これは、ある女子高生から聞いた話だ。
彼女は高校生の頃、登校中に奇妙な交通事故に何度も遭遇し、挙げ句、衝撃の事実を目の当たりにすることになる。
朝の登校時間。いつも通り自転車で学校に向かっていた彼女は、駐車場から出てくる車と鉢合わせになった。互いに視線を交わし「先に行くのかな?」と躊躇していると、車の運転手が「どうぞ」と合図をしてきた。
運転手の合図を受けて彼女が走り出すと、なぜかその車も同時に発進。自転車の横をかすめ、衝撃とともに地面に倒れこんだ。足をすりむき、血も出ていたが、パニックで動転している彼女に向かい、運転手は申し訳なさそうに「大丈夫ですか?学校、行けますよね」と尋ねた。彼女は痛みを堪えつつ「行けます!」と返事し、事故現場を後にした。
そのまま学校に向かったものの、保健室に行く羽目になり、同級生たちにも驚かれた。その後、運転手の名前もわからないまま、怪我も治り、ただ「今後は気をつけよう」と自分に言い聞かせた。
半年が過ぎ、また同じ道を自転車で登校していた時のこと。今度は横からバイクが突っ込んできて、衝撃で道路の中央まで吹き飛ばされてしまった。
朦朧とした意識の中で起き上がると、バイクの運転手はヘルメットを取ることもなく、一言だけ「学校行けますよね」と投げかけてそのまま走り去った。あまりの状況に呆然としながらも、彼女は再びそのまま学校へ向かい、またもや保健室へ。あまりにも奇妙な出来事だったが、それでも深く考えないようにして、通学ルートを変えることにした。
しばらくして、再びその場所で事故があったと聞いたのは、偶然だった。彼女が別の道から通りかかったとき、後輩が倒れているところに遭遇したのだ。
車から降りてきた運転手が「大丈夫ですよね」と言っているのを見て、彼女の体に冷たい汗が流れた。そこに立っていたのは、彼女を二度もはねたあの運転手だったのだ。
この時、運転手の様子を見ていた通行人が近くの病院に駆け込み、医師が現場に急行して後輩を介抱し始めた。その間に、何人かが警察に通報し、最終的に運転手はその場で逮捕された。
後日、彼女は驚くべき事実を耳にすることになる。実は、彼女以外にも被害に遭った人が複数おり、警察に相談が寄せられていたという。そして調べが進むうちに、これらすべての事故の運転手が同一人物だったことが判明したのだ。
それ以来、彼女はその道を通らないようにし、家族にも厳重に注意を促しているという。
(了)
[出典:http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1418642426/]