短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

文字の浮き出る石【ゆっくり朗読】

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石じじいの話です。

124 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/11/19(木) 14:45:53.51 ID:k53VsGPL0.net

じじいの経験した気色悪い石のなかには、「文字の浮き出る石」があったとか。
正確には、「石の表面に文字が彫りつけられている石」です。
しかも、彫り込まれている文章の内容が、次々に変化するという。
石に古代の文字が彫られているのは、「ペトログラフ」とか言われたりします。
(もっとも、その用語は不正確で、正しい学術用語では、ペトログリフだそうですが)

じじいの知り合い(深いつきあいは無い)が、青い「石板」を所有していたそうです。
でどころは言わなかったそうですが、どこかの寺社から不当に得た物ではないか?ということでした。
その石板には、奇妙なことに文章が浮き出るのだそうです。
しかも、それは時がたつと(ある条件になると)違った内容になっているとのこと。
その石は非常に硬く、人が彫って文章を書き換えることは不可能で、同じような板状の石を見つけてくることも難しい。
その文章は、石からの持ち主への指示だったそうです。
最初は『神社に●●を供えよ』『庭のどこどこに何々の樹を植えよ』とかで、
つぎには『△の部屋に置いてある家具は方向が悪いから移動させよ』など。
持ち主も最初はおもしろがって(そして敬って)その指示に従っていたのだが、それもできなくなってきます。
なぜなら、石から(?)の要求がだんだんエスカレートしてきたからです。
『オマエの妻を離縁せよ』『5万円を海に捨てよ』とか言い始めたそうです。

これには従えないので、妻を離縁したように見せかけて、本家から出しておいたりしました。
すると、こんどは『オマエの孫を殺せ』。

無視していると、何度も石の表面に同じような文句がまた浮き出るのだそうです。
それでも無視していると、いつのまにか石が高温を発して、その石を納めてある木箱を焦がし始めました。
お祓いしてもらってもダメ。寺に納めても、おなじように高温を発するため危険だとして、突き返されてくる。
むやみに捨てると、なにか良くないことが起きるかもしれないと持ち主は考えたのです。
(すでに、悪いことは起きているのですが……)
それを処分する、という依頼がじじいにきました。
最初断りましたが、「払い」が良かったので引き受けたとのこと。

捨てるのでなければ、破壊するのが良いだろうと考えました。

(もっとだめではないか?とも思われますが)
まず、その石版に、寺からもらってきたお札を貼りまくりました。
その上から、焼き物に使う粘土を塗り固めます。
それを、焼き物の窯で焼きました。日用品を焼いている平凡な窯で。
これで、「のろいの石板」入りの陶板のできあがりです。
これを山の中のため池の堤で、石炭に混ぜてさらに焼いて、
熱々になったところで、金網にいれて、それをブンっと池に投げ入れたとのこと。
池にドボンと落ちた瞬間、その陶板は急冷され、ドッカーンと爆発して粉々になったと言うことです。
なかなか手の込んだ破壊方法ですが、どうしてそんな方法を?と尋ねると、
ある人から教えてももろうたんや、ということでした。
それいご、その家の怪異は絶えました。
ナウシカの墓所のような石ですね。

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