短編 集落・田舎の怖い話

右殿様(うどのさま)【ゆっくり朗読】4100

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俺の地元には秘密の儀式がある。

2006/10/19(木) 18:41:33 ID:7bE8wLFH0

他の土地の人には秘密なので詳しい話は書けないが、

十二歳になると必ず受ける儀式があって、俺も他の子と一緒に受けた。

今は誰も住んでいない地主の古い屋敷が儀式の場所になっていて、

その屋敷の奥にある四畳半くらいの部屋に、五人が詰め込まれる。

外から南京鍵で閉められて、完全な密室状態にされた。

儀式は夜中の時くらいから夜明けまで行われて、その間部屋で過ごすというもの。

で、一つだけルールがあって、絶対に右を向いたらダメだという。

右っていうのは、その人から見た右側。

詳しい話はできないが、もう二度とあの部屋には入りたくない。

たまに里帰りするけど、まだ屋敷を見るだけで背筋が凍る。

俺達はこの儀式を、「右殿様(うどのさま)」って呼んでる。

(了)

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