これは今でも起こり続けている話です……
2005/05/20(金) 20:48:04 ID:BEszc9f70
自分は三年前に、アパートに電話回線を引くことにしました。
電話回線ってどうやって引くのか、と同僚に聞いたところ、家電量販店で安く契約できると聞き、近場の量販店で契約をしました。
一週間ほどで量販店から電話番号を教えてもらい、使用可能に。
使えるようになったはいいのだけど、なんだか間違い電話がやたらとかかってきます。
後で知ったのですが、電話番号というのは使いまわしになっているものらしい。
自分は電話帳にも載せていなかったので、前の使用者とどうやら間違えてかけてきてるようでした。
間違えてかけてきた人が呼び出す名前はいつも一緒。
仮に照井さんとします。
この照井さん宛ての電話が、毎日のようにかかってきます。
相手するのも面倒になってきたので、常時留守録状態にしてほったらかしてました。
二~三ヶ月ほど続き、会社から帰って、いつものようにメッセージの確認をしていたところ、
『こちらトイチファイナンスですが。照井さんお早めにご連絡をお願いします』
おやおや、照井さんはお金でも借りてたのかな?と、さほど気にもしませんでしたが、翌日も、『トイチファイナンスです。昨日ご連絡をいただけませんでしたので、急ぎ連絡を願います』とかかってきました。
その翌日でした。
野太い男の声が録音されています。
『おい!照井!連絡よこせ!いい加減にしろよ、明日までに連絡をよこさなければ……』
ここで切れました。
それから数日して、仕事から帰ると留守録が入っています。
友人かと思い再生すると、聞こえてきたのは、
『……ブクブク……プク……オカケニナッタ……ブクブク……プク……ダシテ……ツカワ……』
ん?何か泡のような音。音量が大きくなったり小さくなったり。
えらく遠いところで、何かメッセージージが流れている気がするけど?
おかけになった電話は現在使われておりません?かな、とか思いましたが、自分にかかってきた電話に、そんなのが録音されているはずは無い。
ま、何かの間違い電話でしょ……と、気にせずに放置。
翌日も同じ留守録。
その翌日もまた同じ……そのまた翌日も……
なんどか聞いているうちに、どうにも水の中でしゃべっているような、そんな声に聞こえてきてしまいました。
『ブクブク……オカゲデナッタ……ブクブク……ココ……ダシテ……モウツカワ……』
なんだか気味が悪いったら。
翌日もまた留守録が入っています。二件でした。
『照井さん、連絡がなくなって二週間です。会社の人も心配しています。早く連絡を願います』
照井さんの友人のようです。
連絡が無い?二週間前から?二週間前と言うと、丁度あの野太い男の声の留守録があった翌日です。
その後に、また例の留守録が入ってました。
なんだか気味が悪いを通り越して、嫌な想像をしてしまいます。
気にしないようにと眠りました。
翌日は仕事は休み。
普段は出かけるのですが、気になるので電話に出てやろうと、今日は部屋にいる事にしました。
いつもかかってくる時間は十五時過ぎでした。
そして十五時過ぎ、呼び出し音がします。当然電話を取りました。
「もしもし、どちら様でしょうか?」
『ブク……オマエオカゲブクブク……ココ……ダシテ……モウツカワナイ……』
「誰なんです!毎日毎日!いたずらはやめてください!」
ツーツーツー………
『オマエノオカゲ』って言われた気がする………
また呼び出し音が鳴りました。
気持ち悪くて取ることが出来ずにいると、留守電に変わりました。
『照井さん、昨日も連絡をいただけませんでした。会社では、失踪として警察に届けることになりました』
慌てて電話を取りました。
「もしもし。うちは照井さんの家ではありませんよ」
『あ、間違えました。すいません、番号は*******ですか?』
「そうですよ、良く照井さん宛ての電話がかかってきて困ってるんです」
『失礼しました。会社に登録されている番号が同じですので、皆にも連絡しておきます。では』
間違い電話の正体はつかめたようです。
でも、例の水の中からの声のような電話は?
この後から、しばらく例のメッセージは録音されていませんでしたが、それでも数ヶ月に一回程度の割合で、例のメッセージが録音されています。
あいにくと、こちらの正体はつかめていませんが、借金(これも想像)……男の声……失踪……日付の一致……水の中のような声……
嫌な想像をせずにはいられません。
『オマエノオカゲ……』
怖いと思うから聞こえてしまうのでしょうが、気になっています。
(了)