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中編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

変わった隣人

更新日:

 私が住んでいるマンションのお隣さんがちょっと変わっている。

536:2011/12/23(金) 13:06:13.55 ID:A6pULbQ/0

お隣さんは、お婆ちゃん・母・娘の三人暮らしみたい?

お父さんの姿は見たこと無いな……

エレベーターに向かうから当然のようにお隣さんの部屋の前を通るんだけど、時々部屋から段ボール箱をいくつか運び出している場面に出会うんだよ。それも結構な頻度で。

小さな段ボール、それはAmazonで雑誌頼んだ時くらいのサイズのやつで、空中に浮かべて、横にそろりそろりと移動させて部屋から運び出している。

いつもお母さんとお婆ちゃんが室内に居て、娘が外でその箱を受け取るんだけど、どう考えても手で運んだ方が楽なのに、空中に浮かべて運んでいる。

最初は超能力!?って思ったけれど、昼間から当たり前のようにやっていたし、普通に挨拶したら向こうも普通の反応なので、その時は手品か何かの練習だろうと思っていた。

今思い起こしてみれば、箱を宙に浮かべ移動させる際に上下の揺れは一切なかった。横も本当に淀みなく移動していた。

ただ速度が非常に遅かった。

本当に亀が歩くみたいに。

高さは160cmの私の目かあごくらいの位置だった。

あと今思い返して不思議なのは、この空中移動をやっている時に私以外の居住者をみたことがない。

私は彼ら家族の隣に住んでいたので、その時は違和感を感じなかったが、同じマンションの住人が居る時に空中移動しているのを見たことが無かった。

あまり悪くは言いたくないが、彼ら家族は無表情というか……非常に肌が白く、笑顔なんだけどマネキンの笑顔みたいな印象だった。

服装は普通だった。

そんなある日

夕方に愛嬌のある大学生くらいのお兄ちゃんが、私の家のインターフォンを鳴らして来た。

何の用かと聞いてみれば、例のお隣さん一家が交通事故で亡くなったそうで、遺品整理に来た息子さんらしい。

突然の話で驚いたが、詳しく聞くと彼ら一家で車で移動中に激突事故で三人とも即死だとか……

ただ不思議だったのは、何故私に声をかけて来たのか?ということだった。

どうやらその息子さんがマンションの管理人さんに遺品整理の件の話をしたところ、ご家族が私と非常に仲が良かったというような話をしたらしく、挨拶と、もう長いこと家族と接していない息子さんだったので最近の家族の話を聞きたいという理由らしい。

その時の会話の一部

私「失礼ですが、今は大学生をされているんですか?」

息子「はい。ちょっと言い難いのですが、私が高校生の時に家族が変な宗教にはまってしまい、それに耐えられなくなって逃げるように大学進学とともに家を飛び出したんです」

私「ああ、だから長いこと連絡を取っていなかったんですね」

息子「そうなんです。ここに来たのは三年ぶりです」

家族が死んだのに暗い様子を見せない息子さんの態度は複雑なものがあった。

そんな会話をしながら、私も息子さんと一緒にお隣さんのドア前に出て来た。

息子さんが大家から借りた鍵で玄関のドアを開けた。

部屋に入って本当にびっくりした。息子さんの驚き方も異常だった。

部屋にはDVDプレイヤーが入ったテレビ台と、その上にテレビ、そして部屋の真ん中に無造作に置かれた大きめの段ボールが一つだけ。

段ボールの中には細々とした雑貨類が入っていた。

息子「どうしてこんなに片付いているんでしょうか……?」

私「いえ、私も分からないです……。お宅にあがったこともないので」

息子「そうですか……」

非常に驚きと落胆したような様子で部屋をくまなく見て回った。

食器も無ければ椅子も何も無い。

まるで引っ越して来たばかりのような状況だった。

もう探せるところと言えば、部屋の中央に置かれた段ボールのみ。

中を見てみると、テレビなどのケーブル?みたいなものや封筒の中にはお金と手紙が入っていた。

私は部外者なので内容まで見ていないが、息子さんが横で読むのをちらっと見てみると、どれも1万円以上のお金と、手紙にはお礼と意味が分からない言葉が延々と書いてあった。

太陽が無限のパワーを持っていて、それで世界を変えられる……みたいな内容。

息子さんはため息をついて、三年前と何も変わっていないと言った。

その後、見つけたDVDをプレイヤーにセットして再生してみた。

内容はやはり《太陽のエネルギーは無限の力を秘めており、その力をコントロールすることで、モノを動かしたり、時間を超えることが出来る……》と言った内容だった。

再生初めて三分くらいたって、ふと周りをみると息子さんが居ない……

あれ?って思った瞬間。

「帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ」

と少年の声がすぐそばからした。

横を振り向くと、知らない少年が部屋の隅で体育座りをして、私の方をじろじろ見ながら「帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ」と機械的に言っている。

言いようの無い恐怖を覚え、すぐさま部屋を飛び出した。

私の部屋は隣なので戻るのも怖く、すぐにマンションを飛び出し、近くのファミレスへ。

そして友達を呼んで、夜に友達を連れて自分のマンションへ戻った。

マンションの入り口で管理人さんに会った。

話を聞くと、確かにお隣さんの息子さんは遺品整理に来たが、管理人さんは私の話題を出していないし、もう遺品整理を終え、息子さんは帰られたとのことだった。

共通していたのは、息子さんが全然悲しそうじゃなかったことくらい。

この事件以降、特に変なことは起きていない。

ちなみにまだ隣は空き部屋だ。

玄関を開けるとき、また段ボールを空中移動させている場面に、出会うような気がして、引きこもりがちになってしまった……

(了)

 

獄・百物語 [ 平山夢明 ]

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