短編 ほんとにあった怖い話

無気味な精神病院【ゆっくり朗読】3800

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実家の近所に精神病院がある。

526 :本当にあった怖い名無し:2013/08/28(水) 22:10:56.29 ID:y9EiE3cc0

幼稚園児のとき、親に危ないから近づくなといわれてた病院。

事実、塀は高いし三十年近く前は木々が鬱蒼と生い茂って、建物はボロい上に日中でも閉門された廃屋を思わせる趣で、爺様に鉄格子のある怖いところだと聞かされていた。

それでも2000年前後から少しずつ改修されたらしく、以前よりは不気味な感じは減って、聞くところによると認知症の年寄りなども受け入れているらしかった。

2001年の秋頃、仕事の関係で丑三つ時に帰宅し、小腹が空いたので病院のななめ向かいに出来たコンビニに行くことにした。

薄暗い街頭の下、車椅子に乗った青白い老婆が病院の方からキコキコと音を立てて車道を進んでいく。

病院から50m以上離れていたと思う。

えっ?一人?何でこんな時間に車道を?と引きつつも、コンビニに歩いていくと、

真夜中過ぎにも関わらず病院の門は開かれ、病院の明かりもついてて門の前で看護師さんたちが何人もウロウロしていた。

珍しいなー、と思いながらもコンビニで買い物をすませ、店を出るまで三分もたっていなかったと思う。

店を出て、元の道を歩く際にふと病院を見たら真っ暗。

門もいつもどおり閉門してて、静まり返っていた。

あれ?2-三分で車椅子の老婆を回収して閉門して消灯?と猛烈な違和感を覚えて小走り気味に帰宅後、

夜食を食ってると家の前の道を何度もキコッキコッと車椅子が往復する音が聞こえる。

翌日も真夜中に車椅子の音に起こされて、タバコを吸うついでに表に出たが誰もいない。

そのままコンビニに夜食を買いに行ったら病院はやはり閉まっている。

十日くらい続いたら車椅子の音も聞こえなくなったが、いまだに気になっている。

 

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実はこれを書き込んだのは先日ちょっとあってね。

小学生の頃、父方の祖父母の家の近所の団地に住んでてね。

共働きだったこともあって、春夏休みは祖父母の家にあずけられたし、ファミコンもあったから毎日のように入り浸ってた。

で、中学進学直後、母方の祖母が病で入院することになって、介護や爺様の面倒を見るために母方の祖父母の家に引っ越し。

半年後にその祖母が亡くなり、直後に親父の横領も発覚して離婚。

親父は会社に横領がバレて、半月くらい逃げ回った後、逃げるように離婚したから、あいさつとかもろくになかった。

親父に会う気は毛頭なかったが、祖父母には可愛がってもらってたし、小学生時代の友人もたくさんいたから時々遊びに行ってた。

お袋に話すと面倒になりそうだから、子供心にその辺は黙っていたが……

高校、専門学校と進学したあと、県外に就職が決まって報告に行ったのが2003年くらいだったかな。

一応、ケータイの番号は知らせていたが、特に連絡を取り合うこともなく仕事も忙しかったから疎遠になっていた。

2011年頃、仕事の関係で地元に戻った際、面倒だと思ってたずねなかったら件の車椅子に遭遇。

それから年が明けてすぐに県外転勤。

先週末、所要で一年半振りに実家に電話した際、2012年の三月に父方の祖母が亡くなったという連絡があったことを聞かされた。

何でも認知症をわずらい車椅子で入院生活を送った末、亡くなったらしい。

色々あってケータイの番号を変えていたから、向こうも連絡が取れなかったんだろう。

それで仕方なく母方の実家の方へ連絡をして、俺に連絡を取りたがっていたが、うちの爺様はとぼけてケータイ番号を教えなかったようだ。

真夜中に遭遇した例の車椅子とは関係ないと思いたいが、

葬式はおろか、今の今まで亡くなったことも知らず、のほほんとしていた罪悪感から吐き出してみた。

ちなみに父方の祖父母なんだが、俺が小学生の頃、祖父が連帯保証人になり、

俺の親父とその弟(叔父)、その知人で会社をおこすも、ノウハウも経験もない畑違いの業種ゆえに、資金繰りは悪化して倒産。

代表取締役だったその知人はさっさと自己破産してさようなら。

連帯保証人の祖父は、家屋敷から何もかも奪われ、払いきれない借金の山だけが残った。

それでも祖父か祖母だったかが存命中は住むことを許されたそうだ。

その後、親父は別の会社に就職するも横領がバレて逃亡し借金の山。

叔父(独身)もこれまた借金の山と正にどん底状態。

父方で唯一の孫は俺だけになるんだが、中学の頃だったか、

遊びに行った際に祖父母が出かけるからと留守を頼まれ、何となく祖父の書斎に行ってみた。

祖父の部屋には本棚に無数の書物、そして角に机と椅子だけ。

取り合えず椅子に腰掛け、壁を見ると、何やら紙が幾重にも貼り付けられ

妙にこんもりしているから気になってめくってみたら、

壁に赤く呪の文字が書かれ、中心に自己破産した男の写真が張ってあった。

しかも心臓の部分に釘が打ち込まれ、紐を首にくくりつけて、

首吊りのような形でドクロのキーホルダーがくくりつけられていた。

祖父の本性に引きつつめくった紙を元に戻す際、その上に貼り付けてある紙もよく見たら、

呪殺祈願やら怨やら、死死死やら、恐ろしいことが書いてある。

急いで元に戻して部屋を出た後、居間でTVを観て帰りを待っていた。

しばらくして祖父母が帰ってきたら、祖父はにこやかな笑顔。

でも本性知ってる俺にはむっちゃ怖い。

取り合えずその日は逃げるように帰宅。

その後も祖母に会いに行っていたが、祖父とはすこし距離を置いていた。

昨年、散々可愛がってくれた祖母の葬式不参加はおろか、連絡をしなかったことで俺も祖父に憎悪されているのではと思うと正直怖い。

(了)

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