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短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚 n+2026

和室の外側 nc+

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昔々のNGな五人全盛時代のことだ。

関西在住の私は、同人仲間と東京のイベントに行こうという話になっていた。東京の大手さんとも交流できるらしく、皆かなり浮き立っていた。

だが、以前から経過観察していた筋腫が悪化し、手術と一週間の入院、その後一ヶ月の自宅安静が必要になった。結局、私は不参加になった。また次は行こうと言われ、イベント当日は無事に手術を終え、自宅で横になっていた。

うつらうつらしながら、もし参加していたら今ごろどうしているのだろうと考えていた。すると意識が曖昧になり、気づけば夢の中で、私は紙袋を両手に提げて会場を歩き回っていた。買った同人誌で袋はパンパンだった。見知らぬ東京の大手さんや、数えきれない人たちの間をすり抜けて進む。

そのうち疲れて、早く皆のところに戻って休みたいと思った。見ると、皆が和室に集まっている。近づこうとするが、和室を囲む障子の前で足が止まった。開いているはずなのに、どうしても中に入れない。
和室をL字型に囲む廊下を行ったり来たりするだけで、障子の向こうに踏み込めなかった。

そこで目が覚めた。夢だと分かったが、妙な焦りと苛立ちだけが体に残り、しばらく動けなかった。

数日後、イベントに参加した友人たちがお見舞いに来た。土産話を聞いて楽しい時間を過ごしたが、後日、再び会ったときに別の話を聞かされた。

イベント翌日、大手さんと昼食会があり、和室で食事が始まりかけた頃のことだ。和室をL字型に囲む廊下を、誰かが通ったのが見えたという。しかし、和室に入ってくる人はいなかった。不審に思って確認しても、廊下には誰もいない。
その場にいた半数近くが、「障子の開いているところから人影が通った」「両手に荷物を提げた着物姿の女性だった」と同じことを言ったそうだ。

私は、母の遺した着物をよく着ている。一人で出かけるときは、だいたい着物だ。その話をしてくれた友人は、クリーム色の着物だったと付け加えた。

それ以上は誰も深く追及しなかった。店の人だろう、他の客だろうということで、その場は終わったらしい。

ただ一つだけ、後から分かったことがある。
あの障子の向こうの廊下は、その先で行き止まりになっていたそうだ。

それを聞いたとき、私は夢の中で、どうしても和室に入れなかった理由を思い出した。

今でも、和室を見ると、なぜか一歩手前で立ち止まってしまう。

(了)

[出典:36 :こわい:2016/01/12(火) 01:56:01.38 ID:SUZL3bdY.net]

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