短編 怪談

なんで#995

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夜の十一時半くらいかな。

542 本当にあった怖い名無し sage 2010/09/30(木) 16:34:05 ID:GQxXi7ED0

バイトが終わって自分の住んでるマンションのエレベーターに乗った時の話。

俺の部屋は三階。

電子盤の三のボタンを押したとき、電子盤の下に長方形の小さな鏡があることに気がついた。

普通エレベーターに鏡があるのはエレベーターの後ろだ。

こんなところに鏡なんかあったっけ?と思いながら鏡を眺めてたら、エレベーターの個室の右後ろに通路があるみたいになってるのよ。

エレベーターの箱なんて大抵正方形か長方形。

すみっこにちょこんと通路が伸びてるなんてありえないんだけど、でも通路があるみたいになってた。

で、その通路からチラチラ白い服の裾みたいなのが見えてるのよ。

不思議に思ったけど、それ以上は何も考えなかった。

エレベーターのドアが開いたから。

でも、よく見たらそこは五階だったんだ。

俺の部屋は三階。

俺はちゃんと三階のボタンを押したはず。

でも五階に止まった。

まぁ、そういうこともあるだろうと思って、三階を押しなおした。

その時、また鏡が目に入ったんだが、俺はとんでもないものを目にした。

さっき言ってたあるはずのない通路から白いワンピースを着た若い綺麗な女の人が出てきた。

……いや、ごめんおばさんだった。

白いワンピースを着たおばさんが出てきた。

で、そのおばさんなんだけど、目を閉じてるのよ。

目を閉じてるというか、目のあるはずの場所が手術跡みたいになってる。

そのおばさんを見た途端、これは見ちゃいけないものだと思って、俺は反射的に目を閉じてその場にうずくまった。

エレベーター、まだ三階についてないし。

そしたらそのおばさんがうずくまってる俺の両肩を叩きながら

「ねぇ!? なんで目閉じてるの!? ねぇ!? ねぇ!? なんで!? なんで閉じてるの!? ねぇ!? ねぇ!? ねぇねぇねぇねぇね(ry」

と狂ったように喚き散らしてきた。

怖いとか感じなかった。

ただ、目が覚めた。

どうやら夢だったらしいんだけど、目が覚めた途端に、キィーンッ!って耳鳴りがして、体がぶるっと震えたんだ。

で、体が痺れたように動かなくなった。

金縛りとかあんま詳しくないしよく分からないんだけど、これが金縛りっていうのかな?

手足は動かなかったけど、目だけは動いた。

俺は寝る時いつもオレンジ色の豆電球つけて寝てるんだ。

だから部屋は真っ暗じゃなくてちょっとは明るいんだけど、目を開けてみるとなんかの影が覆いかぶさってて視界が暗いのよ。

それが何かなんて確かめる勇気は無かった。

だから目をつぶって寝ようと思ったんだけど。

「ねぇ!? なんで寝てるの!? ねぇ!? ねぇ!? なんで!? なんで寝てるの!? ねぇ!? ねぇ!? ねぇねぇねぇねぇね(ry」

俺の肩を叩きながら耳元で狂ったように喚き散らしてた。

あのおばさんの声で。

怖いっていうよりうるさかったな。

とにかく目つぶって耐えてた。

気が付いたら朝になってた。

とりあえず、母親に朝の挨拶。

ちなみに今朝の話。

まったく意味が分からん。

おかげで寝不足で頭痛い。

勘弁してくれ。

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