いとこの話。いとこ視点で書きます。
378 :名無しさん@おーぷん :2014/08/03(日)18:40:53 ID:yzx34L8rm
私の母の実家は代々霊感持ちが多め。
私や叔母は全然ないけど、祖母、母、妹、兄娘などがじゃっかんの霊感持ち。
でも霊がはらえるほどではなくて「なんとなく、いいものか、悪いものかわかる」程度と聞いていた。
結婚して六年目に旦那の不倫、不倫相手の妊娠が発覚。
上手くやってきたと思っていただけに驚いた。
大混乱しつつ、関係修復を希望し、別れない!!
と主張する私に、記入済の離婚届と『俺のことを忘れて幸せになれ』という手紙を置いて、旦那は逃亡&転職してゆくえ知れずになった。
貯金は慰謝料として三分の二ほど残してくれていた。
私はショックのあまり寝込んで、実家で静養することに。
しばらくして夫からLINEで連絡が入るようになる。
結構な長文で離婚届の提出の催促と、私の健康を心配する内容だった。
返信はしたが、どうしても離婚届はだせなかった。
ある日、旦那からのLINEをみたら、「いやだ!死にたくない!!」っていう旦那の絶叫が耳元で響いた。
びっくりして、絶叫してスマホを投げ捨てた。
私はてっきり、そういうボイスメール的な新機能をLINEがつけて、旦那がそれをイタズラで送ってきたのかと思った。
そういう子供っぽいことをする人じゃないと思っていたし、健康を気づかう連絡もそれなりにあったので、まだ私のことを少しは好きかも……
という気持ちも少しはあったけれど、その気持はこっぱみじんになり、急速に冷めた。
なんか目が覚めたって感じ。
私の何が悪かったんだろう…から、一転。不倫の最低クソ野郎と初めて怒りが沸いた。
離婚届提出、以前のアパートの引き払いなどサクサク動いた。
再就職のためスマホも新しいのを買った。
私の急な立ち直りっぷりを不思議がった家族に、事情を説明してそのLINEを見せたら、母と妹がギョッとして後ずさった。
二人はしばらく見つめあった後、こういった。
「旦那さん、亡くなってるわ」
私はびっくりしてLINEを見た。
そこにあったのは「しにたくな」の文字列だけ。
ボイスメールなんてなし。
「正確には、『嫌だ、死にたくない、助けて』だね」
と二人でうなづく。
二人によると、何らかの原因での死に際に、とっさに私に助けを求めたらしい。
「旦那さんの『死にたくない』って気持ちが強すぎて、霊感のない姉ちゃんにも聞こえたのかも。姉ちゃんが呪い殺したわけじゃない。でも、姉ちゃんが『戻ってきてほしい』って強く思いながらこのスマホをずっと使っていたから、向こうでちゃんと供養しているのに旦那さんの霊がかなりこっちに引っ張られてる。早くスマホ捨ててLINEも、もう使わない方がいい。他にもつながりがあるものはなるべく捨てたほうがいい」
半信半疑ながら大あわてでスマホをリサイクルに出し、婚姻関係終了届を出した。
母と妹はそっちはそっちでオカルト的な対策はしてくれたらしい。
(塩とか、お札とかよくわからない)
(了)