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祀られて無い神様【ゆっくり朗読】1500

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怖い話かどうかは分かりません

612 :本当にあった怖い名無し:2021/10/16(土) 22:59:16.35 ID:pi/CkkOs0.net

ただ、私が実際に幽霊が居ると思う様になった事を書かせて下さい。

始まりは幼い頃、今は縁を切った父方の風習で起きた事です。
私はまだ小学校にも通っていないほど幼かったのですが、物心ついてから初めての遠出だったので良く覚えています。

父方の家系の風習の為に、叔父がオーナーを務めるホテルに集められました。
その風習とは、生まれた子供達が10歳になる前に顔見せを行う事です。
顔見せと言っても家同士では無く、家族の祖先の霊との顔見せの事です。

ただの墓参りでは無く、陰陽師?の方に間に立って貰い、祖霊に守護を願うという行事でした。
(今日、母に聞いた所、(父曰く)高名な霊能力者だそうです)

ただ、その行事は全く何も無く終わりました。
霊が出たとか、怖い思いをしたという事は一切有りません。(がっかりさせたらごめんなさい)

その後陰陽師らしき方と、父方の親戚一同でホテルの大きな和室で食事をしました。(宴会室だったのかな?)
食事をして酒が出回り始めると、皆が陰陽師に霊能力を見せて欲しいと言い出しました。
そこから陰陽師が、守護霊の話をしていたのを覚えています。
一人一人の守護霊について語っていました。
この話の中心は此処からになります。

陰陽師さんは私の守護霊は「祀られて無い神様」だと言ってました。
おんぼろな社に、周囲が草がボーボーに生えている所に居る巨体の人だと。
力は強く危ない時は守ってくれるけど、その分運気を吸って良く無い事が起きる。
だから余り頼ってはいけない。そう言われました。

その後、「姉の足に良く無い影が見える」と言った事や、祖父の家に守護して貰う為に天狗の札を戴いたりしました。

ちなみに姉の足についてですが、姉が高校の時に病院で検査する事が有り、その時に踵の骨が少し出っ張っている事が分かり、手術する事になりました。
(その時に、家族で陰陽師さんは本物だったんだ。と話してました)

その後、私は大きくなって高卒業で中小企業に入って働き始めました。

周りで心霊騒ぎがある事もありましたが、私自身に経験はありません。
ただ、随分と不運に見舞われました。特に事故がとても多かったです。

十年間足らずの間、車両事故だけで8回あります。
その内、私が悪かったのは1回で、残り7回は貰い事故でした。
信号で止まってたら後ろから衝突された。
信号無視をした車と交差点でぶつかった。
落石に車がぶつかって後部座席の窓が割れた。等々です。
私が悪かったのは、雪山でスリップしてガードレールにぶつかった時位です。

そんなザマなので、正月に祖父母家に家族で集まると陰陽師さんの話で盛り上がってました。
「今回の事故も守護霊が守ってくれたのだろうね」
「だけど守ってくれたんだからもう一回不幸が来るんだから、気をつけな」と。

そしてここからが私がこの掲示板に載せようと思った理由です。

私には遠方に住む友人夫婦がいます。
夫婦共に私の友人で、夫(以下、A夫)とは半身同士だと言い合う程親しい仲です。

妻(以下:B子)の方はA夫と会う前からの友人同士で、私とは異性の友人としてお互いに唯一の存在でした。

その夫婦から霊障に悩まされていると、前から相談を受けていました。
ラップ音が聞こえたり、悪夢を良く見たり、夜になると庭に人の姿が見えると。
私は励ましたり、愚痴を良く聞いていました。相談に乗る事もしました。
最終的には彼らの近所の神社から、地方外のお祓いの出来る神社を紹介して貰いました。
神主の方にお会いした所、原因は二人では無いと言って家の調査を行ったそうです。
結論から言うと、呪具が家に置いてありました。
家を巡っていると、誰が言うでも無く神主さんは呪具を手に取って、「これが原因だ」と言ったそうです。
それはA夫がフリマで見つけて来た、高所にひっかけてぶら下げるタペストリーでした。
(私も家に遊びに行った時に見た事があります。竹で出来た品で不思議な模様でした)

夫婦が思い出した限りでは、確かにその呪具を買った二週間後から霊障が起きたそうです。
神主は呪具のせいで悪い気と霊が集まっていると言い、神主が預かる事になったそうです。

「呪具のお祓いはするが、夫婦も一緒にお祓いを受けなければいけない」
「だけど長い間、晒されていた以上、お祓いの時に何が起きるか分からない」
「二人を抑えられる力のある、信頼出来る人を呼んで来る様に」
と言われた夫婦は相談して、私が抜擢されました。

私としても、生まれてから最も信頼しあったA夫と、今でも唯一の異性の友人であるB子から頼られて、悩まずに承諾しました。
(正直に言えば、過去に好きだったB子から頼られて嬉しかったです)

休みの日を利用して、私達はその神社でお祓いに行きました。
山奥過ぎて、ナビが森の中を走っている様な有様でしたが、過去に一度行った夫婦に先行して貰って無事に到着しました。

神社に着くと、神主さんと会いましたがカラっとしたお爺さんでした。
神主さんは私を見て「良い人を連れてきてくれた」と言っていたので、そんなに祈祷される人が暴れる確率が高いのかと警戒したりもしました。

入った神社は綺麗な場所でしたが、飾りなどは無くシンプルな場所で、家と道場っぽい所、神社の本殿、幾つかの小さな社があるだけです。

私達は神社の本殿には通されず、道場っぽい所に通されて祈祷を受けました。

「二人が突然道場から逃げだそうとするかもしれない」
「絶対に道場から出さない様に、何かあったら抑えてくれ」

そう言われた私は、夫婦の隣に座ったまま黙っていました。

祈祷が始まると、夫婦はお酒を飲まされ、変な草の付いた枝で叩かれたりしてました。
A夫は巻物みたいなのを首に巻かれてました。

途中、A夫が体調を崩して寝転びそうになったりしましたが、抑えつけてくれと言われていた私が肩を掴んで起こしたら、「寝かせて良い!」と神主から怒鳴られたりとアクシデントが有りましたが、無事に終わりました。

無事に終わってから、夫婦からお祓いの感謝として神社にお金の謝礼と、神社のある山の近くの寿司屋から出前を取って、神主さんとその助手と私達三人で食べました。
(殺生はダメなんじゃ?と思ったけど、肉と匂いの強いモノ以外は大丈夫だそうです。神様にも魚はお供えするからだからとか)

食事中は神主さんと色々と話をしました。
呪具のお祓いは専門の業者がいるらしく神社には既に無いとか、日本の呪具では無い、恐らく外国のモノだろうとか。

その後、色々話をしていると、神主さんは霊視が出来る人だと言う話題になりました。
というのも、神主さんが私と会った時に「良い人を連れて来てくれた」と言った理由の一つが守護霊であり、私の守護霊は何処かの山奥にある、祀られていない社の古い神様だろうと言いました。

「何かあっても、君の事は守ってくれるだろう。だけど余り良い神様には見えない」
「頼り過ぎれば、何か持ってかれる。あんまり頼るなよ」
そう言っていました。

友人夫婦はその後、一年ほどたちますが霊障もゆっくりと減って行き今では何も起きないそうです。
A夫はぶくぶく太り、40kg程肥えて元気にしています。

これが私が本物の霊能力者、幽霊が居るんだろうなと思う様になった理由です。

以上になります。

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