短編 怪談

こっくりさん#590-0120

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高校の時に体験した話。

739 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/12/14(水) 09:13:26.02 ID:cjGb9KJwi

なるべく短くまとめてみようと思う。

高校の頃、俺は部活に入ってなかった。

でも当時仲良かったヤツがテニス部だったもんで、

宿題を家でやるのが嫌な俺はよくそいつを待ちながら教室で宿題を終わらせてる事が多かった。

十七時くらいで真っ暗だったから、確かもう十一月か十二月くらいだったと思うんだけど、

その日もそいつを待つ為に教室で一人で宿題してたんだわ。

俺の席ってのは結構ドア側で、窓の方がよく見える席だった。

校庭での喧噪を遠く感じながら俺は宿題を始めた。

確か数学の宿題だったな。

半分くらいまで終わって一息ついた。

そしたらその時、隣のクラスの女子と男子×二がこっちの教室に入って来て、俺に話しかけてきた。

「なあなあ、これからこっくりさんやるんだけどK(俺ね)もやんない?」

俺、怖い話は好きだけど、実際やるのはやっぱり怖いんだよ。だからこの時も丁重にお断りした。

そしたらそいつ、「じゃあこの教室でやっていい?お前見ててよ!」とか言って来た。なんでだよ!と思いながらも、

断った手前、むげに断るのも悪いかなとちょっと思ったので「好きにやれば?」と流しておいた。

横でそいつら三人がこっくりさん始めたんだけど、俺は十八時くらいまでには宿題を終わらせたかったから、しばらく集中してた。

横でなんかワーキャーやってたみたいだけど、そんなわけでほとんど聴いてなかった。

そんで、よし、あと一ページ!ってところで、急に線香のにおいがして来た。

ん!?学校で線香っておかしいよな…と思い、その三人の様子を見ようとそっちを向いたんだけど、俺は一言も発せなかった。

言葉を発せなかったのは、窓の外に女がいたからだ。

確かに左隅の方に立ってるんだ。

黒髪で、肩くらいまでの長さ。

手とか首とかダラリとなってた。

教室の光を浴びてるから見えるはずなんだけど、顔だけがなぜか見えなかった。

うちの制服を着てるのが分かった。

驚いた。

っていうか何に一番驚いたって、ここ三階なんだよ。

「な・・お、おい!」とその三人組の方を見ると、全員下を向いたまま十円玉に人差し指を当てて、

ずっと三人ともブツブツ言ってるんだ。

よくよく聴いたら

「こっくりさん、こっくりさん、お帰り下さい」

「こっくりさん、こっくりさん、お帰り下さい」

ってずっと繰り返してる。

多分彼らも窓の外の存在に気付いてたから下を向いてたんだ。

正直これはマズい。

マズいんだけど、どうしたらいいか分からないんだよね。

急にそんな状況に陥ると。

十秒くらい固まったあと、逃げなきゃ!って思ったのと同時に先生呼ぼう!と思い、立ち上がりドアに走り、

開けようと手をかけた。

開かない。

力を込めた。

開かない。

もっと!と思い踏ん張ったとき、ドアに付いてる小さい窓から廊下が見えた。

そこにさっきの女が立ってる。

さっきは遠くて見えなかったけど、今回は近い。

血が見える。

女と目が合った。

目のあたりがボッコリ穴みたいになってて真っ黒なまん丸だった。

あまりの事に「うわーーーーーーー!」と叫んでしまった。

その途端何かの糸が切れたのか、気付いたら女もいなくて、ドアも普通に開いた。

走って職員室に行き、先生を呼んで戻ってきたらそいつらは三人でうつむいて泣いてた。

その日は泣いてるだけで何も話を訊けなかったんだけど、次の日落ち着いた男一人に何があったのか訊いてみた。

俺は知らなかったんだけど、うちの学校、俺の世代が入る前に飛び降り自殺があったらしい。

いじめを苦にしての飛び降りだったようだ。

彼らがこっくりさんをしている間、最初は信じてなかったらしいんだけど、十円玉が勝手に動き始めたらしい。

色々質問してるうちに、どうやら学生っぽいなって感じがして来たらしいんだ。

そんでその中の一人がその自殺した生徒の話を思い出して、

「こっくりさんこっくりさん、あなたは四年前に自殺した○○さんですか?」

と少し悪ふざけ気味に言ったらしいんだ。

そしたらずるずる十円玉が動いて、示した答えが

「はい」

そんで線香のにおいが ぶわっとして…っていう流れらしい。

こっくりさんが降霊術ってのはわかってたけど、実際あんなことが起こるんだな。

もう思い出したくない怖い体験だった。

みんなも気を付けてくれ。

長くなってすまん。

読んでくれてありがとう。

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