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短編 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間 n+2026

好きだと言わされた子供 nc+

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私はもう若くない。同人界隈でも長寿ジャンルにいるから、上は五十代の人とも普通に付き合いがある。

子持ちも多く、親子二代でファンという話自体は珍しくない。それ自体は別に構わない。

怖いのは、英才教育と称して子供をジャンルに縛りつけている親たちだ。

親の本棚の漫画を勝手に読んで染まったとかならまだいい。だが名付けの段階でキャラ名をつけ、キャラのように育つよう服装を決め、習い事まで揃える人たちがいる。闇属性の美形主人公に育てたいらしく、子供はいつも真っ黒な服を着せられていた。アンパンマンは禁止。明るい色は禁止。生と死とエロスがテーマのジャンルに合わないからだという。

その主人公が、作中でひたすら不幸な人生を送っていることには触れない。

ライブジャンルでは、小学生を爆音の会場に連れてくる親もいる。コスプレをさせ、周囲から可愛いと言われて満足そうにしている。子供に楽しいかと聞くと「うん」と答える。だが少し話すと、ジャンル自体には興味がないことが分かる。それでも「ママの好きなキャラが好き」と言うと、親は嬉しそうに笑う。その瞬間、子供の表情が固まる。

あるイベントで、同人仲間がコスプレ姿の子供を連れてきた。イベント後も交流だと言って会場前に長居し、夜十時を過ぎた頃、子供がぐずり始めた。眠いと言い、ぽろりと「本当はジャンル嫌い」と漏らした。

次の瞬間、親は無言で子供の肩を掴んだ。表情が消え、低い声で問い詰める。「嫌いなんて嘘でしょ」。子供は何度も首を振った。「嘘つく子は嫌いだからね」。子供はそれ以上何も言わず、ただ震えていた。

やがて「嫌いじゃない」「ごめんなさい」と言わされ、抱きしめられていた。泣き声は聞こえなかった。

私たちは複数で注意した。翌日、父親から長文の抗議メールと怒りの電話が来た。他所の子育てに口出しするな。個人情報は公式に通報し、出禁にしたと。実際には出禁にはなっていなかったが、そこで縁は切れた。その家族が今どうしているかは知らない。

今いるジャンルにも、イベント時に無料託児所を公式で用意してほしいと言う親がいる。私たちは親子でファンだから、という理由で。

こういう親のもとで育つ子供たちに、私は何もしてあげられない。それが一番怖い。

[出典:805 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2018/08/24(金) 23:31:03.39 ID:QKlIIu6U.net]

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