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短編 人形にまつわる怖い話

リボーン・ベビードール【ゆっくり怪談】5541-1230

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ある日、海外勤務していた友人から至急の電話があった。日曜の明け方、シンガポールからだった。

37 :あなたのうしろに名無しさんが :03/01/29 00:17

寝ぼけ眼で受話器を取ると、

『社宅のトランクルームに私物を預けてあるんだが、それを取って来てもらえないだろうか』

挨拶もそこそこに友人は切り出した。

『管理人に話は通してあるから、悪いが今日中に取りに行ってくれないか』

切羽詰った様子は受話器の向こうからも感じ取れた。

『黒い蓋つきのビニールケースなんだ。それがすぐ必要なんだ』

友人のたっての頼み。こちらにも断る理由がなく、勢いで受けてしまった。

荷物の引き取りはスムーズにいったのだが、肝心なことを忘れていた。

友人の電話番号を控えていなかったのだ。

確か年賀状があったはずだと家捜ししたが、途中でひどく面倒臭くなってしまった。

今日中に連絡あるだろうと思い、そのまま部屋で待機した。

夜更かしして朝早く起こされ、そのまま電車で郊外の団地まで行き、昼過ぎにはすっかり疲れていた。

そして、うたた寝してしまった。

夢うつつに赤ん坊の泣き声が聞こえていた。

ふっと目を開けると、視線の先にビニールケースが。

そう言えば中身は何か聞いていない。

もし国際郵便で送ることになれば、内容を知っていなけりゃなあ……

そんなことをぼんやり考えていた。

このまま送って構わないのか?などと自分に言い聞かせながら、ケースを厳重に梱包してあるテープを剥がした。

中からは色々なベビー服が出てきた。

そして一番奥から、バスタオルに包まれた赤ん坊の人形が……

人形は、柔らかい樹脂か何かでできたかなり精巧なものだった。

こんなもの売っているのか?と思いつつ人形の体に触れていると、背中に何か感触があった。

タオル地の服をめくると、一通の手紙が出てきた。

友人には悪いと思ったが、ここまで来て止めるわけにはいかなかった。

手紙にはこう記されていた。

友人は結婚していたが、子供はいなかった。

いろいろ思いを巡らしていると電話が鳴った。

友人からだった。

『間違いがあったら困るんだ。Fedexで会社宛に郵送してくれ』

こちらも人形のことは黙っていたし、友人も口にしなかった。

数日して、友人から荷物が無事に届いたという知らせがあった。

その後、音信不通になったが、時々考えることがある。

あの人形の行方について……

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