怖い話系の漫画に投稿して、昔かるく漫画にもなったものです。
そもそも私が見えるようになったきっかけと思われることが、六歳の時に高熱を出して倒れたんですよ。
母方の祖父が危篤になり、私は最初はなんてことない風邪だったとの話ですが、具合が悪いからと家で留守番。
なにかあったら隣の方によろしくお願いしてあるからと、両親と兄達は田舎の病院へ。
その時期、近所に住む父方の親戚からマルチーズ犬を預かってました。
別件で一週間不在だから預かってくれと頼んできた。
名前はコロ。
親戚の家は近所でよく遊びに行っていたので、コロも私に懐いていました。
で、風邪を引いて三日目。
食事とかは作りおきしてあったのですが、初日から食欲が無い、吐いてしまうなどで、ほとんど摂取出来てませんでした。
電話なんか当時は使い方の判らない子供だったし、まして携帯など無い時代、電話がかかってきた時も、心配かけまいと平気と言ってしまった。
隣の方を訪ねたら、ちょうど不在でした。
それで、具合も悪いからと眠りについたんですが、気がついたら寝巻きで草原に立ってました。
夢かな?と、草原を私は目的地も方向も定めず歩いていたのですが、しばらくしたらコロの吠える声がし、コロが駆け寄ってきました。
普段は私に吠えないし、しかも寝巻きを噛んで引っ張ってきました。
仕方ないなぁ、そっち行きたいのか?とコロの引っ張る方へ歩いていくと、気がついたら近くの病院のベットでした。
後から聞くと、コロが余りにも騒いでるので、隣の家の方が入ってきてくれた。
すると私がいくら問いかけても反応ないほど衰弱していて、熱も四〇度だった。
いそいで病院に連れていってくれて、両親にも連絡を取ってくれました。
結局私は、数日入院して退院しました。
ちなみに祖父は、その時は持ち直したのですが、半年ぐらいして亡くなりました。
それから暫くして、コロがまだ老犬でもないし事故でも病気でもないのに急死しました。
小さいながら私は、コロに命を貰ったのだな思いました。
時は流れ、十八歳の時。
起きたら幽体離脱してました。
そして目の前には、自称死神がいました。
感じとしては、ベタなデザインの死神の顔がちゃんと人なだけです。
その自称死神が、
「お前は本来、もっと前に亡くなってる。調べによると犬が身代わりで亡くなってるが、犬の寿命考えればそろそろ期限切れだ」
と迫ってきたんですよ。
冗談じゃないと抵抗して、自称死神を殴り飛ばしたんですよね……
そしたら自称死神は、
「普通、死の宣告されて、死神殴り飛ばすほど胆座った奴は居ないぞ。今回、というか俺は見逃してやる。せいぜい、他の死神に殺されたり、悪い霊に殺されるんじゃないぞ」
と死神は消えて、私は自分の体に重なってみたら元に戻りました。
……とまぁ、自称死神なのか悪霊なのかを殴り飛ばした、そんなまさかな霊体験でした。
2012/03/29(木) 00:34:52.79 ID:j67uNub30
(了)