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中編 土着信仰

《えんぶり》が始まる頃に行われる秘密の土着信仰儀式【ゆっくり朗読】4300

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兄貴とオレは林業に携わっていて、よく業者からの依頼やたまに個人の依頼が来て山に木を切る為の書類と現地視察に行くのが主な業務。

925: 本当にあった怖い名無し:2015/02/22(日) 18:57:16.56 ID:1U/J4SFT0.net

というのも、俺ら兄弟で林業ってのは、親父がガンで亡くなって実家の家業をそのまま継いでいるだけだから林業に対する何かが有るわけじゃない。

父が亡くなる前に《あること》をお願いされて現在この仕事を引き継いでいる。

父親「ムナカタ土建(仮名)の資材置場の端に林道があるだろ。あそこの奥の集落の依頼は最優先に頼む」

兄貴「依頼ってどんな依頼?」

父親「お願いされた木を、言うとおりの日に切って渡せばイイ」

たったこれだけだったが、俺はなんか面白そう!って少し思った。

コレ言うとバレるかもだけど《えんぶり》という春を告げる祭りがこの地域ではあり、この《えんぶり》が始まるとその依頼が来ると言われていた。

ある日の朝九時に、老夫婦がうちの事務所にやってきた。

「お父さんから聞いてるべぇ?あれ頼みに来たすけ、ついて来てけろ」

兄貴と俺だけしか行くな、と親父に言われていたので事務員に後は任せ、二人でその老夫婦に着いて行き資材置場の端の林道を通った……

林道自体知ってはいたが、一度も行ったことがなくなんか新鮮だった。

入って三〇分経たない位で杉林から広葉樹の広がるこれぞ山!って感じの所に着いた。

老夫婦「この木をぶったぎって持ってきてけろ」

兄貴「何時頃伺えばいいでしょう?」

老夫婦「いや、おらだがここさ迎えサくるからそれまでに切っておいてけろ」

と言われ、大きなブナの木の枝を言われた数切って待っていた。

兄貴が、この木でけーな。って一服しながらドアを開けそ、のブナの木に向って行ったので俺も暇だから着いて行った。

木の根っこの部分に小さい祠があって、祠ってこの木って御神木かなんか?と思った。

兄貴「何に使うんだろうな。普通の木ではないことだけはわかるが、なんか嫌だな」

二時間した後老夫婦が、ついて来いと言われ向った。

その木がある更に奥の方に向って一時間ちょっと進んだ所に、十数軒くらい家がある集落についた。

入ってすぐに思ったのは、なんでこんな所にキリスト教的な石像が沢山置いてあるんだ?ってこと。

じゃあここに居てと言われ、集会所のような場所で待機していたら、十数人ほどの住民たちがきて、その老夫婦が俺らを《親父の子供たちだ》と説明していた。

老夫婦「じゃあ始めるから行きましょう」

着いて行く他なかった。

隣にミニチュアの廃校みたいな造りの建物があって、そこに向かう。

一番広い部屋の奥に皆向かった。

そこには、井戸とは違う少し大きな深い穴があった。

……すまんコレ以上は言えない。

言えるのは、隠れキリシタンと日本の古来の歪んだ風習が混ざった、土着信仰の儀式に俺らは呼ばれたって事。

あいつらどうかしてる。

どうかしてるが、あいつらのお陰で会社は絶対に潰れない。

この理由も言えない。

テレビや都市伝説じみた話が本当にあるんだぜ、この世の中には。はあ……
939: 本当にあった怖い名無し:2015/02/23(月) 10:29:45.69 ID:4otZhmW30.net
ガチっぽいなこのはなし。
ググったら《えんぶり》って青森県の南部地方のド田舎でやる祭りみたいだね。
しかも周辺に《キリストの墓》あるし隠れキリシタンがいてもおかしくはない。

940: 本当にあった怖い名無し:2015/02/23(月) 11:12:06.58 ID:fU44FQQX0.net
東北のキシリタンだと、伊達家関係?家康の弾圧もあり、北へ北へ逃れたと聞いた事がある。
東北だと大和の物部氏も逃れていったし、新羅関係も東北まで逃れていったと言われてる。
《えんぶり》は、大陸北方騎馬民族の習俗が入っている。という話もあるね。

948: 本当にあった怖い名無し:2015/02/24(火) 01:25:21.87 ID:ACMu1dme0.net
面白かった。
関係無いけど嫁が新潟出身で実家が寺なんだが、結構前の正月で聞いた話で、青森って土地は一番霊界に近い神も仏も集まる土地で、その影響から青森県民は霊能者が多く、神に好かれる者が多く寿命が短い人が多いんだとか。
嘘ーん、ってググったら日本で一番の短命県が何年も青森がワースト1なのね。
びっくりしたのとちょっとゾッとした。

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参考資料:朳(えんぶり)

えんぶり(朳)とは、初春の神事として青森県八戸市一円を中心とする東北各地で広く行われる予祝芸能の一種である。八戸市における保護団体は八戸地方えんぶり連合協議会。

概要

2月17日の早朝に30組を越える「えんぶり組」が八戸市長者山の長者山新羅神社に詣でた後に同市の商店街で一斉摺りを行い、その後更に近郊農村部を門付けして巡り、20日までの4日間に亘って同市内の各所で演じられる。
現在では観光的要素の大きい行事となっているが、元々は儀礼性の濃い田楽(田植踊)の一種であるとされる。

八戸えんぶり一斉摺り

先端に鳴子板や金輪をつけた「ジャンギ」と呼ばれる棒を持って踊られるが、このジャンギが田植え前に田を均すのに用いる柄振・朳(えぶり)という農具に起源も持つものであるために「えんぶり」と呼ばれるようになったと伝えられる。

えんぶりの舞い

農作業に活躍した馬の首を象り鶴や亀等の瑞獣を描いた長大な烏帽子を被った3人から5人の「太夫(たゆう)」という踊り手が、笛と太鼓、手平鉦による囃子と祝言風に田作りの情景を唱う歌に合わせて、首を傾け傾けしつつジャンギを地面に突き立てたり地面を摺るようにして勇壮に踊り、編成は太夫を始め囃子方、唄い手など総勢20~30人から成る。

「摺り始め」「中の摺り」「摺り納め」から構成され、各合間に
「松の舞」
「恵比須舞(えびすまい)」
「大黒舞(だいこくまい)」等の祝舞(しゅくまい)や、

田植えの様を滑稽に演じる
「田植万才」
曲芸風の「金輪切」
厚化粧を施された児童(稚児)による「エンコエンコ」
等の余興舞が挿入される。

また、踊りは動きがゆっくりとした「ながえんぶり」と拍子の速い「どうさいえんぶり」に二分されるが、途中で「ごいわい唄」が入り、「神酒いただき」のある「ながえんぶり」が古い型であるという。

また、どうさいえんぶりの烏帽子には、「前髪」というテープ状の房がついている。

ながえんぶりの烏帽子には前髪は無く、リーダー「藤九郎(とうくろう)」のものにだけ、ボタンまたはウツギの花がついている。

歴史・沿革

もともとは旧小正月に行われ、明治維新直後「物乞いに似た行為」として当時の県より一時禁止令が発せられたが、明治14年(1881年)に当時の有力者(大澤多門ら)により八戸町内(当時)の長者山新羅神社の神事として復興された。

その後、明治30年(1897年)からは「えんぶり行列」として同神社の相殿神として祀られていた稲荷大神の神輿渡御式も行われるようになり、明治42年(1909年)には伊勢神宮の2月17日の祈年祭に合わせて現行日に改められた。

文化財指定

八戸地方の予祝芸として芸能史的価値の高いものとして、昭和46年(1971年)11月11日に選択無形民俗文化財とされ、昭和54年(1979年)2月3日に国の重要無形民俗文化財の指定を受けた。

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