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中編 r+ 怪談

実家の怪異譚 r+2447

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最近、異常に恐ろしい体験をしたので、記録に残しておきたいと思う。

私は普段、自営業の手伝いをしているのだが、今年の12月初旬に長めの休みをもらった。年末年始は非常に忙しくなるため、このタイミングで半年ぶりに実家に帰省することにした。故郷は降雪が多く、冬特有の静寂の中にいると、自然と懐かしさが込み上げてきた。

翌日、家でのんびりしていると、父親から「雪かきでもしろ」と命じられた。私は素直に雪かきを始めた。すると成り行きで近所に住む老夫婦の家の雪かきも手伝うことになった。年配者にとって雪かきは過酷な作業であり、幼少の頃から「老人には親切にするように」と教えられていた私は、快く手伝うことにした。

「ばあさん、雪かきに来たぞ!」と声をかけると、ばあさんは「ありがとねえ」と笑いながら乳母車を押して外に出てきた。足が不自由なため、彼女は乳母車を杖代わりに使っていた。認知症の兆しがあるとは聞いていたが、私のことを覚えていてくれて少し安心した。

雪かきを始めると、ばあさんはぽつぽつと昔話を語り始めた。このばあさんはかつて村の児童館で子どもたちに昔話を語っていた語り部のような存在であった。しかし、村の子どもたちの数が減り、児童館が閉鎖されてしまったため、最近では話を聞く機会も失われてしまったらしい。そんなばあさんが、今日は私の家にまつわる話を始めた。

「お前の家は、N家の姫が武士に殺された場所でな、呪われているんだよ」

ばあさんの言葉に驚きつつも、これは祖父母からも聞いたことのある話だった。興味が湧いた私は、もっと詳しく聞きたいと思い、ばあさんの家に上がり込むことにした。家の中は石鹸のような匂いが漂っており、ばあさんは温かいココアを出してくれた。気がつくと隣近所のばあさんたちも集まってきて、三人のばあさんが私に話を聞かせてくれることになった。

話は雑談を交えつつ進んだが、要約すると以下のような内容だった。

今から約150〜200年前、N家、つまり私の祖父の実家は、この村で地主か村長のような立場にあった。その娘、いわゆる「姫」と呼ばれていた女性は非常に美しかったという。しかしある日、山に山菜を取りに行った際、数人の山伏と出会い、彼らに対して何らかの失礼な行為をしてしまった。そのことに激怒した山伏たちは、姫を殺害しようと追い詰めた。彼女は必死で逃げたが、私の家がある辺りで首をはねられてしまい、その遺体は柿の木に縛り付けられたという。

これを知った当時の地主は深く悲しみ、その土地に供養のための建物を建てて、その山に人が近づかないようにしたらしい。これが私の家の由来であると、ばあさんたちは語った。

その話を聞いて、私は背筋に寒気を覚えた。私の家の裏庭には小さな柿の木がある。その木がばあさんたちの言う「姫が縛り付けられた木」なのかもしれないと考えると、どうしても恐怖を感じてしまう。

その日の夕方、私は家に帰り、祖母にその話をした。祖母はしばらく黙り込んだ後、険しい顔で私を見つめ、ため息をつきながらさらに詳細な話を教えてくれた。元々この家には本家が住んでいたが、奇妙な出来事が頻発したため、祖父がこの家を譲り受けたという。現在の家は一度建て替えられ、築46年になるが、祖母の話では「呪い」が続いているという。その内容は、毎朝廊下が濡れていたり、家長が病に倒れたり、夜中に砂利を踏む音が聞こえたり、犬が異様に吠えたりするなどの奇妙な現象だという。特に納屋からは異様な気配を感じるとも言われている。

その話を聞き、私は心当たりがいくつもあった。夜中に砂利を踏む音は何度か聞いたことがあるし、幼い頃から納屋には近づきたくなかった。祖父も父も病気で亡くなっており、翌朝廊下を確認すると確かに湿っていた。

私は恐怖を感じつつも勇気を奮い、一度も開けたことのなかった納屋を調べてみる決心をした。ただし、一人では心細いため、たまたま同時期に帰省していた元ラグビー部の兄と、まだ学生の弟を伴い、三人で納屋に突入することにした。

兄は金属バットと懐中電灯、私はガスガン、弟はライト付きのビデオカメラという物々しい装備で納屋に入った。狭い納屋の中には古い家具や家電が乱雑に置かれていたが、特に目を引いたのは奥に置かれた大きなつづらと、古い白黒テレビだった。壁には昭和のポスターが貼られており、顔の部分が破れていて不気味さを感じた。

兄が一歩進んだ瞬間、突然悲鳴を上げた。驚いた私は後退し、足元で何かぐにゃりとしたものを踏む感触があった。見てみると、黒い液体が靴にまとわりついていた。その瞬間、私も恐怖に駆られ絶叫し、弟にしがみついて外に飛び出した。兄もすぐに続き、弟が最後に戸を閉めて駆け戻ってきた。

家に戻り、落ち着きを取り戻した後、兄に聞いてみると、「かあ〜」という女の声を聞き、手を掴まれたと言う。私が黒い液体のことを話すと、兄はさらに青ざめた。

その後、ばあさんから「納屋には手を出すな」と叱られた。あの柿の木について尋ねると、昔雷に打たれて一度枯れたが、再び芽を出して育ったという。呪われた木なのか、それともただ生命力が強いだけなのか、その真相は不明だが、どこか恐ろしさが拭えない。

私は本来もう一日実家に滞在する予定だったが、恐怖心に耐えきれず、そのまま自分のアパートに戻ることにした。道中、ヘビメタを大音量で聴き、ゲームに没頭することで恐怖を紛らわせた。

アパートに戻ってから一日が経った頃、兄から電話がかかってきた。震える声で兄は「見た!」と言った。納屋を外から見たら、窓に中からべったりと女が張り付いていたというのだ。その言葉を聞くのがあまりにも恐ろしく、私はすぐに電話を切った。

その後、納屋で何があったのかは未だに不明だ。ただ、私の仮説としては、納屋には何らかの霊的存在が封じ込められているのではないかと思っている。この話には結論も教訓もないが、こうして書き残すことで少しでも恐怖が和らいだ気がする。

[出典:14:本当にあった怖い名無し :2014/12/07(日) 02:08:46.98 ID:a1O+WaJk0.net]

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