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伝聞 猿夢【都市伝説】r+1116

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これは、ある日ネット掲示板で見つけた奇妙な投稿の内容を、聞き書きのような形でまとめたものだ。

投稿者は、自分の夢にまつわる恐ろしい体験を語っていた。
彼は昔から、自分が夢を見ていると自覚する「明晰夢」を頻繁に体験するという。
夢の中で自由に振る舞い、恐怖心を試したり冒険心を満たしたりすることに慣れていた彼にとって、それは当たり前の日常だった。

しかし、ある夜、夢の中で薄暗い無人駅に立っていることに気づいたとき、すべてが変わった。駅には不気味な静寂が漂い、どこか現実離れした空気感が満ちていた。そして、スピーカーから男の乾いた声が響いた。

「まもなく電車が参ります。その電車に乗ると、あなたは恐ろしい目に遭いますよ」

妙な挑発のように感じた彼は、夢を自覚している特権を活かし、この電車に乗ることを決めた。どうせ恐ろしくなれば目を覚ませばいい。そんな軽い気持ちだった。

やってきたのは遊園地の「お猿さん電車」に似た小さな列車で、窓もない。乗客は無表情な男女が数人。みな青白く、どこか生気を失っているように見えた。彼は後ろから三番目の席に腰掛け、発車のアナウンスを聞いた。

電車はホームを出て、すぐに紫がかったトンネルに吸い込まれた。その景色は、かつて彼が遊園地で見たスリラーカーを思い出させた。大して恐くはない。結局、自分の記憶から生まれたイメージにすぎないのだ、と高をくくっていた。

ところが次のアナウンスで、一気に状況は変わる。「次は活けづくり~活けづくりです」。振り返ると、最後尾の男が小人たちに囲まれ、魚のように刃物で裂かれていた。臓器が引きずり出される様子と、耳を裂く悲鳴。臭気と血の飛沫が現実のように生々しかった。

それでも、これは夢だ、と自分に言い聞かせた。そして順番からいけば、次に自分が襲われるだろうという恐怖を感じつつも、最後のアナウンスを確認してから覚めようとした。「次は挽肉~挽肉です」。機械音が近づき、小人が膝に乗る感触に耐えられなくなり、彼は必死に夢から覚めた。

これで終わりだと思っていた。しかし、4年後、彼は再びあの夢に引き戻された。今度は前回の「えぐり出し」の場面から始まった。彼は逃げようとしたが、逃げるたびにアナウンスは続き、最後にこう告げられた。

「また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~」

目覚めた現実の世界で、その声だけははっきりと耳に残っていたという。

投稿はここで終わっている。しかし彼が「最後の時」を迎えたのかどうか、その後の消息を知る者はいない。

[9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2000/08/02(水) 07:03]

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