短編 洒落にならない怖い話

あの女【ゆっくり朗読】4618-0113

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正夢とか予知夢とかありますよね。

私はよくそういった類のもの見るんです。

昔からなんですが、そういった夢に限ってあとからすごく気になってくることが多いです。

妙にリアル……

生臭さのある夢……

今年、歯がぼろぼろになって抜ける夢を何度も繰り返し見て、血の味とか肉の感触がそれがもうリアルすぎて、気になったものだから半信半疑で夢占いで調べてみたら、近親者が亡くなる予知夢でした。

そのあと、姉が死ぬ夢を見て夢なのにリアルすぎて泣きながら起きたことがあったのです。

調べたら、夢で亡くなったその人の近親者が亡くなる予知、とかで……

歯の夢のこともあったし、もしかしたら身近になにかあるのでは?なんて思っていたら祖母が亡くなりました。

そして3月頃に、また友人が死ぬ夢をみて泣きながら目が覚めたことがありました。

上のこともあったのでまさかとは思っていたんですが、先月その子と会う約束をしていたら前日に連絡が入って、おばあさんが亡くなったから行けなくなったとのこと。

ずっと忘れてた探し物が、夢のなかでみつかって次の日母親がみつけたこととか、黒ねこがなついてじゃれてくる夢の次の日、家の前で黒猫が死んでたとか……

最近ではそんなことがあり、昔からいろんな不思議な夢をみてきた私ですが、大学に入ってからよく見る夢が多重夢です。

夢の中で夢を見るというアレです。

そんな多重夢のお話をさせていただきたいと思います。

周りは橋が直線状に何個も連なっている場所だった。

気がついたら私は橋を走っていて、夢だと知りつつも何かから逃げているのだ。

長い長い橋を渡り終えた私の目の前に更に新しい橋が現れた。

さあこの橋を渡らなければ!追いつかれてしまう!

私は焦っていた。

しかしその橋には古い木の板で作られたであろう看板のようなものがあった。

その注意書きがおかしいのだ。

「死なないと渡れません。突き刺し」

……?

直後

後ろから追ってきた何者かに木のようなものでグサリと刺された。

血が……血が

お腹から噴き出している

血はこんな色だったのかと目を疑ってしまうほどのドス黒い血が次から次へと噴き出し溢れてくるのだ。

あたりに血の、あの独特な鉄臭い匂いがぷ~んと漂ってくるのが分かった。

苦しい 痛い 夢なのに !

この悪夢から逃れるには文字通り早く目を覚まさなくては……

そこでぱっと目が覚めた。

思わずホッとした。

だけど次の瞬間、気づいてしまった。

自分が橋の上を走っていることに。

そしてやはり後ろから何か追ってきているのがわかる。

必至に逃れ、橋を渡り終えて次の橋までたどり着くととまた看板があった。

「死なないと渡れません。操り人形」

操り人形?

なんだそれは……

糸が

無数の糸が互いに絡まりあい私の体に巻きついている。

いつの間に!

最初感じたのはくすぐったさだった。

ふと小指が持ち上がった。

次は中指が……そして親指が。

ああ、成程…操り人形。

ぷつっ

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まず小指が目の前でちぎれた。

踊るように軽快に私の体は操られ、そして

ぶちっ ぶちィっ……

指が 腕が 脚が 胴が

操り人形みたいに持ち上げられてはポトポト落ちた。

ブツッ

ゴトッ……

頭が 落ちた。

はっと目が覚めた

何なんだ今の夢は……

操り人形って……気持ち悪い……

怖い怖い怖い。

なんて思いながらやっぱり走っているのだ。

長い橋を。

あれ また 夢 の 中 だ

ああ…後ろから私を捕らえようと何かが追いかけてきている。

さあ橋を渡り終えたら、次の橋にはまた看板が。

「死なないと渡れません。繰り抜き」

ま た だ 。

恐怖に呆然としていると、後ろから何か聞こえてくる。

「かえしてー」

か細い女の、…悲痛な声。

さっきも、その前も追いかけられては殺され追いかけられては殺されの繰り返しだ。

私を殺し続けているのは一体誰だ?

初めて抱いたその疑問に振り向くとそこには……

目がない女がスプーンを持って立っていた。

「かえしてー」

繰り返すその言葉にどうしようもない恐怖を感じた。

逃げたい

でも逃げられない

夢から起きられない

ゆっくり女が迫ってくる。

女は目のない目で私を射抜く。

ああ、また殺されるの

女がスプーンを振り上げた瞬間だった。

私は妙な違和感に気づいた。

この女をあたしは知っているのだ。

目はないがわかる。

あたしはこの女をよく知っている。

でも誰だ?わからない思い出せない。

目にスプーンが突き刺さる瞬間、ハッと目が覚めた。

周りを見渡すと自室だった。

今度は本当に目が覚めたようだ。

とても夢だとは思えないようなリアルな夢から解放されたのだ。

ほっと胸を撫で下ろした後に、気がついて全身鳥肌がたった。

気が付いてしまった。

あの女

あの女は……

私だ。

私だったのだ。

木で一突きにしたり、糸で遊ぶように手足をちぎったり、目をスプーンでくり抜こうとしていたのは、あたしだったのだ。

どうして自分だということに気付けなかったのだろうか……

たとえ目が無くともどう見てもあの女は普段見慣れている己の姿で己の声っだった。

何度も何度も殺しをしていたのはあたしだったのだ。

あれ じゃあ 殺されていたのは 誰だったんだ?

あの意識は 誰のものだ?

あたしはあたしを殺していたのか。

それともあの時のあたしはあたしではなく他の誰かだったのだろうか。

そしてあたしはその誰かを殺し続けて何を返してと言っていたのだろうか。

返してー

という確かに自分のものであるあの、悲痛な声がしばらくこびり付いて離れなかった。

猿夢のような夢ですよね。まあ殺されてますが……

この夢と関係あるのかわかりませんが、夢を見た翌日から目に炎症がおこり、眼帯をしている状況です。

関係ないですよね……

(了)

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