは売れないの。「↑娘ちゃん、ワンちゃんと楽しそうに遊んでましたね!!ああいう子供の姿って癒されます!!↓」
いやさ、だから話聞いてる?っていうか、ワンちゃんって?やっぱりあの家、犬飼ってんの?
「↑え?お家の中で遊んでたじゃないですか!?ずっと元気に追いかけっこしてましたよ!?」
は?家の中?ずっと?そんなもの、居なかったけど。
そこで後輩が、ぎぃーーーーっと唸り始めました。地団駄を踏んで、シートベルトがギチギチ鳴るくらい身体を揺らします。で、失禁。
色々パニクりましたが、とりあえず近くのコンビニに車を停めました。冷静になったのか、「すいません、すいません」と助手席で泣いていました。「ここで待ってて」と指示して、店内で何枚かタオルを買います。車内に戻ってそれを手渡し、「あと食器用洗剤と水の入ったバケツ持ってきて」と言いました。とりあえず、応急措置でシート洗わないと。
アパートの駐車場で車を洗うこと一時間。携帯に後輩からの着信。「落ち着いたんで上がっていってください」とのこと。車内での様子が大分異常だったので、とりあえず話を聞くことにしました。
「うん。それで、さっきはどうしたの?体調悪かった?」「いえ、自分でもよく分かりません。カッとなっちゃって、そしたらああなってました。」「あそこの家に行ってからだよね。変になったの。」「多分。っていうか、やっぱり変でした?」「うん、普通に最初から。人格変わったのかと思ったもん。やっぱアレかな。その犬がどうって話に関係してんのかな?」「そうだと思います。っていうか、鈴木主任は本当に見てないんですね?」「うん、全然。」
「とりあえずさ、今日は仕事上がりね。会社には俺から言っておくから。あと管理部の田村さん。知り合いの地主さんが神主やってるんだって。連絡先教えてもらいな。うちも地鎮祭とかでお世話になってる人だから。」
と、その日はそれで終わり。後日、後輩はいつもの感じに戻っていて、「なんかいつも迷惑掛けてるお詫びに飲みに行きましょう」とのこと。その後の経過が聞きたかったし、承諾しました。
(家賃保証の話は業界の人間が聞いても感心するレベルで闇が深い…っていうか、○東とか○建とか、営業マンが魑魅魍魎みたいなやつ多いですよね。)
後輩による後日談。紹介してもらった神主さんの話だと、ちょうどあの物件の目前にあるのが稲荷神社。よう分からんけど、そこの狐様がその家に憑いているんじゃないか、と。で、神主さんも見えるわけじゃないから断言は出来ないけど、後輩はその家の空気に当てられただけだろう、とのことでした。折角家に憑いているのに、わざわざその日来たばかりの他人に心移りしないだろうし、何より子供と遊んでたってことは、その子供に憑いているんだろう、子供が好きなんだろう、と。効果があるかは分からないけど、とりあえず形式的なものはやっておく。別に憑かれているというわけでもなさそうだし、その家族と距離を置けば問題ないんじゃないか、という話だったらしいです。
ほえー、と思いながらお酒を飲みました。「もうあの家族とは絶対に会いません。無理です。」とのことでした。
これもオチがないけど、そういう話。とりあえず私の話はもう終わりです。そんなにネタがあるわけじゃないから、こんなもんです。
【追記】稲荷神社について少し
関東の稲荷神社ってのは、複数種に分けることができると思います。
第一に、京都伏見稲荷の分社。
第二に、豊受姫などの豊作の神様。
第三に、女化(おなばけ)神社の分社(女化稲荷)。
第四に、都内(江戸)に多かった水商売の神様としての稲荷。
そもそも何故キツネが神様なのか?これは私の独自の見解なのですが、世界中、キリスト教やら大手宗教が普及する前の古代社会において、動物を神様と崇めるのはポピュラーなことでした。エジプトではネコ、ハヤブサ、ヘビなど。ネコ信仰はエジプトぐらいですが、ハヤブサやワシ・フクロウなどの猛禽類を神と崇める地域は多い。ヘビに至っては世界中で信仰されていました。
そして日本の狐信仰、これらには共通点がある。それは『ネズミの天敵』だということ。古代社会において、食料不足に備えるために食料を貯蔵する文化が誕生すると、人間にとって最も恐ろしい獣は熊でも狼でもなく、『ネズミ』となったわけです。そのネズミを取る動物は、世界各地で神と崇められるようになっていった。これが日本の稲荷信仰の始まりなんじゃないかな?と私は思っています。だから、上記の第二に挙げた『豊受姫などの豊作神』が稲荷神社の主神となっているんじゃないかと。
伏見稲荷のお稲荷さまも安倍晴明伝説では女性(キツネだからメスと言うべきか)ですよね。女化稲荷もその名の通り女性、まあ女化伝説自体が安倍晴明誕生秘話の関東版みたいなものですから当然です。豊受姫も女性。江戸で稲荷を信仰した水商売の人々も女性。つまり、お稲荷さま、稲荷神社は女性の神様というのが共通点なんですよね。
今回のキツネ憑きも、旦那さんを除けば憑かれた、操られたのは全員女性(奥さん、娘さん、後輩)。奥さんは娘の為に出て行こうとしているのに、旦那さんが「俺はここを気に入ってる」と言っているのも意味深です。安倍晴明伝説も女化も「狐の嫁入り」の話ですからね。旦那さんは魅入られちゃったのかもしれません。
その稲荷神社が、私がいった4タイプ(江戸の水商売稲荷は関係無いと思うから、事実上3タイプ)のどれに該当するのかも気になるところです。
[出典:1 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/04/01(水) 09:35:31.816 ID:JiiUWUQe0USO]