ホラー映画

トラウマ映画館 『去年の夏(1969)』 町山智浩 ネタバレ注意

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残酷な夏、生贄のかもめ~『去年の夏』Last Summer フランク・ペリー監督
1960年代終わりの夏、ニューヨーク郊外の避暑地の海岸で二人の少年がひとりの少女に出会う。
長い髪を潮風になびかせた、その少女(バーバラ・ハーシー)は、釣り針を飲んで死にかけたかもめを救おうとしていた。
それが残酷な夏の始まりだった……

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ストーリー

アメリカ本土から離れた避暑地の島で、解放的な夏休みをすごしていた、高校生のピーター(リチャード・トーマス)とダン(ブルース・デイヴィソン)は、ある晴れた日に砂浜で、傷ついたカモメの介抱をしている少女サンディ(バーバラ・ハーシー)と友達になった。

彼女は、離婚した母親がコーデル(ピーター・タージャン)と親しくしているのを、批判の眼で見ていた。彼は母親の留守に彼女に悪戯をしたことがあった。仲間になったピーターとダンとサンディは、ビールを飲みながら、このような秘密を打ち明けるのだった。

そして、サンディは大胆な行動をとり、ピーター達を刺激した。そんなある日、3人は1人の少女と知り合った。
少女の名はローダ(キャシー・バーンズ)といい、彼らとは異質の、道徳的少女であった。

その夜、3人は映画を見に行った帰りに、与太者にからまれたが、これも彼らにとってはたまらない冒険のひとつであった。
翌日、3人が先日のカモメを飛ばしている時、指を噛みつかれたサンディは、そのカモメを殺して、ピーターとダンに嘘をついたため、3人は仲たがいしそうになったが、彼女が懸命にわびたので、その場は無事におさまった。一方、ローダは、あの日から3人の仲間入りをしたものの、最初のうちはなかなか打ち解けなかったが、いつしか、彼らのペースにはまっていった。

そして、サンディが出したボーイフレンド申込書の相手のスペイン人アニバル(エルネスト・ゴンザレス)とのデートを、ローダが代わりにつとめさせられてしまった。しぶしぶ代役を務めた彼女に、いつしか心魅かれていたピーターは、その翌日、やさしくなぐさめの言葉をかけた。
ローダも、ピーターを友達として頼りに感じていた。

だが、勝気なサンディには、このことが我慢がならなかった。
そして、ある日皆を森のピクニックに誘い、挑発的な態度をとり、ローダにもそれを強いた。頑として拒むローダだったが、いまや欲望のとりこになった3人に襲われ、失神して気づいた時には、裸のまま仰向けになっていた。

さっさと帰って行くサンディとダン。ピーターも去りかけたが、途中で足をとめ、悲しげなまなざしを、夕映えの空へ向けた。
しかしローダは赤い夕陽が影をうつす中で、仰向けのまま動こうともしなかった。夏ももう終わりをむかえていた。

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