坪野鉱泉(つぼのこうせん)は、富山県魚津市の富山県道67号宇奈月大沢野線付近にあった鉱泉旅館。
坪野温泉とも呼ばれる。1982年に倒産。
建物は8階建てで、広さは3,300m²。魚津市の史跡である坪野城址跡の裏にある。
現在は廃墟となっており、2003年7月刊行の『最新 日本の心霊恐怖スポット100』に記載されているほか、
2007年刊行の『ニッポンの廃墟』では北陸随一の肝試しスポットに挙げられている。
1996年に肝試し目的で出かけた女性2人が失踪する事件が発生している。
失踪事件について
1996年(平成8年)5月5日に氷見市在住の女性2名が家族に「肝試しに行く」と告げて外出し、友人のポケットベルに「今魚津市にいる」とメッセージを送ったのを最後に行方が分からなくなるという事件が発生した。
富山県警察は、「肝試し」「魚津市にいる」というキーワードから、2人は魚津市にある廃墟となった坪野鉱泉旅館跡に出向き、その後失踪という結論に至り、事件・事故の両面から捜査を行った。
しかし事件から1年後である1997年(平成9年)5月4日時点で手がかりが何もないことが『読売新聞地方版・富山よみうり』にて、「少女不明から1年」と題して2日間に渡って地域ニュースの特集記事として報じられた。
紙面では更に、女性の片方が所有し失踪当時運転していた乗用車が発見されないことから、県警ヘリと山岳捜索隊を組織し、崖下など車が転落しそうな地点を捜索したが発見に至らず、当時の坪野鉱泉が暴走族のたまり場であったことから事件に巻き込まれた可能性もあるとしている。
また、記事中では、
・坪野鉱泉旅館跡地は週末になると石川県、新潟県、福井県、岐阜県など他県からの暴走族が集会に集まる場所となっていること
・地元民から治安上不安な場所として不安視される声が出ていること
・敷地内はガラスが割られ、落書きされ、立ち入り禁止を示すロープなどは切断されるなど危険な場所となっていること
などが紹介されている。
その後、新潟少女監禁事件の発生を受け、2000年(平成12年)に富山県警がこの失踪事件の捜査について再確認を行ったことが『北日本新聞』で報じられている。
[出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/坪野鉱泉]
坪野鉱泉失踪事件その後
その後、2014年(平成26年)末に複数の目撃者がいるとの情報を富山県警が入手した。
目撃者3人を特定して2020年(令和2年)1月に聞き取りした結果、
「1996年の大型連休の深夜に、海王丸パーク付近で、駐車中の女性に声をかけようと近寄ったら、女性2人が乗った車が後ろ向きに急発進して海に転落した」
「怖くなってその場を立ち去り、通報はしなかった」
との証言が得られ、同年3月4日、同県射水市八幡町にある伏木富山港の岸壁付近の海底に先述の女性2人が乗っていたものとみられる軽乗用車があるのが見つかり、車内から複数の人骨が発見された。
同月11日には、引き上げられた軽乗用車が、一方の女性が使っていた車と特定したと富山県警が発表した。
同年4月18日、富山県警は発見された人骨について、損傷が激しく頭蓋骨や骨盤は残っていなかったが、大腿骨の一部から検出されたDNAの鑑定結果や残された遺留品から、失踪した2人のものと特定された旨、発表した。