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石鬼神様(いおきさま)【ゆっくり朗読】5800

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法事で実家に帰った時、叔父と二人で飲んでいたら、「この家にも昔は変な習慣があったんだよ」って酔っ払いながら、教えてくれた。

290: 本当にあった怖い名無し 2015/07/29(水) 13:31:47.96 ID:FGzhxuQb0.net

それと関係あるのかわかりませんが、うちの家系は祖母が言うには、領主様から一定の地域の生殺与奪の権利が与えられてる家だったみたいです。

叔父が言う儀式ですが、初潮を迎える前の女の子を家系の中から選び、山の鬼に捧げるという儀式との事で、叔父も詳しくはわからないようでしたが、この因習が嫌で、夜逃げした家族もあったみたいでした。

私は信じてはいませんでしたが面白かったので興味津々でした。

それから実家は、よく因習系の怖い話にでてくる大きな家でもなく、蔵があるとかでもありません。ごく普通の田舎の住宅街の一軒家です。

興味津々の私は、次の日に母にそのことを聴いてみました。

すると意外にも「知ってる、知ってる!」と子供みたいにはしゃぎだしました。

母は父の母(義母)に教えてもらったらしいのですが、その頃は夏の怪談みたいな感じで教えてもらったとの事です。

母も全部を信じてはいない話し方でしたが、知ってることを教えてくれました。

儀式に使う女の子は、家系の中から選ばれる。

女の子は夜のうちに山につれて行かれて、紐でぐるぐるまきにされた後、山の頂上付近の井戸みたいなところに入れられ吊るされる。

三日位してから引き上げると、ほとんど骨になってるとの事でした。

義母は(私からすると祖母)は、昔から賢い人で多分穴の中の虫や小動物が体を食べてると言ってたそうですが、他の大人は、山にいる石鬼という神が娘を食べてると本気で思ってたみたいです。

私もすごい時代だな~と思いながら聞いていました。

それから実家から帰って夫にその話をすると、夫は興奮した様子で、

「その話ネットで読んだ事ある!」

といってパソコンで探してくれました。

それが『イオキ』という話でした。

確かに似ている所もありますし、地方も同じです。

夫は興奮して「俺も法事に行けばよかった」と言って悔やんでいました(笑)

自分にはそんな因習なんて無関係だと思っていたのに、その家系の血が流れてると思うと少し怖く思いました。

それは殺してから吊るすんだろうか……

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参考ソース

母の話。

あまりくわしくは書けません。ご了承下さい。名前も仮名です。

母は幼少の頃は徳島の山奥の村に住んでました。

その日は親戚が集まり大事な話があったみたいだったので、母と兄は隣の部屋に先に寝かされました。

しかし、隣が気になり寝付けずにいると、隣から祖父の声が聞こえてきました。

「洋子(母の名前)は、まだ若いから石鬼神(イオキ)様のご機嫌がとれんやろ、今やったら晴海(母のいとこ)やで」

と、母は意味が全く分からなかったのですが、助かったと思ったそうです。

それから次の日に晴海の両親は目を赤く腫らして帰っていったそうです。

一週間後、晴海が山に行って亡くなったと連絡がありました。

その連絡を聞いて母の両親はヒソヒソ話したかと思うと、祖父の部屋に行ったそうです。

晴海の葬式はヒッソリと行われましたが、棺桶を担いだ母の兄は今でも「軽い棺桶やった、誰も入ってなかったんやろか」と言ってます。

その後、母は兄と両親だけで村から出ました。

完全に夜逃げ状態だったらしいです。

母はそのことを今でも思い出すと

「私等が逃げた後、他の親戚が血眼になって山狩りをしててな~とうとう私等は行くとこがなくなって、山小屋に逃げたんよ。ほな、そこに叔父さん(晴海の父)が松明を持ってやってきたんや、けどその叔父は私等を見て、はよ逃げ!と言ってくれたんや。両親は何回も叔父に頭下げながら私を担いで逃げたんや」

と、私が二〇歳を過ぎたときに、母はこの話をしてくれました。

村で何があったかも、おぼろげながら話してくれましたが他には漏らしたらアカンと言われました。

この話が広まると私達がここにおるのがばれるからなって……

現在私の家庭はとても明るく元気です。

しかし、両親にこんな過去があったとわかってから、二人は無理して明るくふるまってのかなと思います。

(了)

[出典:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1436891353/l50]

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