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もしもし、私です。:AIが声を盗む時代のショートショート【Kindle出版】

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更新履歴

  • 2026年05月25日(月):新規作成。短編集『もしもし、私です』の書籍紹介、見どころ、収録作、無料試し読みを掲載しました。

『もしもし、私です』AIが声を盗む時代のショートショート集

その声は、本当に本人ですか。

AI音声、なりすまし、特殊詐欺、家族の声、役所の声、恋人の声。私たちは、顔が見えなくても、聞き慣れた声がすれば相手を信じてしまいます。

短編集『もしもし、私です』は、AIが声を盗む時代をテーマにした現代ショートショート集です。全10話、一話完結。被害者、加害者、傍観者、捜査側、そしてAI自身まで、視点が変わるたびに「信じること」の怖さが少しずつ形を変えていきます。

声は、もはや証拠ではない

本書が描くのは、金銭被害だけではありません。

AIによって声が再現される時代には、孫の声、息子の声、役所の人の声、恋人の声、営業担当者の声までが、疑う対象になってしまいます。問題は、ただ「騙される」ことではありません。もっと深いところで、人が人を信じるために使ってきた感覚そのものが揺らいでいくことです。

電話の向こうから聞こえる「もしもし、私です」。その声が本人そっくりだったとしても、相手まで本物だと言えるのでしょうか。

本書の特徴

  • AI音声による詐欺・なりすましを題材にした全10編
  • 一話完結で、短時間でも読みやすい構成
  • 家族、恋人、役所、営業、霊能者など、日常に近い場面から恐怖を描く
  • 単なる防犯小説ではなく、「信じる力」そのものを問う物語
  • AI時代の違和感を、平明な文章と静かな余韻で描く

収録作品

  1. もしもし、おじいちゃん
  2. 論破
  3. 愛していました
  4. お母さん、僕、宏明
  5. メイの仕事
  6. 隣の席
  7. 親切な役所の方
  8. ナナミの声
  9. 防御線
  10. もしもし、私です

孫の声を名乗る電話。AIを見抜いたはずの男。恋愛詐欺を担うAI。親切な役所の人。止められなかった傍観者。読み進めるほど、声への信頼が少しずつ崩れていきます。

この本が描く、3つの怖さ

1. 声が「本人」の証拠ではなくなる

似ている声ではありません。話し方、間、記憶の断片まで含めて、本物より本物らしい声が現れる時代です。

2. 親切さが、判断停止の入口になる

人は乱暴な声より、丁寧な声に弱いものです。寄り添う言葉、こちらを気遣う口調、よく知っている記憶。そこに罠が仕掛けられます。

3. 見破っても、後遺症は残る

お金を失わなくても、安心は失われます。本物の声を聞いても、以前のようには信じられない。その静かな恐怖が、本書全体に流れています。

こんな読者におすすめです

  • 星新一的な切れ味のある短編が好きな人
  • AI、音声合成、特殊詐欺のテーマに関心がある人
  • 近未来と日常不安が交差する話が好きな人
  • 一話ごとに視点が変わる連作を読みたい人
  • 読後に静かな余韻が残る物語を探している人

怖さだけで押し切る本ではありません。物語として面白く、題材として今に切り込み、読み終えたあとに「自分ならどうするか」を考えさせる一冊です。

無料試し読み:まえがきより

電話が鳴る。

ただそれだけで、私たちは相手を判断しようとする。画面に出た名前。聞き慣れた声。いつもの言い回し。少し上ずった呼吸。焦ったような間。こちらを気遣う言葉。

相手が本当にその人かどうかを、私たちは意外なほど簡単に信じている。

本書は、AI技術の解説書ではありません。特殊詐欺の防犯マニュアルでもありません。

ただ、電話の向こうから聞こえてくる「私です」という声を、もう一度だけ疑ってみるための物語です。

無料試し読み:第一話「もしもし、おじいちゃん」冒頭

午後三時、ニュースは天気の話に移っていた。明日は晴れ、明後日は雨。山田佐一郎は湯呑みの煎茶をひとくち含み、テレビに向かって「降るのか」とつぶやいた。何かと話しかけてしまうのは、妻が亡くなってからのくせだ。

電話が鳴った。

リビングの子機が震えている。ディスプレイに番号が出ていた。知らない番号だった。下四桁が九三一九と読めた。佐一郎は腰を上げて、受話器を取った。

「もしもし」

「おじいちゃん、僕、真一だよ」

孫の声だった。

このあと佐一郎は、電話の向こうの「孫」に違和感を覚えます。声は確かに孫に似ている。けれど、息継ぎが規則正しすぎる。言葉づかいが少しだけ違う。しかも、二人だけの記憶まで正確に答えてくる。

本物より、本物らしい偽物。その怖さが、第一話から静かに立ち上がります。

最後に残る問い

声が本物なら、相手も本物なのか。

本人らしさは、誰のものなのか。

自分の声は、まだ自分だけのものなのか。

『もしもし、私です』が描くのは、AIが声を盗む時代に、信頼、記憶、判断、そして「本人であること」の輪郭が揺らいでいく世界です。

書籍情報

書名もしもし、私です
サブタイトルAIが声を盗む時代のショートショート
ジャンル現代ショートショート/AIサスペンス/特殊詐欺ミステリー
収録全10話・一話完結
形式Kindle電子書籍

文責:ライターズラボ編集部(2026年05月25日(月)執筆)

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