短編 心霊スポット

八王子城跡の怪異【ゆっくり朗読】2900

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八王子城の話を警備隊長としていた。

この人は高尾に住んでいる。

歳は59になったばかりの物好きな元警察官だ。

中学生の頃から歴史が好きで、周辺の郷土史に詳しい、柔道と剛柔流の有段者だ。

この人は八王子城だけは行かないという。

何か入口で嫌な気持ちになったり、近くを流れている川が真っ赤に見えた事があるからだそうだ。

毎年新卒でニ名の新人がこのビルの防災センターにやってくる。

ある新人が同じ八王子から来ており、そんな話をしていたら、やはりその新人も、心霊スポットという事で遊びに出掛けたら、深夜に女の泣き声を聞いたり、別の日に川が一面赤色に見えたという。

[出典:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1410191336]

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八王子城の壮絶悲惨な史実

天正18(1590)年6月23日、豊臣秀吉の小田原攻めの別働隊(前田利家、上杉景勝、真田昌幸ら)1万5千の軍勢の猛攻をうけて、わずか城兵約千人の八王子城は一日で落城した。

北条氏の戦意を挫くため大殺戮戦が行われたのだ。

城主の北条氏照と家臣の殆どは小田原の合戦に出ており、城内には僅かな家臣と婦女子しかいなかった。

急遽、領内から農民や職人、その家族らを呼び集め城内に動員したが、婦女子・農民らを合わせても千人程が籠城したに過ぎなかった。

一万五千の軍勢に対抗する術は無く、僅か一日で八王子城は落城してしまう。

当時、籠城戦は籠城側を降伏させて開城させるといった敵味方の人命を優先する戦法が主流だった。

しかし、八王子城での戦は見せしめの意味もあった為、降伏する事も許されず徹底的に叩かれた。

不幸にも戦に巻き込まれた多くの非戦闘員が無残な死に方をした。

捕まった婦女子達は首を刎ねられ、ある目的から首だけが小田原方面へと運ばれた。

同時期に小田原城の攻防、"小田原の役"と言う豊臣軍と北条軍の大規模な戦が繰り広げられていた。

八王子城から運んだ首を北条軍の前に晒して士気を下げるといった非人道的な知略が遂行された。

北条軍には八王子城に妻子を置く将兵も多く、絶望と悲しみにより士気を失った将兵も少なくなかった。

非人道的な知略を使わなくてはいけない程に重要な戦だったのである。

家族の前に首を晒されるくらいならと、婦女子達は自らの喉を短刀で突き、その身を御主殿の滝に投じた。

小田原で戦う家族の足手纏いになりたくないと言う想いが彼女達に自刃を決意させたのだろう。

死は免れない状況で最期の最期まで家族の事を想い選んだ道なのである。

御主殿の滝から流れる川は彼女達の血で三日三晩赤く染まったと言う……

(了)

 

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