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短編 凶悪殺人事件

【閲覧注意】大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件【ゆっくり朗読】180k

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大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件とは

平成六年(1994年)九月二十八日から十月七日までに三府県で発生した未成年の少年グループによるリンチ連続殺人事件をまとめて称する事件である。

また、未成年の死刑判決が確定した事件としても有名である。

主犯は三人の少年とされるが、実際には男女の未成年グループ十人で大阪・愛知・岐阜の三府県で四人をリンチ殺害している。

三人ともに事件当時は未成年であったが、実名は公表されている。

事件の概要

暴力団に所属した主犯格3人を中心とした犯行で、当時未成年の不良少年らによる凄絶なリンチの末の凶行として社会を震撼させた。

一連の事件では計10人が逮捕され、うち主犯格3人は全員が当時少年でありながら控訴審までに死刑判決を言い渡され、最高裁判所で上告を棄却する判決を受けたことで死刑が確定した(少年死刑囚)。

3府県にまたがって発生し、警察庁から中部管区警察局第3号事件に指定された本事件は、
府県連続リンチ殺人事件
木曽川・長良川連続リンチ殺人事件
木曽川・長良川事件とも呼ばれる。

KB:(犯行時十九歳)

愛知県一宮市出身。生後すぐ母親と死別、親類の家の養子となる。

幼少の頃から盗み癖があったらしい。万引き、カツアゲ等で中学時代には救護院に入っている。

しかしながら益々非行が増長し、窃盗・恐喝・強姦などを繰り返し少年院に入所。

一旦は仮退院したものの強姦事件を起こして補導された。

同年強盗致傷事件を起こして大阪へ逃亡する。そこでKM・HGと知り合った。

KM:(犯行時十九歳)

大阪府松原市出身。定時制の工業高校に進むも一年で中退。

ホストクラブで働いたのちに暴力団の準構成員となる。

HG:(犯行時十八歳)

大阪市西成区出身。七人兄弟で貧困・放任の家庭で育つ。

この三人は特に凶悪で、恐喝や強姦を繰り返すなどしていたという。

大阪リンチ事件

1994年九月二十八日午前三時頃。

主犯格の三人ともう一人の仲間を連れ、大阪市中央区で無職の男性(当時二十六歳)を強盗目的で襲い拉致。

十九時間にわたって監禁・暴行を繰り返し、最後はベルトを使って絞殺した。

遺体にタバコの火を押し付けて死んだ事を確認した後、暴力団員に遺体の処分を相談。
結果、高知県安芸郡奈半利町の山中に遺棄した。

男性の遺体には凄まじい暴行の痕があり、鎖骨・肋骨三本の骨折、及び内臓破裂していた。

木曽川リンチ事件

大阪での事件後、発覚を恐れて三人は地元の愛知県稲沢市に移動。

十月六日、不良仲間の家でシンナーを吸引していたところ、少年グループの一人である型枠大工の男性(当時二十二歳)が訪れた。

男性の彼女はKBに強姦されていたため、トラブルとなり喧嘩となる。

KBはKMやHGら仲間七人と共に、男性をビール瓶や鉄パイプなどで約八時間にわたって激しく暴行。

リンチはビール瓶などで殴打し、傷口をフォークで突き刺す・または面白半分で傷口にシンナーや醤油をかけて反応を笑うといった陰湿・凄惨なものだった事が判明している。

翌日未明には愛知県尾西市の木曽川河川敷で瀕死の男性を堤防から突き落とし、更に雑木林へ引きずりシンナーをかけた上で火をつけて殺害した。

遺体は十月十三日に同場所で発見されるが、火傷の痕はあまりにも痛々しいものであった。

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長良川リンチ事件

十月七日の深夜、彼らは愛知県稲沢市のボウリング場の駐車場で物色しており、たまたま鉢合わせとなった二十歳の男性二人、十九歳の男性一人を襲って金品を奪った上に拉致する。

車の後部座席に押し込み連れ回し、現金11,000円を強取。

その後、岐阜県安八郡輪之内町の長良川河川敷で会社員の男性一人(当時二十歳)とアルバイトの男性(当時十九歳)の二人を鉄パイプなどで執拗に暴行・殺害した。

二人がぐったりするとやはりタバコの火を押しつけ死亡確認したが、その後も遺体に暴行を加え続けている。

一旦はその場を離れた少年たちだったが、「ツルハシでとどめを差しておけばよかった」と現場に戻っている。

遺体は翌日に同場所で発見されたが、両者の遺体は頭蓋骨や腕など全身骨折の上、身体の血管の大部分が損傷を受けて大量出血しているという無惨なものだったという。

身を守ろうとしたのか両腕の骨は砕けてボロボロになっていた。

その際、少年グループはもう一人の二十歳男性は解放している。

この男性の供述から犯行が明らかとなり、警察は少年グループを指名手配する。

このため、KMは十月十二日に出頭、十月十四日にKBも出頭した。

HGは逃亡したが、1995年一月十八日に大阪で逮捕され、他のメンバーも逮捕された。

主犯格ら三人は、強盗殺人・殺人・死体遺棄・強盗致傷・恐喝・逮捕監禁の計六つの罪で起訴。

だが裁判では、三名共に反省のない態度をみせ、「自分は未成年だから死刑にはならない」「俺の刑はどれくらいなの」と発言したり、被害者遺族に対して笑みを見せるなどして、傍若無人な態度を繰り返した。

また、犯行に反対していたグループの仲間である二人の少女の殺害も計画していたと証言する。

このような態度及びあまりにも残虐な犯行から、一審の名古屋地方裁判所において検察より死刑が求刑される。

「自分は少年だから死刑にならない」と考えていた三名はこの頃から遺族に対して謝罪の手紙を送るが、遺族には受け入れられなかった。

2001年7月9日

名古屋地裁で判決公判が開かれ、KBは殺人罪で死刑、KMとHGは傷害致死罪で無期懲役の判決が下される。

この判決に遺族からは不満の声が上がり、弁護側・検察側共に判決を不服として控訴した。

2005年10月14日

名古屋高等裁判所で控訴審判決が行われ「四人の生命を奪った結果は重大」「三被告の役割には差は無い」として、KB・KM・HGの三名にいずれも死刑の判決を下した。

これは日本における同じ少年犯罪で複数の被告に死刑判決が下された初めての判例であった。

被告側は判決を不服として上告する。

2011年3月10日

最高裁判所は「十一日間という短期間に犯行を重ねており、執拗で残虐。地域社会に与えた影響は大きい」として、上告を棄却し元少年三人に死刑が確定した。

判決後、死刑確定によって更生の可能性が事実上なくなったことを受けて、各報道機関はKB・KM・HG三人の実名を公表。

KBは東京拘置所に、KMとHGは名古屋拘置所にそれぞれ収監されている。

2013年1月、死刑囚の一人について「自白の信用性に疑問がある」として名古屋高等裁判所へ再審請求が提出されたが、2013年8月19日棄却された。

(了)

⇒ 事件の詳細

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