私が以前勤めていた学童での出来事です。
49 :本当にあった怖い名無し:2022/01/10(月) 16:04:41.39 ID:77SyPtNh0.net
もう10年以上前の話になります。
時間が経って記憶があやふやになりつつありますが吐き出したくなったのでお付き合い下さい。
ちなみに学童とは両親が共働き等により放課後鍵っ子になってしまう小学生を預かる施設です。
職員=支援員で、周りからは先生と呼ばれます。
私が支援員になってから初めての勤務先のX学童での出来事です。
その学童は本館のA館と小規模のB館が隣合って建っていました。
この時は、A館とB館はそれぞれ別の施設のように別れて活動していました。
1年目はB館勤務で何事も無く過ぎ、2年目からA館、B館の区分を無くして子供達を受け入れるようになり支援員も異動等で何人か変わり、私が何故かX学童の長に任命されました。
長というのはその学童内で1番勤務時間が長い人がなります。
他の支援員は午後から勤務ですが、長だけは事務仕事があるので午前中から勤務していました。
不可解な事はこの長になった年から起こります。
主に関わってくるのは1年目からお世話になっていたC先生、2年目から異動で来たD先生の2人。
D先生は私の補佐的な仕事をするポジションで、最終の19時まで一緒に働く人です。
初めて何か起こったのは、この2人の先生が図書館へ本の交換に行った日です。
C先生とD先生が図書館へ出掛け、私は1人で遅くなった昼ご飯を食べていました。
私の居る事務所の窓からB館の玄関のガラス戸が見えます。
何気なく見た時、そこにエプロン姿の女性が移動する後ろ姿が映っていました。
支援員は普段、キャラクターもののエプロンを着ています。
他に、本部の人が学童に出入りする時も同じようにエプロンを着てきます。
私は時間的に本部の人が配布物を届けに来たのだと思い、慌てて口の中のものを飲み込んで玄関で待機しました。
しかし、とっくに着いててもおかしくないのに一向に人が来ないので諦めて席に戻りました。
席に着いて改めて先程人が映っていたガラス戸を見ると、どんどん疑問が湧いてきました。
支援員の駐車場が反射して映っているので、単純に駐車場から歩いていく姿が映ったのだと思っていました。
こんなエプロンを着けて歩くのは一般人では無く関係者だとしか思えません。
が、「どうやったらあんな風に映るの?」という違和感で頭がいっぱいになりました。
私が見たのはガラス戸の下半分に上半身だけ映っていた女性の後ろ姿です。
ピンク色で切り替えから下の方が少し濃いピンクで、ボタンが背中側に付いているエプロン。
下の方で1本で結んだ肩甲骨ぐらいまでの髪。
うつむき加減で左に向かって移動しているのがやけにハッキリ見えました。
後から落ち着いて考えたところ、人が映るにしては見た人物が小さすぎたのです。
しかしこの時は小さい事には気付けずただただ何かがおかしいとしか考えられませんでした。
おかしなものを見てしまったことに怖くなってきて、
C先生のピンクのエプロンとうつむき加減とポニーテールに似てたから、あれは図書館に行ったけど何かしらあって引き返してきたC先生なんだ!
と思い込むことにしました。
あれはC先生でありますように!
と祈るように2人の帰りを待っていた為、先生達が戻って来た姿を見た時「違う!」と膝から崩れてしまいました。
今日のC先生は黄色のエプロンで、髪は下の方で2本で結んでいました。
玄関に来るなり蹲った私を見た先生達はどうしたの!?と慌てて近寄ってきてくれました。
きっと先生達には気のせいだよ、とか見間違いだよって笑われるだろうな…と思いながらもさっき見た事を話しました。
意外にも2人は馬鹿にせず真剣に聞いてくれ、顔色が変わりました。
聞き終わったあと、2人は困ったように顔を見合わせ「実は、ね…」と少し言いにくいように話し出しました。
昨年私が来るより前、ここの学童に勤めていた支援員が1人亡くなったという話でした。
亡くなった支援員がいるという話だけは聞いた事があったのですが、誰もそれ以上の詳しい話はまるでタブーのように話そうとしなかったので敢えて聞こうとしませんでした。
直接この学童内で亡くなった訳では無いが、その時一緒に働いていた長の人が他人にも自分にもとても厳しい人で、
長の人とどうしても合わなかったその人は学童での人間関係が原因で体調を崩し、入院してそのまま亡くなったとのこと。
その人の家族は原因になった学童の事を良く思っておらず、件の支援員と本部の人間は葬式に行っても追い返されたそうです。
なんでそんな話をしだしたのかというと、私が見た女の人の特徴がどうやら亡くなった支援員の人と似ていたそうです。
信じてもらえて嬉しいような、亡くなった人を見たかもしれないという怖いような変な気持ちになりました。
先生達によってこの話は本部にも伝わり、次の日から暫く私は午前中の勤務を本部ですることになりました。
1人だと怖いだろう、という本部の人の計らいでした。
そんな勘違いでしょレベルの話でここまで配慮してもらえることあるの?!と信じられない気持ちになりました。
それってつまりもう幽霊が出たって確定してしまったみたいで、ちっとも安心出来ませんでした。
これ以降、不可解な事が何度も起こるようになります。
午前中を本部で過ごすのもやれる事が限られるうえに、基本的にスーツ姿の人達の中でエプロン姿で居るのが耐えられず自分からもう大丈夫です、と言って2週間経つ前に普段の状態に戻りました。
暗い室内でカーテンを開ける時、
開けた時にあの女の人が居たらどうしよう?
振り返ったら居たら?
あの角から覗いてたら?等毎日想像してしまい肝を冷やしていました。
実際に人を見る事は無かったのですが、
ゴミ箱の蓋がポンッという音を立てて飛んでゴロゴロ転がりグワングワン回りながら止まるような音を立てる(実際に離れたところに蓋があったので蓋が飛んだのだと思った)というような、
人にわざわざ言うのもどうなんだ?レベルのことはちょくちょくありました。
そういう時は、蓋だって飛ぶことぐらいあるよ と自分を納得させてやり過ごしました。
深く考えるとどうしようもなく怖くなってしまうので…
そのうち、誰も入っていないのに男子トイレに鍵がかかってしまうことが何回も起こりました。
子供たちは誰かイタズラしてる子が居ると思っているようで、入りたい時に迷惑!と感じているようでしたが、大人の私はまさかこれも幽霊の仕業では無いかと思うぐらい精神が参っていました。
男子トイレの個室の鍵がかかる為、あまり使用される事がない時は大抵支援員がトイレ掃除するときに気付くのでした。
解錠するのに手間がかかるので支援員からも不満の声が上がり、本部に相談して鍵を直してもらうことにしました。
子供がイタズラするにしてはトイレの扉は高く足場もないので難しく、鍵の故障だと思うことにしたのです。
実際に私が鍵が掛かった状態を目にしたのは土曜日のことです。
土曜日利用の子供は少ないのでA館のみで過ごし、支援員は私とE先生(男性)の2人勤務でした。
E先生は女性ばかりの他の支援員と違った遊びをしてくれるので、子供たちの殆どがE先生と遊んでいたので私は全体が見渡せて玄関での対応にも出やすい出入口辺りに居ました。
ちなみにトイレは部屋を出てすぐの所にあり、部屋から見えます。
(女子トイレ、男子トイレ、車椅子用多目的トイレの3箇所あります)
土曜日は利用者が5人くらいなので掃除を楽にするのも兼ねて女子も男子も男子トイレのみ使用することになっていました。
必然的にトイレに行きたい子は私に声を掛けながらトイレへ行きますが、小1の女の子が鍵が掛かってて入れないと戻ってきました。
確かめると、誰も入っていないのに鍵が掛かっています。
丁度外遊びの時間になったこともあり、私が先に外に行く当番だったのでE先生に鍵を開けてもらうよう頼みました。
E先生と交代の時間になり外から戻り、私もトイレを我慢していたので個室に入ると窓が全開になっていてビックリしました。
外を歩く人と目が合いそうになり恥ずかしくて慌てて網戸を閉めました。
開所準備の際、換気も兼ねてトイレの個室の窓は網戸を少し開けていましたが、きっとE先生が外から窓を使って個室の中に入って鍵を開けて、窓を閉め忘れたのだと思いました。
その時、それはなんか変だと思いながらも深く考えてはいけないと頭の中で警鐘が鳴ったのでなるべく考えないようにしました。
外遊びから皆が戻ってきた時
小1の女の子にあの後トイレは無事に入れたか聞くと「E先生が開けてくれたから大丈夫だった」とのこと。
実はこの子の前に個室のトイレに入ったのは私だけでした。
それだけその日のトイレの利用頻度は低かったのです。
窓は全開では無かったし、鍵も普通に開けて出ました。
小1の女の子の背では窓には手が届きません。
この子が開けたはずは無いと思いつつ、トイレの窓は開いていたか聞いてみると「窓は見てないから分からない」とのことでした。
E先生に窓が全開だったので窓から中に入ったか聞いてみると、
「普通に上に上って開けましたよ。
窓は見てなかったので気づきませんでした」
との答え。
じゃあだれが鍵を掛けて窓から出ていったの…?
トイレに入るのが怖くなるのでそれ以上もう考えるのをやめました。
その後もほぼ毎日の頻度で鍵が掛かるようになり、丁度本部の上の立場にある人(Tさん)が来ている時に掃除をしていた支援員が
「今日もカギがかかっているのよ」と言いに来たので一緒に見てもらうことが出来ました。
よくある長方形のかんぬきタイプの鍵なので、「勢いよく閉めた時に反動で動いてかかってしまうのではないか?」とTさんは大袈裟に騒ぎすぎだとでも言うように上に上って個室の中を見てくれました。
中の鍵の状態を見たTさんは顔を曇らせ、「こんなにしっかり掛かっているなら反動が原因ではないね。
誰かが閉めない限りこんなにしっかりかかるはずが無い」
と言い、棒で上から鍵を開けてくれました。
鍵の故障では無いことが分かりましたが、念の為新しく付け替えることになりました。
話は変わり
学童の留守電の再生メッセージをその学童の長の声に変えるよう本部から指示がありました。
自分の声を録音して再生するのはなかなか小っ恥ずかしいもので、誰もいない午前中に録音することにしました。
苦戦しつつも何とか先生たちの集まる前に録音が済みました。
D先生が出勤し
「どう?録音できたー?どれどれ聞かせてみ?」
とニヤニヤしながら録音を再生しました。
やだ恥ずかしいなぁと私の顔も緩んでいたと思うのですが、再生された音声を聞いた途端2人とも凍りつきました。
「は”い” ぃこ”ち”ら”はぁ~Xがぁ~ぐどぉう”……」
わたしのこえではない
なにこれ?さっきと違う
なんで?なんなのこれ?
くぐもったような男のような聞いたことも無いような変に間延びした気持ちの悪い音声が再生されました。
「え?何コレ……まさかイタズラした?」
D先生は普段から自分にくだらないイタズラをする私のドッキリだと思ったようです。
しかし私が涙目になって頭を振っているのに気づくと、なんて声を掛けたら良いのか分からないようでした。
すぐ後から来たC先生にも聞かせてみた時には、私の声が何事も無かったかのように再生されました。
ここで起きた幽霊騒ぎ?のようなことはC先生D先生と共有し、幽霊云々は他の先生達にはなるべく言わないようにしていました。
が、この後F先生が出勤したので挨拶をしようと口を開いた瞬間、
私の口から「ヒィーッ!ヒッヒィッーヒッヒィッー!!」という感じの笑っているような泣いているようなおかしな声が結構なボリュームで出てきました。
まるでF先生を笑っているかのようなタイミングになってしまったため、こんなの失礼すぎる!と慌てて自分の口を手で押さえるものの私の意思とは関係無く声が出続けます。
どうやったらこんな声がでるの?
何で止まらないの??
自分がどういう状態なのか分からなくなってきて、私は頭がおかしくなってしまったのかと本気で心配になりました。
あまりの事に先生たちもビックリして、どうしたの!?大丈夫!?と慌てふためいていました。
D先生はすぐに本部に電話を掛けて今までの事を説明していました。
受話器の向こうまで聞こえるほどだったので、異様な声に本部の人が心配して飛んできてくれました。
子供たちが帰ってくる頃には収まり、何とか仕事はこなせたのですが
しばらくの間学童で起きた変なことを思い出すとあの引き笑いのような声が出るようになってしまいました。
割と親身になって話を聞いてくれている本部の人達ですが、全てを信じてくれているわけでは無いのだと感じたことがありました。
虫が大好きなO君という子がいました。
拘りが強く、集団行動は苦手な子です。
虫かごを毎日持ってくるのですが、名前を書いていないので書いてもらうように伝えていました。
その日は虫かごを持ち帰るのを忘れてしまい、勝手に名前を書くことも出来ないので付箋に名前を書いて貼り付け靴箱に入れておきました。
次の日普段通りに開所準備をしている際、B館の外遊具を出している時に足元にO君の名前が書いてある付箋が落ちていることに気付きました。
昨日私が書いた付箋だ。
なんでここに?
慌てて靴箱を見に行くと虫かごが無くなっていました。
なんで???
鍵が掛かっていたので取りに来ることは出来ないはずなのに…?
虫かごを持っていったのが誰かというのも定かでは無いので色んな意味で嫌な汗が出てきました。
子供の持ち物が持ち去られたということで支援員にはこの出来事を伝えて、O君が来るのを待ちました。
O君があの虫かごを持って帰館したのを見た時は心底ホッとしました。
しかし、どうして虫かごを持っているのか確認する必要があります。
「O君おかえり。その虫かご昨日学童に忘れて帰っちゃったよね?先生お名前書いてO君の靴箱に入れておいたんだよ。
今日見たら無くなってたから誰かが持って行っちゃったんだと思って本当に心配したの。
O君の虫かごどこにあったか教えてくれる?」
と声をかけると
「あのね、ぼく学校の遊びの時間に虫かごを使いたくなったの。
学童に忘れちゃってたから、あけて~!って思いっきり扉を引っ張ったの。
でも全然開かなくてピンポンを何度も鳴らしたの。
そうしたら中から黒い人が出てきて開けてくれたの。
でも玄関のカーテンがいつもと反対側が開いてたから、ぼくこわくなって虫かごとってすぐに出ていったの。
」
想像以上の答えに言葉が咄嗟に出てきませんでした。
ちなみに玄関のアコーディオンカーテンは開ける方向が決まっていて反対側には動きません。
だから怖くなったのかな?
それよりも黒い人の方が私は怖いのだけど
黒い人ってナニ!?
子供の言うことだけど、鍵は確かに掛かっていたし誰かが開けないことには虫かごはこの子が手にできないし訳が分かりません。
本部にも伝えましたが、この件に関しては子供の言う事だし…と信じて貰えませんでした。
しかし鍵が子供の力で開いたと考えられて、2重ロックする形に変わりました。
外に落ちていた繋がりで、ある時から人参の干からびたような物が学童の建物付近に落ちている事が続きました。
なんで野菜が落ちてるの?
とは思いましたが特に気にせず掃除がてら処分していました。
他の支援員が最近人参が落ちてるという話題を出した時に、私も何度か開所準備中に見つけて捨てたことを話しました。
この日はいつも最後の19時ギリギリにお迎えになる子が珍しく20分前に帰っていきました。
久しくD先生とのんびり話をしていると、
ドン ドン ドンッ
と事務所の壁に何かがぶつけられるような音がしました。
なんの音!?
と2人で音のした方の窓ガラス(道路側なので磨りガラス)を見ていたら
バン!!バンバンバンバンバンバンバン!!!
と人の両手のひらが磨りガラスを激しく打ち付けました
あまりの恐怖に本当に体がブルブル震えて動けなくなりました
音が鳴り止んだ途端
D先生が警察!!と叫び受話器を取って
「もしもし!!X学童です!!事件です!!!!」と外にいても聞こえるであろう音量で警察に通報しました。
声が上ずっていたからきっとD先生も相当怖かったのだと思います。
情けないことに私はそれを聞きながらもうやだと泣いていました。
子供が残っていなくてよかった…
それが唯一の救いでした。
バイクで来た警察官に説明をし、一緒に音のした辺りを確認しました。
壁には何かがぶつけられており、下に落ちたものをライトで照らしながら
「なんだか桃やスモモみたいなものをぶつけたみたいですね。
窓にも手形が残っていますし、ここに明かりが点いていたから中にいる人にイタズラをしたのでしょう」
と言って帰っていきました。
どうやら小学校の方にも似たようなイタズラがあり、人参などをぶつけられていたそうです。
最近落ちていた人参はそれか!と納得しました。
警察があっさり帰ったことで、大した事では無いのだ、相手は人間だったんだと思えて力が抜けました。
連絡が入った本部の人が来てくれ、人間のイタズラで良かった。
オバケだったらどうにも出来ないと零したら「何言ってるの!人間の方が怖いのよ」と叱られました。
保護者の駐車場に面した窓だったこともあり、防犯カメラを付けることになりました。
人間も怖いが、やっぱり幽霊の方が怖い。
あまりにも色々あるので、C先生とD先生以外の先生達にも今までの事を話しました。
信じてくれない人もいるだろうと思っていましたが、全員信じてくれました。
何故かと言うと、他の先生達にも身に覚えがあると言うのです。
1番はトイレの鍵の件。
あれはやはり異常だと言います。
鍵を変えてからも勝手に掛ることは無くなりませんでした。
E先生は、僕は本来そういったものは信じていないのですが…と前置きをしたあと
「実は(私)先生が怖がると思って言ってなかったのですが、子供たちが部屋の窓から見える(私)先生の車の中に女の人が居るって言ってた事があって。
僕には見えなかったのですが、あの女の人誰ー?って聞かれて肝が冷えました」
と笑って教えてくれました。
怖がると思ってるなら話さなくても全然構わない内容だっただけに腹が立ちました。
もう1人の先生が「実は私も同じようなことを子供たちが話してるのを聞いた」と言い、(私)先生が怖がると思ってそういう話はしないように言いましたと教えてくれました。
こんな話されてあの車に乗れると思う?
本気で泣きたくなりました。
子供達がふざけていたのでは無いか?というC先生やD先生の言葉に対してE先生達は
「普通ならそう思ったと思うが、その時の子供の様子が本気で知らない人が居るよ?という感じだったから恐怖を感じた」と答えました。
本部から子供達が怖がって来れなくなるといけないので、決して先生達が幽霊の話をしたり怖がる姿を見せないようにとお達しが来ました。
そんな本部がお祓いをすると言い出す出来事が起こりました。
その日は学校行事の関係で子供の帰館がいつもより早くなりました。
まだ私とC、D先生の3人しか居ない時間から帰館が始まります。
2年生のロッカーがあるB館はC先生が担当の日でした。
私とD先生はA館で待機します。
A館の掃き出し窓とB館の玄関は真っ直ぐ人工芝を敷いて繋いであり、子供が廊下を歩く感覚で2つの館を出入り出来るようになっています。
予定時間より早く2年生の1クラスが帰館をした為、C先生がB館で迎え入れていました。
まだ他の学年が来るまで時間があったので、その様子を私はA館の部屋の出入口付近から見ていました。
いつものように元気に帰ってくる子達を優しく声掛けしているC先生。
B館の部屋の窓の方を見ると、D先生が怒った顔をしながら部屋の奥の方へ移動しているのが見えました。
子供の方を見ながらだったので、だれかふざけていたんだろうな~と思いました。
それよりもD先生が着ている2匹のリスのキャラクターのエプロンが可愛くて、
ああいうエプロンいいな~。
カタログに載ってたかな?なんてのほほんと考えていました。
ふと背後の女子トイレから水を流す音が聞こえました。
あれ?誰かいるの?
と振り向くと手を拭きながらD先生がトイレから出てくるところで、見た瞬間心臓が飛び跳ねて悲鳴をあげながら尻もちをついてしまいました。
「あ?どうしたの?」とぽかんとしているD先生。
なんで今B館にいたのに後ろから出てくるの!?
それよりなによりエプロンが違う!!
(そういえば今日のD先生はピンクのミニーのエプロンを着けていました)
じゃあリスエプロンのあの女の人は誰なの!?
たぶんそんなことを声に出しながら慌ててB館の方に行き、部屋の中を見ました。
「あれ?(私)先生どうかしましたか?」
とC先生もキョトンとしています。
「今D先生がこっちにいませんでしたか?」
と聞くと子供たちから
「いないよー!っていうか先生の後ろにいるじゃん」
って合唱が返ってきました。
私の後ろを追いかけてきたD先生が、兎に角落ち着いて!と私を引きずって事務所まで連れて行ってくれました。
またはっきり見てしまった
こんなに白昼堂々と出てくるものなの?
私には怒ったD先生に見えたのにエプロンが違った
オバケの着てるエプロンを可愛いって思っちゃった
本当にショックでブツブツ言っている私。
怒った表情と、リスのエプロンのデザインがやたらと頭に残っていました。
子供たちが帰ってくる時間になり、変なことは一旦頭から消して活動に戻りました。
子供と接しているとオバケとかどうでもよくなるぐらい忙しく、そのおかげで今までも何とか勤めることが出来ていました。
残っている子供も数人ぐらいになった頃、誰が連絡したのか本部の人が来ました。
今日あったことを聞きたいと言われたので見た事を話しました。
その頃には本当にD先生を見たのかよく分からなくなっていましたが、知らない人に見えたならその時点で不審者だと騒ぎそうなものです。
怒っている表情と、私好みのエプロンだったことが特に印象に残っていることを伝えました。
どうやらこの怒った表情で子供を見ていたというのが良くなかったようで、結果的にお祓いをするということになりました。
私はこの施設自体をお祓いしてもらえるのだと思いかなり喜びました。
お祓いの日はいつかと心待ちにしながら過ごしていたある日、本部の人が来て車に乗せられ知らない家に連れていかれました。
ここって亡くなった支援員の人の…?
質問が出来る雰囲気では無く、知らない家の仏壇の前に座り本部の人達と一緒に手を合わせてお坊さんのお経を聞いていました。
まさかこれがお祓い??
自分の中のイメージとかなり違ったので腹が立ちました。
騙された。
なんの説明もなくどういうつもりなの?
私は何をさせられているの?
私の話を信じて色々としてくれた人達に対して感謝するどころかかなりイライラしていたと思います。
本部の人達はこれでもう何も起こらないだろうと言い、私は何も納得していなかったのでもう何かあっても言うだけ無駄だし、本部に伝えることはやめようと思いました。
その後C先生もD先生も異動となり数年で殆どの支援員が入れ替わりました。
私はX学童のままでしたが長を辞めさせてもらい、今までのD先生のポジションに就きました。
D先生は他の学童の長になっていました。
ずっと不思議だったのは
何故1年目のB館勤務の時は何も無かったのだろう?
どうして2年目から急に不可解な事が起きるようになったのだろう?
という事です。
何となく理由が分かったのはD先生が異動になってからでした。
不可解な事が起こらなくなったのです。
D先生が来た2年目から起こり始め、D先生が他の学童に異動してから止んだ。
D先生がきっかけだったのだと強く感じた出来事がありました。
D先生は長になってから慣れないパソコン作業が増え、分からないところがあると私に電話してきます。
その日のX学童に居た支援員メンバーは私と新しく長になった新米支援員のI先生とベテランのK先生。
(この他にM先生とP先生が居ますがこの2人は曜日によって交代で来る為、通常顔を合わせることがありません)
他の支援員が来るまでまだ時間がある時の事でした。
私はD先生と電話でやり取りしながらパソコンを操作していました。
視界の隅に事務所の窓が入っていて、人が通ったら分かります。
歩く人のシルエットからM先生が来たのが分かりました。
「こんにちは~」とM先生の声がしました。
I先生も大きな声で返事を返し、K先生も挨拶を返しながら席を立ちロッカーの方へ歩いていきました。
私は電話中だったので後から挨拶することにしました。
少しの後、本部の人が配布物を届けに来るのが視界に入りました。
すぐにI先生が玄関に行き対応していました。
丁度本部の人が帰る時に電話が終わり、M先生に挨拶しようと辺りを見回しましたが居ません。
玄関から戻ってくるI先生にM先生は?と聞くとそういえばどこにいるんだろう?との返事。
その会話を聞いていたK先生が、
「私M先生のロッカーの前に荷物置いちゃってたから移動させてきたのに、ちっとも入ってこないのよ~」と言いました。
M先生確かに来たよね?何か外でやってるのかな?と3人で首を傾げていたとき
「こんにちは~!遅くなりました」とP先生が走って来ました。
なんでP先生が?と思ったのですが、よく考えたら今日はP先生が勤務の曜日で、M先生は休みのはずです。
「そうだ!そうなのよ!だから私M先生のロッカーの前に荷物置いちゃったのよ。今日来ないからと思って」
やだわーとK先生が大笑いしながら言いました。
「さっきM先生が来たんです」
と言うとP先生は不思議そうに
「さっきまで私、健康診断の会場に居たんですけどM先生も居ましたよ。
私の3人ぐらい後ろで。
なかなか顔を合わせることが無いから久しぶりだね~って話しましたよ」
と言うのです。
そうだった。
今日はM先生やP先生の時間帯勤務の人が健康診断を受ける日だった…
じゃあ私たちが挨拶したM先生は何だったの!?とちょっとした騒ぎになりました。
次の日M先生に聞いてみたところ、昨日は学童には寄っていないと言われました。
これがD先生が異動してから初めての不可解な事でした。
D先生と電話してた時に起きたことです。
この後もD先生が絡んだ時に限って何かが起こることがあり、何故かは分からないけどきっかけはD先生なのだと思うようになりました。
自分の中で納得出来る答えを見つけたようで急に気持ちが楽になりました。
何故かD先生が原因なのだとしたら怖くないと思えるようになったのです。
その後は私も異動で他の学童に行き、D先生は異動してX学童に戻ってきました。
交流は減りましたが、また男子トイレに鍵が掛かるようになってうっとおしいのよ~という愚痴を聞くことがありました。
D先生が居ない期間は鍵が勝手に掛かることはなかったんですけどね。
以上です。
解決したとは言えないし、大したオチも無くて申し訳ないです。
途中長すぎエラーで無理やりレス分けたので番号おかしくなってます。
長々と読んでくださった方ありがとうございました!
当時のスペック
・私→24歳(学童勤務2年目)
普通に幽霊とか怖い。
子供も苦手だけど大人はもっと苦手
・C先生→30代半ば、すごく気配りが出来る人
友達に霊感がある人が居るらしく、全面的に私の話を信じてくれた
・D先生→40代半ば?私と近い歳の子供がいる
本人曰く自宅に幽霊が居るらしい。
だから私の話を基本的に信じてくれた
・本部の人
何人か居る。
私の話を信じてくれたのはこの中の1人が昔霊感持ちだったから…とのこと
こんな感じです
今振り返ってもこんな話何で皆信じてくれたんだろう?って不思議になります
でも信じてくれる人が居なかったら、もっと早い段階で潰れてたと思います
亡くなった方とDさんの関係は?
当時別の学童勤務だったので亡くなった方とD先生は直接の接点は無かったと思います。
なので何故D先生が原因っぽいのかは不明です。
D先生は勤務年数も長く顔が広いため、先生同士のネットワークで亡くなった方の事を把握していました。
亡くなった方の原因となった支援員が葬式で追い返された人です(G先生とします)
当時一緒に働いていたC先生によるとG先生はすごくきっちりした人で、帰る時に机の上には何も出しておかない、決まった物の位置は少しのズレも許さない…等、色んなルールを他人にも強要していたそうです。
本部にも相談していたそうですが、何も解決してくれなかったということでご家族の方はG先生も本部の事も許せなかったそうです。
ちなみにG先生と私の苗字は同じです。
私が書いた字がG先生の字とそっくりだと何人かの人に言われたことがあります。
まさか私とG先生を間違えて化けて出てる!?と本気で気にした時期もありました。
正直分からないです。
よく見えなかったのですが、お坊さんの前に女性の写真が立ててあったので亡くなった人の家なのかと思いました。
もし亡くなった人の家だとしたら、葬式に出ることを拒否された本部がどんな経緯を話して家に上がる事を許してもらったのだろう?とか、なんだか怖くて周りを見る余裕がありませんでした。